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ドローン飛行禁止区域マップ|DJIアプリ確認と罰則回避

この記事の結論
・航空法や小型無人機等飛行禁止法など、飛行場所を規制する法律の理解が不可欠
・国土地理院地図やDIPS 2.0を活用し、正確な飛行禁止エリアを把握する
・DJIユーザーはアプリの警告だけでなく、日本の法律に基づいた判断が必要

ドローンの性能向上に伴い、ビジネスや趣味での利用が急速に拡大しています。

しかし、ドローンを飛行させる上で最も注意しなければならないのが「飛行禁止区域」の存在です。

「知らなかった」では済まされない法律違反や、重大な事故を防ぐためには、正確な知識と事前確認が不可欠です。

本記事では、ドローンの飛行禁止区域について、航空法や小型無人機等飛行禁止法といった法規制の基礎から、地図ツールを使った具体的な確認手順までを網羅的に解説します。

シェアNo.1であるDJI製ドローン特有の仕様についても触れていますので、安全かつ合法的にフライトを行うための知識を習得しましょう。

目次

ドローン飛行禁止区域とは?安全な飛行のために知るべき基礎知識

ドローンを飛ばす場所には、法律によって厳格なルールが定められています。

まずは、なぜ規制が存在するのか、飛行前にどのような心構えが必要かという基礎知識を解説します。

ドローン規制の背景と目的(なぜ飛行禁止区域があるのか)

ドローンの飛行禁止区域が設定されている主な理由は、「航空機の安全確保」と「地上への危険防止」の2点です。

ドローンが航空機と衝突すれば大惨事につながる恐れがあるため、空港周辺や一定以上の高度は飛行が禁止されています。

規制の目的は「空の安全」と「地上の人や建物の保護」にあります。

また、万が一ドローンが墜落した際に、地上の人や建物に被害が及ばないよう、人口が密集している地域(人口集中地区)での飛行も制限されています。

さらに、2015年に首相官邸でドローンが発見された事件を契機に、国の重要施設に対するテロ対策やプライバシー保護の観点からも法整備が急速に進められました。

これらの規制は、ドローン社会の健全な発展と、公共の安全を守るために不可欠なルールです。

飛行前に必ず確認すべき「3つのステップ」

安全な飛行を実現するためには、以下の3つのステップをルーティンとして実施することが重要です。

  • 機体の点検:バッテリー残量、プロペラの破損、ファームウェアの更新状況などを確認する。
  • 気象状況の確認:風速(一般的に風速5m/s以上は危険)、降雨、視界不良がないかを確認する。
  • 飛行場所の確認:飛行予定地が「飛行禁止区域」に該当しないか、土地の管理者から許可が得られているかを確認する。

特に3つ目の「場所の確認」は、法律違反を避けるために最も複雑かつ重要なプロセスです。

ドローン飛行を規制する2つの主要法律と4つの禁止空域・区域

ドローンの飛行場所を規制する法律は主に「航空法」と「小型無人機等飛行禁止法」の2つです。

これらは管轄や対象エリアが異なるため、両方を理解しておく必要があります。

航空法で定められた飛行禁止空域とルール(特定飛行)

航空法では、国土交通大臣の許可・承認なしに飛行させてはならない空域(特定飛行に該当する空域)として、主に以下の4つを定めています。

  1. 空港等の周辺:航空機の離着陸の安全を確保するため、空港やヘリポートの周辺空域は飛行禁止です。
  2. 緊急用務空域:災害発生時など、消防や警察のヘリコプターが活動するために一時的に指定される空域です。
  3. 150m以上の上空:地表または水面から150m以上の高さの空域は、有人航空機との衝突を避けるために禁止されています。
  4. 人口集中地区(DID):国勢調査の結果に基づき設定された、人家が密集している地域です。

都市部の公園や河川敷であっても、人口集中地区(DID)内であれば原則飛行禁止です。

これらの空域でドローンを飛ばす場合は、事前に国土交通省への許可申請が必要です。

小型無人機等飛行禁止法で定められた「重要施設周辺」

航空法とは別に、警察庁が管轄する「小型無人機等飛行禁止法」があります。

この法律は、国の重要施設およびその周囲おおむね300mの地域(レッドゾーンおよびイエローゾーン)での飛行を禁止しています。

重量100g未満のトイドローンであっても、重要施設周辺での飛行は禁止されています。

  • 国会議事堂、内閣総理大臣官邸
  • 皇居、御所
  • 外国公館
  • 原子力事業所
  • 防衛関係施設(自衛隊基地、在日米軍施設)
  • 空港(主要なもの)

飛行させるには、施設管理者の同意と、都道府県公安委員会等への通報が必要です。

【見落としがち】一時的な飛行禁止区域の確認方法

恒久的な禁止区域に加え、特定のイベントや要人の来日、大規模災害時に「一時的な飛行禁止区域」が設定されることがあります。

オリンピック、G7サミット、万博などの大規模イベントや、災害時の緊急用務空域がこれに該当します。

これらの情報は、地図アプリには即座に反映されない場合があります。

飛行前には必ず、国土交通省のWebサイトや公式X(旧Twitter)、各都道府県警察の発表を確認し、リアルタイムの情報を取得してください。

【図解】ドローンの飛行禁止区域を「地図」で正確に確認する3つの方法

法律の定義を理解したところで、実際に自分の飛ばしたい場所が禁止区域かどうかを地図上で確認する方法を解説します。

国土地理院「地理院地図」での確認方法と使い方

最も確実で基本的な確認方法は、国土地理院が提供するWeb地図を利用することです。

  1. Webブラウザで「地理院地図」にアクセスします。
  2. 地図画面左上の「情報」アイコンをクリックします。
  3. 「他機関の情報」>「人口集中地区(DID)」を選択します。

これにより、地図上で赤く塗りつぶされたエリアが表示されます。

この赤色エリアが人口集中地区であり、許可なくドローンを飛ばしてはいけない場所です。

また、空港周辺の制限表面(高さ制限)も同様にレイヤーを選択することで確認可能です。

国土交通省「DIPS」や外部ドローン飛行支援サービスの活用

より手軽に、かつスマホアプリなどで確認したい場合は、以下のツールが有効です。

  • DIPS 2.0(ドローン情報基盤システム):国土交通省が運用する公式システムです。飛行許可申請だけでなく、飛行計画の通報機能の中で、禁止空域や他のドローンの飛行予定を確認できます。
  • 民間アプリ(SORAPASSなど):民間企業が提供するフライト支援アプリは、現在地周辺のDID地区、空港周辺、重要施設などをGPSと連動して直感的に表示してくれます。

最終的な判断根拠には、必ず一次情報(国土地理院地図やDIPS)を使用してください。

DJIドローンユーザー必見!アプリとGEOゾーンで飛行禁止区域を確認する方法

世界シェアの大半を占めるDJI製ドローンには、独自の飛行安全システム「GEOシステム」が搭載されています。

日本の法律と密接に関わりますが、完全に一致しているわけではないため注意が必要です。

DJI Fly/Goアプリでの警告表示の意味と対応

DJIの操作アプリ(DJI FlyやDJI GO 4)では、GPS情報に基づき、飛行エリアのステータスが表示されます。

  • 警告(Warning):飛行は可能ですが、注意が必要なエリアです。画面上のプロンプトを確認する必要があります。
  • 飛行制限区域(Restricted Zone):離陸ができず、エリア外から進入しようとすると自動的に停止または着陸します。

アプリ上で「飛行できません」と表示された場合は、システム側でロックがかかっています。

無理に飛ばそうとせず、場所を移動するか、正当な手続きを経て解除申請を行う必要があります。

DJI GEOゾーン(制限区域・高度区域など)の仕組みと日本の法律との関係

DJIのGEOゾーンは、各国の法律や安全基準を参考に設定されていますが、日本の航空法と完全に一致しているわけではありません。

「アプリで飛ばせたから大丈夫」は法的な免罪符にはなりません。

法律では飛行可能(許可取得済み)だが、DJIアプリ上では「制限区域」となっているケースもあれば、その逆も存在します。

新しく設定された重要施設周辺や、一時的な緊急用務空域などはアプリに反映されていない可能性があるため、必ず公的な地図情報と照らし合わせる必要があります。

GEOゾーン解除(アンロック)の申請方法と注意点

業務などで、やむを得ずDJIの制限区域内で飛行させる場合は、ロック解除(アンロック)を申請します。

  1. DJI Fly Safeポータルサイトにアクセスし、DJIアカウントでログインする。
  2. 解禁申請(Unlock Request)を選択し、機体シリアルナンバー、フライトコントローラーシリアルナンバー、操縦者情報を入力する。
  3. 証明書類の提出:国土交通省からの飛行許可書など、当該エリアで飛行権限があることを証明する書類をアップロードする。
  4. 審査通過後、アプリ側でライセンスをインポートし、有効化する。

申請には数日かかる場合があるため、余裕を持ったスケジュールで準備してください。

「知らなかった」では済まされない! ドローン飛行違反の罰則と回避策

ドローンに関する法令違反は、重い罰則の対象となります。リスクを正しく認識し、違反を未然に防ぎましょう。

航空法違反の具体的な罰則(懲役・罰金)

航空法に違反して、許可なく飛行禁止区域を飛ばしたり、飲酒操縦を行ったりした場合、以下の罰則が科される可能性があります。

  • 飛行禁止空域での無許可飛行:50万円以下の罰金
  • 飲酒時の飛行:1年以下の懲役または30万円以下の罰金
  • 危険な飛行(高スピードでの接近など):50万円以下の罰金

悪質な場合は逮捕されるケースもあり、前科がつくことになります。

小型無人機等飛行禁止法違反の具体的な罰則

重要施設周辺での飛行を禁止する「小型無人機等飛行禁止法」の違反には、さらに厳しい措置が含まれます。

1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があります。

また、警察官等は、違反しているドローンに対して飛行の中止を命令でき、従わない場合はドローンの捕獲や破壊等の措置をとることが認められています。

リスクを回避するための最終チェックリスト

法的リスクを回避するために、飛行直前に以下の項目をチェックしてください。

土地の管理者や地権者の許可も忘れずに確認しましょう。

  • 国土地理院地図でDID地区でないことを確認したか?
  • 近くに空港、ヘリポート、重要施設がないか?
  • 今日の風速や天候は飛行基準を満たしているか?
  • 機体登録とリモートIDの搭載・発信は完了しているか?
  • (許可が必要な場合)許可証を携帯しているか?
  • 土地の管理者(公園管理者や地権者)の許可は得ているか?

飛行禁止区域でドローンを飛ばすには?許可・承認申請のロードマップ

業務上、どうしても人口集中地区や夜間にドローンを飛ばす必要がある場合は、国土交通省へ許可・承認申請を行うことで飛行が可能になります。

許可・承認が必要なケース(特定飛行に該当する場合)

以下のケース(特定飛行)では、申請が必要です。

  • 空域:空港周辺、150m以上上空、人口集中地区(DID)、緊急用務空域
  • 飛行方法:夜間飛行、目視外飛行、人・物件から30m未満の飛行、イベント上空飛行、危険物輸送、物件投下

申請に必要な書類と提出先

申請は原則としてオンラインシステム「DIPS 2.0」を通じて行います。

主な必要情報として、飛行の目的・日時・経路を記載した申請書や、メーカー・重量などの機体情報が求められます。

また、操縦者情報として10時間以上の飛行経歴や、安全管理体制をまとめた飛行マニュアルも提出が必要です。

許可申請の具体的な流れと審査期間

  1. DIPS 2.0でアカウント作成・機体登録
  2. 申請書の作成・提出:オンラインフォームに入力し、提出します。
  3. 審査・補正指示:航空局の審査官が内容を確認します。不備がある場合は修正指示が来ます。
  4. 許可証の発行:問題がなければ審査終了となり、電子許可証が発行されます。

申請提出から許可が下りるまで、開庁日で10日間程度かかります。

補正のやり取りを含めると2〜3週間かかることもあるため、スケジュールには余裕を持ちましょう。

「包括申請」を活用すると、1年間・日本全国といった条件でまとめて許可を得られます。

まとめ

あなたの飛行計画、最終チェック!【これで完璧】

ドローンを安全かつ合法的に飛ばすためには、知識に基づいた事前の準備がすべてです。

最後に、本記事の要点を振り返り、次のフライトに向けたアクションを確認しましょう。

  1. 地図確認:国土地理院地図やDIPSで、飛行場所が「人口集中地区(DID)」や「空港周辺」でないか必ず確認する。
  2. 施設確認:重要施設や他人の私有地でないか、管理者の許可が必要かを確認する。
  3. 機体・アプリ確認:DJIユーザーはGEOゾーンのステータスを確認し、必要なら解除申請を行う。
  4. 許可申請:禁止区域や特定の飛行方法に該当する場合は、余裕を持ってDIPSから許可申請を行う。

ドローンに関連する法規制は、技術の進歩とともに頻繁に改正されています。

「以前は大丈夫だったから」という思い込みは捨て、フライトのたびに最新の禁止区域情報や法規制を確認する習慣を身につけてください。

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