ドローン 飛行可能エリアの探し方と法律・申請・チェックリスト

ドローン 飛行可能エリアの探し方と法律・申請・チェックリスト

この記事の結論
・飛行可能エリアは「飛行禁止空域以外」かつ「土地管理者の許可」がある場所と定義される

・航空法や小型無人機等飛行禁止法、自治体条例など多層的なルールの確認が不可欠である

・安全なフライトのためには、機体・環境・緊急時の備えを含むチェックリストの活用が推奨される

目次

ドローン飛行可能エリアを見つける完全ガイド|法律・許可申請から飛行前チェックリストまで

(導入:ドローン飛行のルールが複雑で不安な方へ)

ドローンの性能は年々向上し、誰でも手軽に高画質な空撮を楽しめるようになりました。その一方で、飛行に関するルールは複雑化しており、航空法や小型無人機等飛行禁止法、各自治体の条例など、確認すべき事項が多岐にわたります。

「近所の公園で飛ばしてもいいのか」「旅行先で撮影したいが許可は必要なのか」といった疑問を持つのは当然のことです。ルールを正しく理解することは、自分自身を守るだけでなく、周囲の安全を確保するためにも不可欠です。

(本記事でわかること)

この記事を読むことで、以下の内容を具体的に理解できます。

  • 自分の飛ばしたい場所が「飛行可能エリア」かどうかを判断する方法
  • 航空法や条例など、ドローン飛行に関わる法規制の基本
  • 飛行許可が必要なケースとその申請の概要
  • 安全なフライトのために行うべき飛行前の点検項目

これらを順を追って確認することで、安心してドローンを飛行させるための準備が整います。

ドローンを飛ばせる場所はどこ?飛行可能エリアの探し方と判断基準

まず知っておきたい「原則禁止」と「原則可能」の考え方

ドローンを飛ばす場所を探す際、まずは法律で定められた「飛行禁止空域」を理解する必要があります。航空法では、空港周辺や人口集中地区(DID)、地上から150m以上の上空などが飛行禁止空域として指定されています。

これらに該当しない場所であれば、原則として飛行は可能ですが、土地の所有権やその他の法令による制限がないかを確認する必要があります。つまり、「禁止エリア以外」かつ「土地管理者の許可が得られる場所」が、飛行可能なエリアとなります。

飛行可能エリアを見つけるための地図ツール・アプリ活用法

飛行禁止空域を効率的に確認するためには、専用の地図ツールやアプリの活用が推奨されます。代表的なツールには以下のものがあります。

  • DJIフライトマップ:ドローンメーカーDJIが提供する地図で、飛行制限区域を視覚的に確認できます。
  • ドローンフライトナビ:スマートフォンで手軽にエリア確認ができるアプリです。
  • SORAPASS:飛行禁止区域や気象情報などを総合的に確認できるサービスです。
  • 国土地理院地図:人口集中地区(DID)の表示精度が高く、詳細なエリア確認に適しています。

地図アプリは広範な禁止区域を把握するのに便利ですが、提供事業者によって表示内容が異なる場合があります。そのため、アプリで大まかなエリアを確認した後、国土地理院地図で詳細なDID地区をチェックするなど、複数のツールを組み合わせて確認することが推奨されています。

アプリだけでなく国土地理院地図も併用し、情報の正確性を高めましょう。

【注意】私有地での飛行は必ず土地所有者の許可が必要

航空法上の飛行禁止空域に該当しない場所であっても、勝手にドローンを飛ばしてよいわけではありません。私有地の上空を飛行させる場合や、私有地内で離着陸を行う場合は、必ずその土地の所有者や管理者の承諾を得る必要があります。

河川敷や海岸、公園なども公共の場所ですが、管理者がドローンの飛行を禁止しているケースがあるため、事前の確認が不可欠です。

公共の場所であっても、管理者が定めたルールを必ず確認してください。

ドローンの飛行に関する基本ルール|航空法・小型無人機等飛行禁止法・条例

航空法で定められた飛行禁止空域とその条件

航空法では、無人航空機の飛行が禁止される空域が明確に定められています。主な禁止空域は以下の通りです。

  1. 空港等の周辺:航空機の安全を確保するため、空港やヘリポート周辺の上空は飛行が禁止されています。
  2. 緊急用務空域:警察や消防などの緊急活動が行われる空域です。
  3. 地表または水面から150m以上の高さの空域:航空機の航行の安全を確保するための制限です。
  4. 人口集中地区(DID)の上空:国勢調査の結果に基づき設定された、人家が密集している地域です。

これらの空域で飛行させる場合は、国土交通大臣の許可が必要です。

小型無人機等飛行禁止法に基づく重要施設の周辺

航空法とは別に、「小型無人機等飛行禁止法」により飛行が禁止されている場所があります。国の重要な施設(国会議事堂、首相官邸、外国公館など)、原子力事業所、防衛関係施設などの周辺地域が対象です。

これらの施設周辺では、たとえ航空法の許可を得ていても飛行が禁止される場合があるため、地図アプリ等で重要施設の場所を把握しておくことが重要です。

各自治体独自の条例にも注意しよう

国の法律に加えて、各地方自治体が独自に条例を定めている場合があります。例えば、多くの自治体では都市公園条例により、公園内でのドローン飛行を禁止または制限しています。

また、観光地や文化財周辺でも独自のルールが設けられていることがあります。自治体ごとの条例の一覧や詳細は公式情報として一元化されていない場合が多いため、飛行予定地の自治体ホームページ等で個別に確認する必要があります。

飛行予定地の自治体ホームページで、最新の条例情報を必ずチェックしましょう。

飛行許可・承認が必要なケースと申請方法を解説

飛行許可が必要な「特定飛行」の条件

飛行禁止空域以外であっても、飛行の方法によっては承認が必要となる場合があります。これを「特定飛行」と呼び、以下の条件などが該当します。

  • 夜間飛行:日没から日の出までの間に飛行させる場合。
  • 目視外飛行:モニターを見ながらの操縦など、直接肉眼で機体を見ずに飛行させる場合。
  • 人または物件から30m未満の飛行:第三者や建物、車両などから30m以内の距離で飛行させる場合。
  • イベント上空での飛行:祭礼や縁日など、多数の人が集まる催しの上空で飛行させる場合。

これらの方法で飛行させるには、事前に国土交通大臣の承認を得る必要があります。

国土交通大臣への飛行許可・承認申請の手順

上記の禁止空域や特定飛行に該当する場合、国土交通省に対して許可・承認の申請を行う必要があります。原則として飛行禁止の空域であっても、所定の手続きを経て許可を取得すれば飛行が可能になる場合があります。

申請には、飛行計画、機体の機能・性能、操縦者の技能などを証明する情報の提出が求められます。具体的な申請システムや書類の詳細については、国土交通省のウェブサイト等で最新の手順を確認してください。

許可申請から承認までの期間と注意点

申請を行ってから許可・承認が下りるまでの期間については、個別の案件や混雑状況により異なるため、公式情報に具体的な日数は明記されていません。しかし、飛行予定日の直前に申請しても間に合わない可能性があるため、十分な余裕を持って計画的に申請を行うことが重要です。

また、許可を取得した後も、飛行時には許可証を携帯するなどのルールを守る必要があります。

審査には時間がかかるため、飛行予定日から逆算して早めに申請を行いましょう。

ドローンを安全に飛ばすための飛行前チェックリスト

【機体編】プロペラやバッテリーの状態を徹底確認

安全な飛行のためには、機体の状態を万全にしておくことが不可欠です。以下の項目を確認しましょう。

  • プロペラ:ひび割れや欠けがないか、確実に装着されているか。
  • バッテリー:十分に充電されているか、膨張などの異常がないか。
  • 機体本体:フレームに歪みや破損がないか、センサー類が汚れていないか。

これらを飛行前に必ず目視で点検することで、機体トラブルによる事故を防ぐことができます。

【環境編】風速・天気・周囲の安全確認

機体が正常でも、環境要因によって事故が起きることがあります。

  • 天候:雨や雪が降っていないか、視界は良好か。
  • 風速:ドローンの耐風性能を超える風が吹いていないか。上空は地上より風が強いことがあるため注意が必要です。
  • 周囲の状況:飛行経路に電線や樹木などの障害物がないか、第三者が近くにいないか。

これらを現地で確認し、少しでも不安がある場合は飛行を中止する勇気を持つことが大切です。

【緊急時編】万が一の事態に備える準備

予期せぬトラブルに備え、緊急時の対応策も確認しておきましょう。

  • 緊急連絡先:万が一事故が起きた際の連絡先(警察、消防、保険会社など)を控えているか。
  • 予備バッテリー:計画より飛行時間が長引いた場合に備え、予備の電源を確保しているか。
  • フェールセーフ設定:通信が途切れた際に自動で帰還する機能(リターントゥホーム)などが正しく設定されているか。

なお、飛行前チェックリストの標準化された公式フォーマットは存在しないため、自身の機体や飛行環境に合わせてリストを作成し、運用することが推奨されます。

自分専用のチェックリストを作成し、毎回必ず実施する習慣をつけましょう。

ドローン飛行で避けるべきこと・マナー・注意点

プライバシー侵害に注意|人物や住宅の撮影について

ドローンには高性能なカメラが搭載されていることが多く、意図せず他人のプライバシーを侵害してしまうリスクがあります。住宅の内部や洗濯物、通行人の顔などが映り込まないよう配慮が必要です。

撮影データを取り扱う際は、肖像権やプライバシー権を尊重し、SNS等へ公開する前には十分な確認を行いましょう。

飲酒・病気での飛行は絶対NG

自動車の運転と同様に、ドローンの操縦にも万全の体調が求められます。アルコールの影響下にある状態での飛行は、判断力や操作精度を著しく低下させるため、法律で厳しく禁止されています。

また、薬の服用中や体調不良時も飛行を控えるべきです。安全を確保できる身体的・精神的状態で操縦を行うことが、操縦者の義務です。

違反した場合の罰則と損害賠償

航空法や小型無人機等飛行禁止法などのルールに違反した場合、罰金刑などの罰則が科される可能性があります。また、事故を起こして第三者に怪我をさせたり、物を壊したりした場合は、多額の損害賠償責任を負うことになります。

ルールを守ることは、法的な責任を回避するためだけでなく、社会的な信頼を守るためにも重要です。

まとめ

ドローンを飛ばす前に確認すべき3つのこと

ドローンを安全に楽しむためには、以下の3点を飛行前に必ず確認しましょう。

  1. 場所の確認:地図アプリや国土地理院地図を使い、飛行禁止空域でないか、土地所有者の許可は得ているかを確認する。
  2. 法律の遵守:航空法や条例などのルールを理解し、必要であれば許可・承認申請を行う。
  3. チェックリストの実施:機体の状態、天候、緊急時の備えを万全にする。

安全なドローンライフを楽しむために

ドローンは素晴らしい映像体験や新しい視点を提供してくれるテクノロジーです。しかし、その利便性は安全への配慮の上に成り立っています。

常に最新の情報を収集し、ルールとマナーを守って飛行させることで、トラブルなく安心してドローンライフを楽しむことができます。まずは身近な飛行可能エリアを正しく探し、安全なフライト計画を立てることから始めてみましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次