ドローン点検費用の相場と内訳 外部委託と自社導入比較

ドローン点検費用の相場と内訳 外部委託と自社導入比較

この記事の結論
・ドローン点検の費用は「外部委託」と「自社導入」で構造が異なり、点検頻度と範囲が選択の鍵となる

・外部委託の相場は屋根点検で数千円から、大規模施設や赤外線解析では数十万円以上と幅広く変動する

・自社導入は初期投資が必要だが、高頻度の点検を行う場合は長期的コスト削減とノウハウ蓄積が可能になる

建物の老朽化対策や定期メンテナンスにおいて、ドローンを活用した点検手法が急速に普及しています。

足場を組む必要がなく、短時間かつ安全に高所の状況を確認できる点が大きな魅力ですが、導入を検討する企業や担当者にとって最大の懸念事項は「費用」ではないでしょうか。

「外部委託する場合の相場はいくらか」「自社で機材を揃えて運用するのとどちらが得なのか」といった疑問は、企業の予算計画において非常に重要です。

ドローン点検の費用は、点検対象の規模や求めるデータの精度、頻度によって大きく変動します。

本記事では、ドローン点検にかかる費用の全体像を整理し、外部委託と自社導入それぞれの相場、メリット・デメリットを詳しく解説します。

さらに、費用対効果を見極めるための判断基準も提示しますので、自社に最適な導入方法を見つけるための参考にしてください。

目次

ドローン点検にかかる費用とは?全体像を解説(外部委託と自社導入)

ドローン点検を検討する際、まずは費用の発生構造を理解することが重要です。

大きく分けて、専門業者に依頼する「外部委託」と、自社で機材と人材を用意する「自社導入」の2つのパターンがあり、それぞれコストのかかり方が異なります。

ドローン点検費用は大きく「外部委託」と「自社導入」に分かれる(点検範囲・頻度が費用を左右)

ドローン点検の費用構造は、選択する運用方法によって初期費用とランニングコストのバランスが変わります。

  • 外部委託
    点検の都度、業者へ料金を支払います。初期投資は不要ですが、依頼回数や点検面積が増えるごとに費用が加算されます。専門的な解析レポートが必要な場合や、高精度な赤外線カメラを使用する場合などは費用が高くなる傾向にあります。
  • 自社導入
    ドローン機体の購入費や操縦者の育成費といった初期投資が必要です。一方で、一度導入すれば点検ごとの外部流出コストは抑えられ、好きなタイミングで何度でも点検が可能になります。ただし、機体のメンテナンス費や保険料などの維持費が継続的に発生します。

どちらが適しているかは、点検を行う「頻度」と「範囲」が大きな判断材料となります。

ドローン点検で得られるメリットと費用対効果の考え方(安全性向上・効率化)

費用を検討する際は、単なる金額の多寡だけでなく、ドローン導入によって得られる付加価値を含めた「費用対効果」で考える必要があります。

従来の手法(足場設置やゴンドラ使用)と比較した場合、ドローン点検には以下のメリットがあります。

  • 足場代の削減:高所作業用の足場設置が不要、または最小限で済むため、数十万円単位のコストカットが期待できる場合があります。
  • 工期の短縮:足場の設置・撤去時間がなくなり、点検自体も短時間で完了します。
  • 安全性の向上:人が高所に登るリスクを回避できます。

これらのメリットにより、トータルコストや業務効率がどのように改善するかを試算することが重要です。

【外部委託】ドローン点検の費用相場と内訳

専門業者にドローン点検を依頼する場合の費用相場について、点検対象物ごとの事例をもとに解説します。

費用は建物の規模や立地、使用する機材の性能によって変動するため、あくまで目安として捉えてください。

点検対象物別の費用相場(屋根・外壁、太陽光、橋梁、インフラなど)

調査データに基づく、主な点検対象別の費用相場は以下の通りです。

1. 屋根点検(戸建て・工場など)
屋根の破損や劣化状況を可視カメラで撮影する場合の相場です。

  • 戸建て住宅:5,000円〜33,000円(税込)程度
  • 工場・倉庫等:55,000円(税込)〜

赤外線センサーを搭載したドローンを使用し、雨漏り経路などを調査する場合は、8万円以上になる可能性があります。

2. 太陽光パネル点検
ソーラーパネルのホットスポット(異常発熱)などを赤外線カメラで点検する場合です。

  • 住宅用(10kW未満):33,000円(税込)〜
  • 中規模(10kW以上1,000kW未満):55,000円(税込)〜
  • 大規模(1,000kW以上):165,000円(税込)〜

※中規模・大規模の場合、解析費や報告書作成費が別途必要になるケースが一般的です。

3. 外壁点検(マンション・ビル)
外壁のタイル浮きやひび割れを調査する場合、建物の規模や戸数、または壁面積(㎡)単価で算出されることが多いです。

  • 戸数ベースの例:20〜50戸で〜330,000円(税込)、51〜100戸で〜550,000円(税込)
  • 面積ベースの例:外壁1㎡あたり120円〜450円程度

4. 橋梁・インフラ・ダム
大規模なインフラ設備は個別見積もりの要素が強いですが、ダム点検の事例では100万円〜というデータがあります。

見積もりの具体例と費用内訳(人件費・機材費・報告書作成費など)

外部委託の費用は、単に「撮影代」だけではありません。見積もりには通常、以下のような項目が含まれます。

  • 人件費:パイロット(操縦者)と、安全管理を行う補助者の費用。
  • 機材費:使用するドローンやカメラ(可視・赤外線)の償却費や損料。
  • 解析・報告書作成費:撮影データを解析し、不具合箇所を特定してレポートにまとめる費用。赤外線解析などは専門性が高く、費用に大きく影響します。
  • 交通費・諸経費:現場までの移動費や、関係各所への許可申請代行費など。

見積もりを取る際は、報告書作成費が含まれているか、別途請求かを確認することが重要です。

ドローン点検を外部委託するメリット・デメリット

メリット

  • プロの技術:熟練したパイロットによる安定した飛行と撮影が期待できる。
  • 高品質な解析:赤外線診断など専門知識が必要な解析を任せられる。
  • 初期投資不要:機体購入費や育成費がかからず、必要な時だけコストが発生する。
  • リスク転嫁:万が一の事故や法的責任のリスクを委託先が負う(契約内容による)。

デメリット

  • 都度コストが発生:点検頻度が高い場合、トータルコストが割高になる可能性がある。
  • スケジュールの制約:業者の空き状況や天候により、希望日時に実施できない場合がある。

【自社導入】ドローン点検の費用と維持コスト

自社でドローン点検を行う場合、機材購入などの初期費用と、運用を続けるための維持コストが発生します。

ドローン本体の購入費用と周辺機器(種類と価格帯)

点検に使用するドローンは、搭載するカメラの性能によって価格が大きく異なります。

  • 可視カメラのみの機体
    外観を目視確認するレベルであれば、16.5万円程度からの機体で対応可能な場合があります。
  • 赤外線カメラ搭載・産業用機体
    外壁のタイル浮きや漏水調査に必要な赤外線カメラを搭載したモデルや、強風に強い産業用ドローンは、一般向け機体よりも高額になります。具体的な価格は代理店への問い合わせが必要なケースが多いですが、数百万円規模になることも珍しくありません。

その他、予備バッテリー、充電器、タブレット端末、画像解析ソフトなどの周辺機器・ソフトウェアの費用も考慮する必要があります。

操縦士育成・資格取得にかかる費用(スクール費用、試験費用)

ドローンを安全に業務利用するためには、操縦者の育成が不可欠です。

  • ドローンスクール:基礎的な操縦技術や法律知識を学ぶために受講します。費用はスクールやコース内容(国家資格対応コースか、民間資格かなど)によって異なります。
  • 資格取得:国家資格(無人航空機操縦者技能証明)を取得する場合、指定試験機関への手数料や登録免許税などが発生します。

ドローン点検を自社導入する場合のランニングコスト(保険料、メンテナンス費、法規制対応)

機体を購入した後も、運用を続けるために以下のコストがかかります。

  • 定期点検・メンテナンス費
    ドローンは精密機器であるため、定期的な点検が推奨されます。メーカーや代理店による点検費用は、半年〜1年間で5,000円〜3万円程度(機種による)が目安です。修理が必要な場合は、パーツ代を含めて別途費用が発生します。
  • 保険料
    対人・対物賠償責任保険や、機体保険への加入が必要です。業務利用の場合、ホビー用とは保険料が異なる場合があります。
  • 法規制対応
    飛行許可申請を行政書士に依頼する場合の費用や、機体登録制度の手数料などが発生します。

ドローン点検を自社導入するメリット・デメリット

メリット

  • 柔軟な運用:天候や現場の状況に合わせて、自社のタイミングでいつでも点検できる。
  • ノウハウ蓄積:社内に点検データや運用ノウハウが蓄積される。
  • 長期的コスト削減:点検頻度が高い場合、外部委託を繰り返すよりも安価になる可能性がある。

デメリット

  • 初期投資が大きい:機体購入や人材育成にまとまった費用がかかる。
  • 維持管理の手間:機体のメンテナンス、法改正への対応、保険更新などを自社で管理する必要がある。
  • 事故リスク:操縦ミスによる事故や機体ロストのリスクを自社で負うことになる。

【徹底比較】外部委託 vs 自社導入!費用対効果で最適な選択をするには

「結局、うちはどちらを選べばいいのか?」という疑問に対し、判断の軸となる基準を解説します。

費用対効果を判断する3つの基準(点検頻度、初期投資、内製化の目的)

最適な選択をするためには、以下の3つの視点で検討します。

  • 点検頻度:年に数回程度であれば外部委託が合理的ですが、毎月複数の現場を回るような場合は自社導入の方がコストメリットが出やすくなります。
  • 初期投資の許容度:まとまった予算を最初に投じられるか、それとも経費として都度処理したいかという財務的な事情も判断材料です。
  • 内製化の目的:単にコストを下げたいのか、それとも「ドローン点検」を自社の新たなサービスとして売り出したいのかによっても選択は変わります。

ケース別で比較!外部委託が向いている企業、自社導入が向いている企業

外部委託が向いている企業

  • 点検頻度が低い(年1回や数年に1回など)。
  • 特殊な解析(赤外線診断など)が必要だが、社内に専門知識がない。
  • 初期投資を抑えたい。
  • ドローン運用のリスク(事故・法務)を負いたくない。

自社導入が向いている企業

  • 点検頻度が高い、または点検箇所が多数ある。
  • 緊急時に即座に点検を行いたい(災害後の確認など)。
  • 社内に技術者を育成し、長期的にノウハウを蓄積したい。
  • 将来的にドローン事業を展開したいと考えている。

長期的な視点でのコストシミュレーションの考え方

費用対効果を正確に測るには、3年〜5年スパンでのシミュレーションが有効です。

  • 外部委託:「1回あたりの委託費 × 年間回数 × 年数」
  • 自社導入:「初期費用(機体・育成) + (年間維持費 × 年数)」

この2つを比較し、何年目で自社導入のコストが外部委託を下回るか(損益分岐点)を計算します。

ただし、自社導入の場合は、担当者の人件費(ドローン業務に関わる時間)も隠れたコストとして考慮する必要があります。

ドローン点検費用を抑えるためのポイントと注意点

少しでも費用を抑えつつ、質の高い点検を実現するためのポイントを紹介します。

見積もり取得時のチェックポイントと複数社比較の重要性

外部委託をする際は、必ず複数社から見積もり(相見積もり)を取りましょう。その際、以下の点を確認して比較します。

  • 費用の内訳:「一式」ではなく、人件費、機材費、報告書作成費などが明確か。
  • 点検範囲:提示された金額でどこまで(面積・箇所)点検してくれるか。
  • 成果物:どのような形式のレポート(画像のみか、解析付きか)が納品されるか。

安さだけで選ぶと、簡易的な撮影のみで詳細な解析が含まれていない場合があるため注意が必要です。

活用できる補助金・助成金の種類と申請のポイント

ドローンの導入や、ドローンを活用した設備点検に対して、国や自治体から補助金が出る場合があります。

例えば、中小企業の設備投資を支援する補助金や、ITツール導入を支援する補助金などが活用できる可能性があります。

公募時期や対象要件は年度によって異なるため、中小企業庁や各自治体の公式サイトで最新情報を確認しましょう。

ドローン運用に関する法規制と遵守の費用(許可申請費用など)

費用を抑えたいからといって、法規制を無視することはできません。航空法に基づく飛行許可承認申請が必要な空域や方法で飛ばす場合、手続きが必要です。

自社で行えば申請費用自体はかかりませんが、行政書士に代行を依頼する場合は報酬が発生します。

コンプライアンス違反は社会的信用の失墜につながるため、必要なコストとして計上しましょう。

まとめ:自社に最適なドローン点検の費用を見つけよう

ドローン点検は、従来の点検手法に比べて足場代の削減や工期短縮など、多くのコストメリットをもたらします。

ドローン点検費用に関するよくある疑問

  • Q: 屋根点検はいくらくらい?
    A: 戸建てなら数千円〜3万円程度、工場などは5.5万円〜が目安です。
  • Q: 自社導入の機体はいくら?
    A: 目視点検用なら16.5万円程度から購入可能ですが、赤外線搭載機はより高額になります。
  • Q: 外部委託と自社導入、どっちが得?
    A: 点検頻度によります。頻繁に行うなら自社導入、単発なら外部委託がコスト面で有利な傾向にあります。

最適な選択で点検業務を効率化しよう

ドローン点検の導入は、建物の維持管理を効率化し、安全性を高めるための有効な投資です。

まずは自社が必要とする点検の内容(可視画像で十分か、赤外線解析が必要か)と頻度を整理し、外部委託の相見積もりを取ることから始めてみてはいかがでしょうか。

その上で、長期的なコストシミュレーションを行い、自社にとってベストな選択を行ってください。

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