ドローンの立入管理措置とは?方法から補助者不要の条件まで解説

ドローン立入管理措置とは?定義と方法、補助者不要の条件まで解説

この記事の結論
・立入管理措置とは、特定飛行において第三者の立ち入りを制限し、事故リスクを抑えるための必須対策である

・具体的な方法には「補助者の配置」と「看板やコーンによる区画明示」があり、飛行場所に応じて選択する

・新設された「レベル3.5飛行」では条件を満たせば立入管理措置が不要となり、業務効率化が可能になる

ドローンを飛行させる際、特に「特定飛行」と呼ばれる飛行形態においては、安全確保のために「立入管理措置」を講じることが航空法で求められる場合があります。

「立入管理措置」という言葉を聞いたことはあっても、具体的にどのような対策を行えばよいのか、補助者は必ず必要なのか、といった疑問を持つ方は少なくありません。

本記事では、「ドローン 立入管理措置とは」という疑問に対し、その基本定義から法的根拠、具体的な実施方法までを網羅的に解説します。

また、2022年の法改正や新設された「レベル3.5飛行」における扱いや、自身で判断するための基準についても整理します。

安全かつ法律を遵守したフライトを実現するために、ぜひ本記事をお役立てください。

目次

ドローン「立入管理措置」とは?なぜ必要?基本を徹底解説

ドローンを安全に運用するためには、まず「立入管理措置」の基本的な定義と、なぜそれが必要とされるのかという背景を理解することが重要です。

ここでは法的な位置づけを含めて解説します。

立入管理措置の定義と法的位置づけ

立入管理措置とは、ドローンの飛行経路下において、第三者(操縦者や補助者以外の無関係な人)が立ち入らないように管理・制限を行う措置のことを指します。

航空法において、人口集中地区(DID)での飛行や目視外飛行などの「特定飛行」を行う場合、原則として国土交通大臣の許可・承認が必要です。

この際、安全確保義務の一環として、万が一ドローンが落下した場合でも第三者に危害を加えないよう、飛行エリアへの立ち入りを制限することが求められます。これが立入管理措置です。

具体的には、補助者を配置して注意喚起を行ったり、看板やコーンで区画を明示したりする方法が挙げられます。

これにより、ドローンと第三者との物理的な距離を保ち、事故のリスクを最小限に抑えることが目的です。

2022年12月改正のポイント

2022年12月の航空法改正により、ドローンの飛行形態はリスクに応じて「カテゴリーI」「カテゴリーII」「カテゴリーIII」の3つに分類されました。

この分類において、立入管理措置は非常に重要な判断基準となります。

  • カテゴリーII飛行
    立入管理措置を講じた上で行う特定飛行です。これまでの許可・承認が必要な飛行の多くがここに該当します。機体認証と操縦ライセンスを持つ場合、一部の手続きが不要になるなど合理化が図られています。
  • カテゴリーIII飛行
    立入管理措置を講じないで行う特定飛行です。いわゆる「レベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)」がこれに該当します。第三者の上空を飛行するため、最も厳格な安全基準が求められます。

このように、立入管理措置を行うかどうかで飛行のカテゴリーが変わり、必要な手続きや資格要件も大きく異なるため、制度を正しく理解しておく必要があります。

立入管理措置の有無が、カテゴリーII(措置あり)とカテゴリーIII(措置なし)を分ける決定的な違いです。

立入管理措置の具体的な方法とそれぞれの特徴

立入管理措置には主に「補助者の配置」と「区画の明示」という2つの方法があります。それぞれの具体的な実施方法と特徴について解説します。

「補助者の配置」による立入管理措置

補助者とは、操縦者と連携して飛行の安全を確保する役割を持つ人員のことです。立入管理措置として補助者を配置する場合、以下の役割が求められます。

  • 役割
    飛行範囲およびその周辺を監視し、第三者が飛行エリアに近づこうとした場合に注意喚起を行って立ち入りを防止します。また、有人機(ヘリコプターなど)の接近を監視し、操縦者に伝えます。
  • 要件
    操縦者と常時連絡が取れる状態であること(トランシーバーや携帯電話の使用など)。飛行経路全体を見渡せる位置に配置すること。

メリットとデメリット

メリットは、状況に応じて柔軟に対応できるため、看板などの設置が難しい場所でも実施しやすい点です。

一方デメリットとして、人員の確保が必要であり、人件費やスケジュールの調整が発生します。

「区画の明示」による立入管理措置

物理的に飛行エリアを区切り、第三者が入れないようにする方法です。

  • 具体的な設置方法
    カラーコーン、コーンバー、虎ロープ(標識ロープ)、看板、のぼり旗などを使用し、飛行範囲を明確に囲います。「ドローン飛行中 立入禁止」といった掲示を行うことが一般的です。
  • 要件
    第三者が容易に認識でき、かつ物理的に立ち入りが制限されている状態を作ること。

メリットとデメリット

メリットは、補助者の人数を減らす、あるいは操縦者一人でも運用が可能になる場合があることです。

デメリットは、機材の運搬や設置・撤去に手間と時間がかかる点です。広範囲の飛行では設置が現実的でない場合もあります。

補助者不要となるケースとその判断基準

原則として立入管理措置には補助者の配置が推奨されますが、条件を満たせば補助者なし(目視内飛行の場合など)での運用も認められます。

補助者が不要となる主なケース

  • 第三者が立ち入る可能性が極めて低い場所(山間部、海上、私有地内の閉鎖された空間など)での飛行。
  • 看板やロープ等で確実に区画整理が行われており、第三者の立ち入りを物理的に防げる場合。

「第三者の立ち入りを確実に制限できるか」の判断ポイント【Q&A】

Q: 公園の広場でコーンを置くだけで良いですか?
A: 公園のように不特定多数が出入りする場所では、コーンだけでは不十分とみなされる場合があります。子供が走り込んでくる可能性などを考慮し、補助者の配置やより強固な囲いが必要です。

Q: 河川敷での飛行はどうですか?
A: 見通しが良く、人がいないことが確認できれば補助者なしでも可能な場合がありますが、散歩やサイクリングの人が通る可能性がある場合は、監視が必要です。

Q: 私有地なら対策は不要ですか?
A: 私有地であっても、宅配業者や来客など第三者が入る可能性がある場合は、立入管理措置(看板や関係者への周知)が必要です。

不特定多数の人が出入りする場所では、コーンだけでなく補助者の配置を検討しましょう。

飛行レベル別「立入管理措置」の要求事項とポイント

ドローンの飛行レベル(レベル1〜4)や申請内容によって、求められる立入管理措置の質や内容は異なります。

包括申請における立入管理措置

業務などで頻繁にドローンを飛ばす際に行う「包括申請」では、特定の場所を決めずに許可を取得するため、標準的なマニュアルに沿った立入管理措置が求められます。

航空局標準マニュアルでは、「飛行場所の特定」「第三者の立ち入り制限」「補助者の配置」などが基本ルールとして記載されています。

現場ごとに状況が異なるため、常に「カラーコーンと看板」を車に積んでおく、補助者と連絡手段を確保するなど、どの現場でも標準的な対応ができる準備をしておくことが重要です。

レベル3/3.5飛行における立入管理措置

レベル3飛行(無人地帯での目視外飛行)

山間部などの人がいないエリアで、操縦者が機体を見ずに飛行させる形態です。この場合、飛行経路下に第三者がいないことを保証するための立入管理措置(補助者の配置や看板設置、あるいは立入禁止区画であることの確認)が必須となります。

レベル3.5飛行(2023年12月新設)

レベル3飛行の要件を緩和した新制度です。以下の条件を満たすことで、立入管理措置(補助者の配置や看板設置)を撤廃して目視外飛行が可能になります。

  • 操縦ライセンスの保有
  • 保険への加入
  • 機上カメラ等による歩行者等の有無の確認

レベル3.5では、物理的な立入管理措置の代わりに、デジタル技術(カメラ)を用いた安全確認が求められる点が大きな特徴です。

レベル4飛行における立入管理措置

レベル4飛行は「有人地帯(第三者の上空)での目視外飛行」を指します。定義上、立入管理措置を講じないで行う特定飛行(カテゴリーIII飛行)となります。

立入管理措置を行わない代わりに、機体の安全性(第一種機体認証)と操縦者の技能(一等無人航空機操縦士)が厳格に求められます。

また、飛行経路下の住民への周知や、離着陸地点周辺の安全確保など、地域協議会等を通じた調整が必要となるケースが多くあります。

レベル3.5制度を活用すれば、補助者なしでの目視外飛行が可能になり、業務効率が大幅に向上します。

立入管理措置を実践する際の注意点と失敗事例から学ぶ回避策

実際に立入管理措置を行う際の実務的な注意点や、よくある失敗事例について解説します。

航空局との調整をスムーズに進めるための具体的なポイント

独自の飛行マニュアルで申請する場合や、特殊な環境で飛行させる場合は、航空局との事前調整が必要になることがあります。

申請書には、「どのような方法で」「誰が」「どの範囲を」管理するのかを具体的に記載します。図面を用いて補助者の配置位置やコーンの設置場所を示すとスムーズです。

イベント上空や複雑な地形での飛行など、判断に迷う場合はヘルプデスクや航空局へ事前相談を行い、「第三者が侵入した場合の対処フロー」を明確にしておくことが重要です。

実践的な導入コストと難易度

立入管理措置にはコストがかかります。費用対効果を考えて最適な方法を選ぶ必要があります。

  • 補助者の配置
    人件費が主なコストです。安全性は高いですが、コストは高くなります。
  • 区画の明示
    看板やコーンの購入費(数千円〜数万円)がかかりますが、一度揃えれば繰り返し使えます。少人数運用の場合はこちらがコストを抑えられます。
  • レベル3.5の活用
    機材やライセンス取得の初期投資はかかりますが、運用時の補助者人件費を削減できるため、頻繁に目視外飛行を行う業務では長期的メリットがあります。

立入管理措置が不十分と判断された失敗事例と回避策

失敗事例

  • 「立入禁止」の看板を設置したが、文字が小さすぎて通行人が気づかずにエリア内に入ってしまった。
  • 補助者を配置したが、スマホを操作していて第三者の接近に気づくのが遅れた。

回避策

看板は遠くからでも視認できるサイズと色(黄色や赤など)を使用しましょう。補助者には業務中のスマホ操作禁止など、役割を徹底させるブリーフィングを行うことが不可欠です。

看板は「目立つ色・大きな文字」を選び、補助者には事前の役割説明を徹底しましょう。

立入管理措置を怠った場合の罰則と違反事例

立入管理措置は単なるマナーではなく、法律上の義務となる場合があります。違反した場合のリスクを理解しておきましょう。

航空法違反となる具体的なケースと罰則内容

特定飛行の許可・承認条件として立入管理措置が義務付けられているにもかかわらず、これを怠って飛行させた場合、航空法違反となります。

罰則として、50万円以下の罰金が科される可能性があります。また、許可・承認の取り消しや、今後の申請が通らなくなるリスクもあります。

万が一、立入管理措置を怠った状態で第三者に怪我をさせた場合、刑事責任(業務上過失致傷など)や多額の民事賠償責任を問われることになります。

適切な措置で安全なドローン飛行を実現しよう

ドローンの立入管理措置は、第三者の安全を守るだけでなく、操縦者自身を法的リスクや事故の責任から守るための重要な防波堤です。

飛行させる場所や目的に応じて、「補助者の配置」「区画の明示」、あるいは「レベル3.5飛行の要件充足」など、最適な方法を選択してください。

常に「もしドローンが落ちたらどうなるか」を想像し、過剰なくらいの安全対策を講じることが、信頼されるドローンパイロットへの第一歩です。

まとめ

本記事では、ドローンの立入管理措置について解説しました。

  • 立入管理措置の定義
    特定飛行において第三者の立ち入りを制限し、安全を確保する措置。
  • 具体的な方法
    補助者の配置による監視や、看板・コーンによる区画の明示。
  • 飛行レベルとの関係
    レベル3では必須だが、新設されたレベル3.5ではカメラ監視等により補助者・看板が不要になる。レベル4は立入管理措置を講じない飛行(有人地帯目視外)を指す。
  • 重要性
    適切な措置を怠ると航空法違反となり、罰金や事故の責任を問われる可能性がある。

自身の飛行計画に合わせて適切な立入管理措置を選び、安全なフライトを楽しんでください。技術や法律は日々アップデートされるため、継続的な情報収集をおすすめします。

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