ドローン 種類をサイズ別・目的別に解説と選び方の基準

ドローン 種類をサイズ別・目的別に解説と選び方の基準

この記事の結論
・ドローンは重量100gを境に航空法の規制や扱いが大きく異なる

・サイズや飛行方式、目的に応じて最適な機種を選ぶことが重要

・購入後は機体登録や保険加入などの手続きが必須となる

ドローン技術の進化に伴い、現在では手のひらサイズのトイドローンから、物流や測量を担う大型の産業用ドローンまで、多種多様な機体が登場しています。

「ドローンに興味があるけれど、種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」「自分の目的に合った機体が知りたい」と悩む方も多いのではないでしょうか。

ドローン選びにおいて重要なのは、機体の「サイズ」「飛行方式」「用途」といった種類ごとの特徴を正しく理解することです。

また、機体の重量によって適用される法律が異なるため、購入前に法規制の知識を持っておくことも欠かせません。

本記事では、ドローンの基本的な仕組みや法的区分から、サイズ別・目的別の種類の詳細、そして失敗しない選び方までを体系的に解説します。

この記事を読めば、ご自身の用途に最適なドローンを見つけ、安心して空のテクノロジーを活用する第一歩を踏み出せるはずです。

目次

ドローンとは?基本の仕組みと法的区分を理解しよう

ドローン(Drone)とは、広義には「無人で遠隔操作や自動操縦によって飛行する航空機」の総称です。

まずは、ドローンを選ぶ上で最も基礎となる法的な定義と、飛行の仕組みについて解説します。

ドローン(無人航空機)の定義と法的規制(100g未満/以上)

日本国内においてドローンを扱う際、最も重要なのが航空法による区別です。

航空法では、機体本体とバッテリーの合計重量が「100g」を境に扱いが大きく異なります。

  • 100g以上の機体(無人航空機)
    航空法の「無人航空機」に分類されます。屋外で飛行させる場合、国土交通省への機体登録が義務付けられています。また、空港周辺や人口集中地区(DID地区)、高度150m以上の空域などを飛行させる場合や、夜間飛行・目視外飛行などを行う場合には、事前に国土交通省の許可・承認が必要です。
  • 100g未満の機体(模型航空機)
    航空法上は「模型航空機」に分類されます。無人航空機としての登録義務や、一般的な飛行許可申請の対象からは外れますが、空港周辺や緊急用務空域など、飛行が禁止されている場所は存在します。

100g未満でも小型無人機等飛行禁止法や条例は適用されるため、どこでも自由に飛ばせるわけではありません。

ドローンが飛ぶ仕組み:回転翼と固定翼の基本原理

ドローンはその飛行方式によって、大きく「回転翼型」と「固定翼型」に分類されます。

  • 回転翼型(マルチコプター)
    複数のプロペラ(ローター)を回転させて揚力を得るタイプです。垂直離着陸が可能で、空中で静止する「ホバリング」が得意なため、空撮や点検業務など幅広い用途で採用されています。
  • 固定翼型
    飛行機のように翼を持ち、前進することで揚力を得て飛行するタイプです。回転翼型に比べてエネルギー効率が良く、長時間の飛行が可能ですが、ホバリングは基本的にできません。

ドローンの種類を【サイズ別】に理解しよう

ドローンの種類を把握する際、まずは見た目で分かりやすい「サイズ」で分類すると全体像がつかみやすくなります。

ここでは重量や大きさを基準に3つのカテゴリーに分けて解説します。

超小型・小型ドローン:気軽に楽しめる(100g未満/以上)

手のひらに収まるサイズから、リュックに入れて持ち運べる程度の大きさのドローンです。

  • 超小型ドローン(トイドローンなど)
    多くは重量100g未満で、航空法上の「模型航空機」に該当します。価格が手頃で操作もシンプルなものが多く、初心者の入門機として適しています。
  • 小型ドローン
    重量が100gを超え、200g〜500g程度のモデルが主流です。高性能なカメラや障害物検知センサーを搭載しており、本格的な空撮が可能です。

中型ドローン:バランスの取れたオールラウンダー

重量が500g〜2kg程度のドローンです。一般的に「空撮用ドローン」としてイメージされる多くの機種がこのカテゴリーに含まれます。

小型機に比べてパワーがあるため耐風性能が高く、より安定した飛行が可能です。

搭載されるカメラのセンサーサイズも大きくなる傾向にあり、プロレベルの高画質映像を撮影できます。

大型ドローン:産業用途やプロ向け

数kgから数十kgに及ぶ重量級のドローンです。主に産業用途で利用され、大型の機材や荷物を運搬する能力(ペイロード)に優れています。

映画撮影用のシネマカメラを搭載したり、農薬散布用のタンクを積んだり、物流用の配送ボックスを運んだりと、特定のタスクを遂行するために設計されています。

初心者はまず100g未満のトイドローンか、持ち運びやすい小型ドローンから始めるのがおすすめです。

【目的別】ドローンの種類と選び方:あなたの用途に最適なのは?

サイズによる分類の次は、具体的な「利用目的」に合わせてドローンの種類を見ていきましょう。

自分のやりたいことに特化したドローンを選ぶことが、満足度を高める鍵となります。

空撮用ドローン:高画質カメラと安定性が決め手

風景やイベントを空から撮影したい場合に選ぶべきドローンです。

高解像度(4K以上)のカメラと、映像のブレを補正するジンバル(安定化装置)を搭載しています。

GPSによる位置制御機能が充実しており、初心者でも安定して飛ばせるアシスト機能が豊富です。

室内用ドローン:安全性と手軽さで選ぶ(超小型・トイドローン)

自宅や屋内施設で飛ばして遊びたい、あるいは操縦練習をしたい場合に適しています。

プロペラガードが標準装備されていることが多く、壁や家具にぶつかっても傷つけにくい設計になっています。

100g未満の軽量モデルを選ぶのが基本です。

産業・業務用ドローン:特定用途のプロフェッショナル

ビジネスの現場で課題解決のために導入される産業用ドローンです。

  • 測量・点検:高精度の位置情報(RTK-GNSS)を取得できるモデルや、赤外線カメラを搭載したモデルが使われます。
  • 農業:農薬や肥料を自動で散布する機能や、作物の生育状況を解析するカメラを搭載した機体があります。
  • 物流:重量物を運ぶための強力なモーターと、長距離飛行に耐えるバッテリーシステムを備えています。

固定翼ドローン:長距離・長時間飛行のスペシャリスト

広大なエリアを効率よくカバーする必要がある場合に選ばれます。

飛行機のような翼を持ち、揚力を利用して滑空するため、回転翼型に比べてバッテリー消費が少なく、長時間・長距離の飛行が可能です。

垂直離着陸が可能なVTOL機であれば、滑走路なしで運用できるメリットもあります。

海上ドローン(水中ドローン含む):水辺・水中での活躍

空だけでなく、水上や水中での作業に特化したドローンも存在します。

水中ドローン(ROV)は、ケーブルで接続し、水中に潜航して映像を撮影する機体です。

空を飛ぶドローンとは異なり、航空法の規制対象外ですが、港則法や海上交通安全法などのルールを守る必要があります。

「何を撮りたいか」「どこで飛ばしたいか」を明確にすることが、最適な機種選びの近道です。

失敗しないドローン選びのポイントと注意点

自分に合ったドローンの種類が見えてきたら、実際に購入を検討する段階に入ります。

ここでは、後悔しないための選び方の基準と、購入後に必要な手続きについて解説します。

「目的」「予算」「スキル」から最適なドローンを選ぶフロー

最適な一台を選ぶためには、以下の3つの要素を順に検討することをおすすめします。

  1. 目的を明確にする
    「何を撮りたいか」「何に使いたいか」を具体化します。室内練習なら超小型、旅行なら小型・中型空撮ドローン、仕事なら産業用ドローンを選びましょう。
  2. 予算を設定する
    ドローンは本体価格だけでなく、予備バッテリーや保険などの周辺コストもかかります。
  3. スキルと運用環境を考慮する
    初心者の場合、障害物検知センサーや自動帰還機能があるモデルを選ぶと安心です。

各種類のおおよその価格帯と代表メーカー

ドローンの価格は機能や性能によって大きく変動します。一般的な市場の傾向は以下の通りです。

  • トイドローン(練習用):数千円 〜 1万円台
  • エントリー空撮ドローン:5万円 〜 10万円前後
  • 本格空撮ドローン:15万円 〜 30万円以上
  • 産業用ドローン:数十万円 〜 数百万円以上

ドローン購入後に必要な登録・許可・保険について

ドローン(100g以上の無人航空機)を購入した後は、飛ばす前に必ず行うべき手続きがあります。

  1. 機体登録
    国土交通省の「ドローン登録システム」で機体情報と所有者情報を登録し、発行された登録記号を機体に表示する必要があります。
  2. 飛行許可・承認の取得
    特定の場所(人口集中地区など)や方法で飛行させる場合は、事前に国土交通省へ申請し、許可・承認を得る必要があります。
  3. 保険への加入
    万が一の事故に備え、対人・対物賠償責任保険(ドローン保険)への加入を強く推奨します。

100g以上の機体を購入したら、飛ばす前に必ず機体登録を済ませましょう。

まとめ

ドローンの種類を知ることで広がる可能性

ドローンには、手軽に遊べるトイドローンから、プロ仕様の空撮機、そして社会インフラを支える産業用機体まで、多種多様な種類が存在します。

それぞれの機体が持つ「サイズ」「飛行方式」「得意分野」を理解することで、単なる空撮だけでなく、点検、農業、物流、水中探査など、テクノロジーがもたらす可能性の広がりを感じていただけたのではないでしょうか。

適切なドローン選びで最高のフライト体験を

自分に最適なドローンを選ぶことは、安全で楽しいフライトへの第一歩です。

まずは「何のために飛ばすのか」という目的を明確にし、予算や法規制と照らし合わせながら、納得のいく一台を見つけてください。

FlyMovie Techでは、今後もテクノロジーを安心して活用するための情報を発信していきます。正しい知識と準備で、素晴らしいドローンライフをお楽しみください。

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