北海道ドローン入門 免許・ルール・撮影・活用まで

北海道ドローン入門 免許・ルール・撮影・活用まで

この記事の結論
・北海道でのドローン利用には航空法や寒冷地特有の運用ノウハウが必須

・旭川市など道内各地に国家資格対応のスクールがあり取得が推奨される

・ビジネス活用や絶景撮影にはルール遵守と徹底した安全管理が成功の鍵

北海道の雄大な自然や広大な土地は、ドローンを飛ばすフィールドとして非常に魅力的です。

空撮による絶景の記録や、大規模農業における農薬散布・生育管理など、趣味からビジネスまで幅広い活用が期待されています。

しかし、実際に北海道でドローンを始めるには、航空法などの法律知識、寒冷地特有の運用ノウハウ、そして適切な機体選びが欠かせません。

「どこで習えばいいのか」「冬でも飛ばせるのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

本記事では、北海道でドローンを始めたい初心者の方に向けて、基礎知識から免許取得、安全な飛行ルール、そしてビジネス活用までを網羅的に解説します。

特に旭川市を含む道内のスクール情報や、北海道ならではの注意点についても詳しく触れていきます。

目次

北海道でドローンを始める前に!基礎知識と準備

ドローンは単なるラジコンではなく、航空法で定義された「無人航空機」として扱われる場合があります。

まずは、北海道でドローンライフをスタートさせるために必要な基礎知識と準備について解説します。

ドローンを始めるメリット・デメリット

ドローンを導入することには、大きな可能性と同時にリスクも存在します。

メリット

  • 圧倒的な映像表現:北海道の広大な風景を、地上では不可能な視点から撮影できます。
  • 業務効率化:農業における農薬散布や、インフラ点検、測量などの作業時間を大幅に短縮できます。
  • 新たな趣味・スキル:操縦技術や空撮スキルは、将来的な副業やキャリアアップにつながる可能性があります。

デメリット

  • 事故のリスク:墜落や衝突により、人や物に損害を与える可能性があります。
  • 法規制の複雑さ:航空法や電波法、地域の条例など、守るべきルールが多く存在します。
  • コスト:機体購入費だけでなく、保険料、バッテリーなどの消耗品、場合によってはスクール費用がかかります。

初心者におすすめのドローン機種と選び方

ドローンは用途によって適した機種が異なります。初心者は以下のポイントを基準に選ぶと良いでしょう。

  • 重量100g未満か以上か:重量が100g以上の機体は航空法の規制対象となり、機体登録が義務付けられています。本格的な空撮やビジネス利用を目指すなら100g以上の高性能機(DJI MiniシリーズやMavicシリーズなど)が一般的です。
  • カメラ性能:4K撮影が可能か、ジンバル(手ブレ補正)の性能は十分かを確認します。
  • 耐風性能:北海道は風が強い日が多いため、ある程度の風速に耐えられる安定性の高いモデルが推奨されます。
  • 寒冷地対応:バッテリーは低温に弱いため、動作環境温度を確認し、予備バッテリーが入手しやすいメーカーを選びましょう。

本格的な空撮を目指すなら、風に強く画質が良い100g以上の機種を選びましょう。

ドローン購入・レンタルから保険まで、必要な準備

機体を手に入れる前に、以下の準備を進める必要があります。

  1. 機体登録(DIPS 2.0):100g以上のドローンは、国土交通省の「ドローン基盤情報システム(DIPS 2.0)」で機体登録を行い、登録記号を機体に表示する必要があります。また、リモートID機器の搭載も原則義務化されています。
  2. 保険への加入:万が一の事故に備え、対人・対物賠償責任保険への加入は必須と言えます。趣味用と業務用でプランが異なるため注意が必要です。
  3. 購入かレンタルか:最初は操作感を確かめるためにレンタルサービスを利用するのも一つの手です。本格的に運用する場合は、サポート体制のある正規代理店や家電量販店での購入をおすすめします。

北海道でのドローン免許・資格取得完全ガイド

2022年12月よりドローンの国家資格制度(無人航空機操縦者技能証明)が開始されました。

北海道で安全かつ適法にドローンを飛ばすための、免許・資格について解説します。

ドローン免許・資格はなぜ必要?種類と選び方

ドローンの資格には「国家資格」と「民間資格」があります。

  • 国家資格(一等・二等無人航空機操縦士)
    • 一等:「有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(レベル4飛行)」が可能になります。
    • 二等:一部の飛行許可・承認手続きが不要または簡略化されます。ビジネス利用や信頼性の証明として取得する人が増えています。
  • 民間資格(JUIDA、DPAなど)
    • これまでドローン操縦の技能証明として機能してきました。国家資格取得時に講習時間の一部免除(経験者枠)を受けられる場合があります。

趣味で飛ばす範囲であれば資格は必須ではありませんが、基礎知識と技術を体系的に学ぶため、また飛行許可申請をスムーズにするために取得が推奨されます。

【旭川市も!】北海道でおすすめのドローンスクール一覧

北海道内、特に旭川市周辺には国土交通省の登録講習機関として認定されたスクールが複数存在します。

  • 北海道モビリティスクール(旭川市)
    国家資格(一等・二等)の講習に対応しており、自動車教習所のノウハウを活かしたカリキュラムが特徴です。
  • JULC 北海道北教習所(旭川市)
    日本無人航空機免許センター(JULC)の教習所として、質の高い講習を提供しています。
  • WHOOPS! ドローンスクール(旭川市)
    JUIDA認定スクールとしての実績があり、国家資格取得に向けたコースも展開しています。

これらのスクールでは、国家資格だけでなく民間資格の取得が可能なコースも用意されている場合があります。

スクール選びのポイントと費用相場

スクールを選ぶ際は、以下のポイントを比較検討してください。

  • 取得できる資格:国家資格対応か、民間資格のみか。
  • 講習環境:屋内練習場があるか(冬場の北海道では重要)、実技講習の広さは十分か。一部スクールではシミュレーターや無料送迎などのサポートがあります。
  • 費用相場
    • 民間資格・基礎コース:数万円〜十数万円程度。
    • 国家資格(二等・初学者):30万円〜40万円程度が一般的ですが、スクールにより大きく異なります。
    • 国家資格(二等・経験者):10万円〜20万円程度(民間資格保有者などが対象)。

冬場でも受講できるよう、屋内練習場を完備しているスクールを選ぶのがおすすめです。

北海道で安全にドローンを飛ばす!飛行ルールと許可申請

北海道は広大ですが、どこでも自由に飛ばせるわけではありません。法律と地域のルールを正しく理解しましょう。

航空法から地方条例まで!北海道のドローン飛行規制

ドローン飛行において遵守すべき主なルールは以下の通りです。

  1. 航空法:空港周辺、150m以上の上空、人口集中地区(DID地区)での飛行は原則禁止(許可が必要)。日中(日の出から日没まで)に飛行させること、目視範囲内で飛行させることなどの遵守事項があります。
  2. 小型無人機等飛行禁止法:国の重要施設や自衛隊基地周辺などでの飛行が禁止されています。
  3. 北海道の条例・公園ルール:道立公園や国立公園、観光地では、ドローンの飛行を禁止または許可制にしている場所が多くあります。例えば、札幌市内の公園では原則として飛行が制限されているケースが一般的です。

ドローン飛行許可申請の具体的な流れと注意点

規制対象となる空域や方法で飛行させる場合は、国土交通省への許可・承認申請が必要です。

  1. DIPS 2.0で申請:オンラインシステム「DIPS 2.0」を使用し、飛行計画、機体情報、操縦者情報を入力して申請します。
  2. 包括申請と個別申請
    • 包括申請:一定期間(最大1年)、日本全国(特定の場所を除く)での飛行許可を得る方法。業務などで頻繁に飛ばす場合に便利です。
    • 個別申請:特定の日時、場所、経路を指定して申請する方法。イベント空撮や特殊な飛行を行う場合に必要です。
  3. 土地所有者の許可:航空法の許可があっても、土地所有者・管理者の許可が別途必要になることが基本です。

知っておきたい北海道特有の気候条件(冬季、強風など)対策

北海道でのドローン運用には、厳しい自然環境への対策が不可欠です。

  • 低温時のバッテリー管理:リチウムポリマーバッテリーは寒さに弱く、電圧が急激に低下することがあります。飛行前にバッテリーを温める(20℃〜30℃程度)、予備を多めに用意する、飛行時間を短めに設定するなどの対策が必要です。
  • 降雪とホワイトアウト:ドローンは基本的に防水ではない機種が多く、雪の中での飛行は故障の原因になります。また、視界不良(ホワイトアウト)によるロスト(機体紛失)にも注意が必要です。
  • 強風:海沿いや平野部では風が強くなりやすいため、風速計を携帯し、無理なフライトは避ける判断力が求められます。

冬場はバッテリー性能が落ちるため、予備を多めに用意し保温対策を徹底しましょう。

【北海道ドローン撮影】絶景を空から!おすすめスポットと撮影ノウハウ

北海道の美しい風景をドローンで撮影するためのポイントを紹介します。

北海道のドローン撮影におすすめの絶景スポット

北海道には空撮映えするスポットが数多く存在しますが、飛行可否は常に変動します。

  • 海岸線:断崖絶壁や美しい海の色は空撮ならではの被写体です。
  • 広大な農地:パッチワークのような畑の風景は北海道を象徴します(※私有地のため農家の許可が必須)。
  • 雪原:冬の真っ白な雪原と木々のコントラストは幻想的です。

※具体的なスポット名については、自治体や観光協会によってドローン禁止区域に指定されている場合があるため、必ず事前に公式サイト等で最新の規制状況を確認してください。

撮影許可の取得とプライバシーへの配慮

撮影時は以下の点に注意し、トラブルを未然に防ぎましょう。

  • 許可取りの徹底:公園、観光地、河川敷など、管理者がいる場所では必ず事前に問い合わせを行いましょう。「ドローン飛行禁止」の看板がないか現地確認も重要です。
  • プライバシー保護:撮影した映像に他人の顔や車のナンバー、住宅の中などが映り込まないよう配慮が必要です。映り込んだ場合はぼかしを入れるなどの編集を行いましょう。

プロが教える!北海道で失敗しないドローン撮影のコツ

  • NDフィルターの活用:雪景色や晴天時の反射を抑え、滑らかな映像を撮るためにNDフィルター(減光フィルター)の使用が推奨されます。
  • ハンドキャッチの習得:北海道の地面は雪や草、泥などで平らでないことが多いため、手で離着陸させる「ハンドキャッチ」の技術があると便利です(※十分な練習と安全確保が必要)。
  • 寒さ対策:操縦者自身の手がかじかむと繊細な操作ができません。指先が出る手袋やカイロなどの防寒対策を万全にしましょう。

雪原での撮影は白飛びしやすいため、NDフィルターを活用して光量を調整しましょう。

北海道におけるドローン活用事例とビジネスチャンス

北海道では、その地域特性からドローンビジネスの需要が高まっています。

農業、測量、観光…北海道でのドローン活用事例

  • スマート農業:広大な農地への農薬・肥料散布、作物の生育状況をマルチスペクトルカメラで解析するセンシング技術などが普及しています。
  • インフラ点検:橋梁や風力発電のブレード点検など、人が近づくのが危険な場所での点検業務に活用されています。
  • 鳥獣害対策:エゾシカやヒグマの生息調査、追い払いなどにドローン(赤外線カメラ搭載機など)が試験導入されています。

ドローン関連ビジネスを始めるには?

ビジネスとしてドローンを始めるには、以下のステップが一般的です。

  1. 資格と技術の習得:スクールに通い、国家資格(二等以上推奨)を取得して信頼性を確保します。
  2. 機材の導入:業務用途に応じた産業用ドローンや解析ソフトを導入します。
  3. 実績作り:知人の依頼や小規模な案件からスタートし、ポートフォリオ(実績集)を作成します。

経験者が語る!北海道でのドローン事業成功の秘訣

北海道でドローン事業を成功させる鍵は「地域課題への対応」です。

例えば、人手不足に悩む農家への散布代行や、冬期間の除雪計画のための測量など、北海道特有のニーズに応えるサービスが求められています。

また、冬場は飛行できない日も多いため、年間を通じた事業計画や、屋内点検・データ解析などの業務を組み合わせる工夫も重要です。

冬場は屋外飛行が難しいため、データ解析や屋内点検など年間を通じた事業計画を立てましょう。

まとめ

北海道でドローンを始めるには、まず基礎的な法律知識と安全意識を持つことが第一歩です。

その上で、旭川市をはじめとする道内のスクールを活用して確かな技術と資格を習得することをおすすめします。

北海道でドローンを始めるためのステップ

  1. 目的を明確にする:趣味の空撮か、ビジネス活用か。
  2. ルールを学ぶ:航空法や北海道特有の気候リスクを理解する。
  3. スクールを検討する:旭川市などの登録講習機関で体験や受講を検討する。
  4. 機体を手に入れる:用途に合ったドローンを購入し、登録・保険加入を行う。
  5. 安全に楽しむ:許可を取り、マナーを守ってフライトする。

雄大な北海道の空は、あなたの挑戦を待っています。正しい知識と準備を整えて、安全で楽しいドローンライフをスタートさせましょう。

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