神奈川県は、横浜のみなとみらいや江ノ島の海岸線、箱根の山々など、空撮に適した魅力的なロケーションが数多く存在します。
しかし、人口集中地区(DID)が多く、重要施設も点在しているため、ドローンを飛ばすための規制は非常に複雑です。「どこで飛ばせるのか?」「許可は必要なのか?」と悩む初心者の方も多いでしょう。
本記事では、神奈川県内でドローンを安全かつ合法的に飛行させるためのルール、許可申請の手順、飛行可能な場所の探し方について、事実に基づき分かりやすく解説します。
横浜や江ノ島などの人気エリアでの注意点もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
神奈川県でドローンを安全に楽しむ!飛行ルール・スポット・イベント情報【横浜・江ノ島も】
神奈川県は都心からのアクセスも良く、ドローンの活用が期待される地域ですが、同時に人口密度が高く、飛行には細心の注意が必要です。
まずは神奈川県におけるドローンの現状と、飛行前に知っておくべき基本を確認しましょう。
神奈川県が推進する「ドローン前提社会」とは?
神奈川県では、テクノロジーを活用した社会課題の解決に向けた取り組みが進められています。ドローンに関しても、物流やインフラ点検、災害対策などでの活用が期待されており、自治体レベルでもドローンの有用性が認識されています。
しかし、社会実装が進む一方で、安全確保のためのルール遵守が強く求められています。
ドローン前提社会とは、単に自由に飛ばせる社会ではなく、適切な管理とルールの下で安全に技術を活用できる環境を指します。ユーザー一人ひとりが法令を遵守することが、今後のドローン社会の発展につながります。
ドローン飛行の前に確認すべき基本事項
ドローンを飛行させる前に、以下の基本事項を必ず確認してください。
- 機体の準備と点検:バッテリーの充電状況、プロペラの破損有無、通信環境の確認を必ず行いましょう。
- 法規制の理解:航空法や小型無人機等飛行禁止法など、関係する法律は多岐にわたります。知らなかったでは済まされないため、事前の学習が不可欠です。
- 安全意識:万が一の墜落や衝突に備え、第三者の上空を飛ばさない、賠償責任保険に加入するなどの対策を講じましょう。
飛行前の機体点検とバッテリー確認は、事故を防ぐための第一歩です。
【最重要】神奈川県でのドローン飛行ルールと許可申請の要点
神奈川県でドローンを飛ばす際、最も重要になるのが法律と条例の理解です。県内は規制エリアが広範囲に及ぶため、無許可で飛ばせる場所は限られています。
航空法に基づく飛行規制
航空法では、ドローンの飛行に関して厳格なルールが定められています。特に以下のケースでは、国土交通大臣の許可・承認が必要です。
- 人口集中地区(DID)の上空:神奈川県の横浜市、川崎市、相模原市などの主要な市街地は、その多くがDIDに指定されています。自宅の庭であっても、DID内であれば許可が必要です。
- 空港等の周辺:羽田空港や厚木基地などの周辺空域は飛行禁止エリアです。
- 150m以上の高さ:地表または水面から150メートル以上の高さでの飛行は、航空機の航行に影響を与える恐れがあるため規制されています。
- 特定飛行:夜間飛行、目視外飛行(モニターを見ながらの操縦など)、人または物件から30m未満での飛行を行う場合も承認が必要です。
DID地区内では、自宅の庭であっても許可なしでの飛行は航空法違反となります。
神奈川県・市町村条例による追加規制と注意点
国の法律に加え、神奈川県や各市町村独自の条例にも注意が必要です。
- 県立公園:神奈川県内の県立都市公園では、条例によりドローンの飛行が原則として禁止されています。飛行させるには、市長等の許可が必要となる場合がありますが、趣味目的での許可取得はハードルが高いのが現状です。
- 重要施設周辺:「小型無人機等飛行禁止法」に基づき、国の重要施設や米軍施設、原子力事業所などの周辺おおむね300メートル地域は飛行禁止区域に指定されています。この規制は機体の重量を問わず適用されるため、小型のトイドローンであっても飛行できません。
飛行許可・承認の申請手続きと窓口
規制対象となるエリアや方法で飛行させる場合は、事前に許可・承認を得る必要があります。
- 包括申請:業務などで頻繁に飛行させる場合、一定期間・一定範囲での飛行をまとめて申請する「包括申請」を行うことが一般的です。これにより、DID地区や夜間飛行などの許可を得ることができます。
- 申請窓口:申請者の住所や飛行場所によって管轄が異なりますが、基本的には国土交通省(東京航空局など)へ申請を行います。現在はオンラインシステム(DIPS 2.0)を利用するのが主流です。
- 重要施設の周辺:対象施設の管理者や、管轄する警察署、都道府県公安委員会等への通報や同意が必要になります。
ドローン飛行におけるマナーと地域住民への配慮
法律を守っていても、騒音やプライバシー侵害でトラブルになるケースがあります。
住宅地や人が集まる場所での飛行は避け、周囲の人に不安を与えないよう配慮しましょう。また、私有地の上空を飛ばす場合は、土地所有者の承諾を得るのがマナーです。
神奈川県でドローンを安全に飛ばせる場所・練習場
「どこなら飛ばせるのか?」という疑問に対し、安全な場所の探し方と練習環境について解説します。
【厳選】公認ドローンフィールド・練習場リスト
神奈川県内で安心してドローンを飛ばすには、管理された「ドローンフィールド」や「練習場」を利用するのが最も確実です。
県や国の公式サイトに網羅的なリストはありませんが、民間のドローンスクールが運営する練習場や、フットサルコートなどを利用した屋内練習場が県内各地に存在します。
これらの施設は、航空法の許可申請が不要な屋内施設や、ネットで囲われたエリアを提供していることが多く、初心者でも安心して練習できます。利用の際は、各施設の公式サイトで事前予約や利用規約を確認してください。
空撮におすすめの景勝地
神奈川県には海や山などの景勝地が多いですが、これらは国立公園や国定公園、あるいは私有地に含まれる場合があります。
- 海岸:海岸管理者の許可や届出が必要な場合があります。また、海水浴場シーズンなどは安全確保のため飛行が禁止されることが一般的です。
- 山間部:ハイキングコースや登山道周辺は人が多いため避けましょう。また、地権者の許可が必要なケースもあります。
「景勝地=自由に飛ばせる場所」ではないため、必ずその場所を管理する自治体や団体に個別に確認を取る必要があります。
飛行禁止エリアの確認方法とマップ活用術
飛行予定地が規制エリアに含まれているかどうかは、以下のツールを使って正確に確認しましょう。
- 国土地理院地図:「人口集中地区(DID)」のレイヤーを表示させることで、航空法の規制エリアを確認できます。
- ドローン飛行支援アプリ:各種アプリでは、DID地区に加え、空港周辺エリアや重要施設の周辺などを地図上で確認できます。
ただし、アプリの情報が最新の条例やローカルルールをすべて反映しているとは限りません。最終的には現地の看板や管理事務所での確認が不可欠です。
アプリの情報は最新ではない可能性があるため、必ず現地の看板や管理事務所で最終確認を行いましょう。
【地域別】横浜・江ノ島・みなとみらいのドローン事情とイベント情報
観光地として人気の高いエリアでのドローン事情について解説します。これらのエリアは特に規制が厳しいため、無断での飛行は絶対に避けてください。
横浜エリアのドローン事情
横浜では、「横浜ドローンショー」や企業のプロモーションで多数のドローンが夜空を彩ることがあります。これらは主催者が厳密な安全対策を講じ、特別な許可を得て実施しているものです。
一般ユーザーが横浜市内で個人的にドローンを飛ばす場合、市街地のほぼ全域がDID地区であること、港湾施設や重要施設が多いことから、飛行場所の確保は非常に困難です。イベントを見る側として楽しむか、屋内練習場を利用することをおすすめします。
江ノ島エリアでのドローン飛行
江ノ島周辺は湘南の海を撮影したい人気のスポットですが、注意が必要です。
- 観光客の多さ:年中を通して観光客が多く、第三者の上空を飛行させるリスクが非常に高いエリアです。
- トンビなどの鳥類:上空ではトンビに機体が襲われるケースも報告されており、機体ロストや墜落の危険があります。
- 許可の確認:海岸や島内での飛行可否については、藤沢市や海岸管理者への事前確認が必須です。
みなとみらいエリアでのドローン活用と規制
みなとみらい地区は、高層ビル群や商業施設が密集しており、電波干渉のリスクも高いエリアです。また、多くのイベントが開催されますが、これらもプロの業者が厳重な管理下で行っています。
このエリアはDID地区であるだけでなく、港湾法や公園条例、重要施設周辺の規制が複合的に絡み合います。一般の方が許可なく飛行させることは現実的ではありません。
特定エリアでドローンを飛ばす際の事前確認事項
特定の場所で飛ばしたい場合は、以下の手順で確認を行いましょう。
- 場所の特定:飛ばしたい場所の住所や範囲を明確にする。
- 管理者の特定:その場所が公園なら市役所や土木事務所、海岸なら港湾事務所や土木事務所、私有地なら所有者を調べる。
- 問い合わせ:電話等で「ドローンを飛ばしたいが、どのような手続きが必要か」を直接確認する。
私有地や観光地で飛ばす際は、必ず土地の管理者や所有者に直接許可を取りましょう。
神奈川県のドローンスクール・関連サービス情報
安全にドローンを扱うためには、スクールでの学習が近道です。
ドローンスクールで学ぶメリットと選び方
ドローンスクールに通うことで、操縦技術だけでなく、複雑な航空法や気象学などの知識を体系的に学ぶことができます。
また、国土交通省の登録講習機関を修了すれば、国家資格(無人航空機操縦者技能証明)取得時の実地試験が免除されるメリットもあります。
選び方のポイントは、「国家資格に対応しているか」「実技練習の環境が整っているか」「卒業後のサポートがあるか」などを基準にすると良いでしょう。
神奈川県内の主要ドローンスクール
神奈川県内には、横浜市や藤沢市、厚木市などを中心に多くのドローンスクールが開校しています。
屋内練習場を完備しているスクールや、空撮・測量など専門的なコースを設けているスクールなど、特徴は様々です。自宅や職場から通いやすい場所にある登録講習機関を探してみましょう。
空撮代行・測量・点検などビジネス向けサービス提供会社
自分で飛ばすのではなく、プロに依頼したい場合は、空撮代行や点検サービスを利用するのも一つの手です。
神奈川県内には、ドローンを用いた外壁点検や測量、PR動画の撮影を行う企業が多数存在します。プロに依頼することで、法的リスクを回避しつつ、高品質な成果物を得ることができます。
まとめ
神奈川県でドローンを楽しむためには、正しい知識とルールの遵守が不可欠です。
- DID地区の確認:神奈川県の市街地は広範囲が人口集中地区です。
- 条例と重要施設の把握:公園や重要施設周辺の規制を必ずチェックしましょう。
- 安全第一:無理な飛行は避け、練習場やスクールを活用して技術を磨きましょう。
最新のイベント情報や規制情報は、神奈川県や各自治体の公式サイト、国土交通省の発表をこまめに確認することをおすすめします。ルールを守り、安全にテクノロジーを活用していきましょう。


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