台風や地震のあと、あるいは経年劣化による雨漏りの不安から「屋根の状態を確認したい」と考える方は少なくありません。
しかし、従来のはしごを使った点検や足場の設置は、費用が高額になりがちで、業者選定にも不安が残るものです。
そこで近年、テクノロジーの進化により注目されているのが「ドローンによる屋根点検」です。
ドローンを活用すれば、足場を組まずに短時間かつ安全に屋根の状況を詳細に確認できます。
一方で、「料金はどれくらいかかるのか」「本当に正確な点検ができるのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、ドローン屋根点検の料金相場やその内訳、メリット・デメリット、そして信頼できる業者の選び方までを網羅的に解説します。
テック総合メディア「FlyMovie Tech」として、最新技術がもたらす点検の価値と、安心して依頼するための判断基準を整理してお届けします。
ドローン屋根点検とは?料金相場と内訳を徹底解説
ドローン屋根点検は、高解像度カメラを搭載したドローンを操縦し、上空から屋根の状態を撮影・調査する方法です。
従来の人が屋根に登る方法と比較して、安全性とコストパフォーマンスに優れています。まずは気になる料金相場と、その費用がどのように構成されているのかを解説します。
なぜ注目される?ドローン屋根点検の基本情報
ドローン屋根点検が急速に普及している背景には、従来の点検方法が抱えていた課題の解決があります。
通常、屋根点検を行うには職人が屋根に登る必要があり、転落事故のリスクや、屋根材を踏んで割ってしまうリスクがありました。
また、本格的な調査のために足場を組む場合、それだけで10万円以上の費用がかかることも珍しくありません。
ドローンを使用することで、これらの物理的なリスクを回避しつつ、4K画質などの高精細な画像で屋根のひび割れやズレを確認できるようになりました。
技術の進歩により、赤外線カメラを使って目視ではわからない雨漏りの経路(温度変化)を特定することも可能になっています。
ドローン屋根点検の料金相場【坪数・屋根材別】
ドローン屋根点検の料金は、依頼する業者や点検内容によって幅があります。調査データによると、一般的な料金相場は以下の通りです。
- 簡易的なドローン点検(撮影のみ等): 5,000円 ~ 10,000円程度
- 標準的な点検(報告書作成込み): 25,000円 ~ 50,000円程度
- 赤外線カメラを使用した精密点検: 80,000円 ~
- 修理工事を前提とした点検: 無料の場合が多い
なお、坪数や屋根材ごとの詳細な統一相場については、公式な統計データとして明記されたものは存在しません。
一般的には、屋根の面積(坪数)が広くなれば撮影枚数や飛行時間が増えるため料金が上がり、複雑な形状の屋根材や急勾配の屋根では、操縦難易度が上がるため技術料が加算される傾向にあります。
正確な費用を知るためには、自宅の条件を伝えて見積もりを取ることが重要です。
料金の内訳と追加費用が発生するケース
ドローン点検の費用は、単に「ドローンを飛ばす代金」だけではありません。主な内訳は以下の要素で構成されています。
- 技術料(人件費): ドローンパイロットの操縦技術や、撮影データを解析する専門知識に対する費用。
- 機材費・維持費: ドローン本体の償却費、保険料、メンテナンス費用など。
- 出張費・移動費: 現場までの交通費や車両費。
- 報告書作成費: 撮影した画像を整理し、劣化状況を診断してまとめる事務コスト。
- 各種申請費: 飛行禁止区域や空港周辺などで飛ばす場合に、関係各所へ許可申請を行うための手数料(必要な場合のみ)。
追加費用が発生するケースとしては、遠方への出張、動画撮影の追加、赤外線カメラへの変更、近隣への周知対応などが挙げられます。
費用を左右する5つの要素と料金を抑えるポイント
料金に影響を与える主な要素は以下の5つです。
- 点検の目的: 簡易チェックか、保険申請用の詳細資料作成か。
- 使用する機材: 一般的な空撮用ドローンか、赤外線搭載の産業用ドローンか。
- 成果物の種類: 写真データのみか、詳細な診断レポートが必要か。
- 立地条件: 飛行制限区域内か、都市部か郊外か。
- 業者形態: リフォーム会社(工事前提)か、ドローン専門業者(点検特化)か。
料金を抑えるポイントとしては、複数の業者から見積もりを取り比較することや、近隣で同種の工事を行っているタイミングに合わせる(出張費削減の交渉)などが考えられます。
「無料」を謳う業者は、その後の高額な修理工事契約を目的としている場合があるため注意が必要です。
ドローン屋根点検のメリット・デメリットを徹底比較
テクノロジーを活用した点検には多くの利点がありますが、万能ではありません。
従来の方法と比較した際のメリットと、技術的な限界(デメリット)を正しく理解しておくことが大切です。
従来の点検方法と比較!ドローン点検の5つのメリット
従来のはしごや足場を使った点検と比較して、ドローン点検には以下の明確なメリットがあります。
- コストが安い: 足場の設置が不要なため、仮設費用(通常10万円〜20万円程度)を削減できます。
- 安全性が高い: 人が屋根に登らないため、転落事故のリスクがゼロになります。また、点検員が屋根材を踏んで割ってしまうトラブルも防げます。
- 短時間で完了する: 準備から撮影終了まで数十分〜1時間程度で終わることが多く、居住者の負担が少ないです。
- 屋根全体を俯瞰できる: 地上やはしごからは見えない屋根の頂上部分や、死角になりやすい箇所も上空から確認可能です。
- 証拠として残る: 高画質な画像や動画データとして記録されるため、業者と一緒に画面を見ながら説明を受けられ、納得感が高いです。
足場代の節約と安全性の確保が、ドローン点検の最大のメリットです。
デメリットも理解!ドローン点検の注意点と限界
一方で、ドローン点検には以下のようなデメリットや限界も存在します。
- 屋根の裏側や内部は見えない: 上空からの撮影に限られるため、屋根裏の雨漏り状況や野地板(屋根の下地)の腐食など、表面以外の劣化は確認できません。
- 応急処置ができない: 人が登らないため、その場でズレた瓦を直したり、コーキングで補修したりといった作業は行えません。
- 天候に左右される: 雨天や強風時は飛行できないため、点検日程が延期になる可能性があります。
- 飛行規制の影響: 空港周辺や人口集中地区など、航空法による規制エリアでは事前の許可申請が必要となり、すぐに飛ばせない場合があります。
【こんな屋根におすすめ】ドローン点検の向き・不向き
これらの特徴から、ドローン点検は以下のようなケースに特に適しています。
- 急勾配の屋根: 人が登るのが危険な屋根。
- 3階建て以上の住宅: はしごが届かない高い建物。
- 劣化が激しい屋根: 人が乗ると踏み抜く恐れがある屋根。
- 定期的なメンテナンス: 費用を抑えて現状把握だけしたい場合。
逆に、すでに雨漏りが室内で発生しており、原因箇所の特定と即時の修理が必要な場合は、屋根裏への進入調査や直接の触診が必要になるため、ドローン点検だけでは不十分な可能性があります。
ドローン点検で何がわかる?具体的な劣化事例と点検報告書
「ドローンの写真だけで本当に劣化がわかるのか?」という疑問に対し、実際にどのような症状が発見できるのか、そしてどのような形で報告されるのかを解説します。
ドローンが発見する屋根の劣化状況(写真事例とリスク)
高解像度カメラを搭載したドローンは、肉眼に近い、あるいは拡大することでそれ以上の詳細な状況を捉えることができます。具体的に発見できる劣化事例には以下のようなものがあります。
- 瓦・スレートのひび割れ・欠け: 飛来物や経年劣化による破損。放置すると雨水が浸入します。
- 屋根材のズレ・浮き: 強風や地震によるズレ。隙間から雨漏りが発生する原因となります。
- 板金(棟板金)の浮き・釘抜け: 屋根の頂上にある金属部分の固定が緩んでいる状態。台風で飛ばされるリスクがあります。
- 漆喰(しっくい)の崩れ: 瓦を固定している漆喰の劣化。
- 苔(コケ)・藻の発生: 屋根材の防水機能が低下しているサイン。
これらの症状を早期に発見することで、大規模な修繕が必要になる前に対処が可能になります。
【実例】点検報告書の内容と見方
信頼できる業者が作成する点検報告書には、通常以下の内容が含まれます。
- 屋根全体の俯瞰写真: 屋根の形状や全体的な色あせ状況がわかる写真。
- 劣化箇所の拡大写真: ひび割れやズレがある部分をクローズアップし、マーキング等で示した写真。
- 診断コメント: 専門家による劣化度の判定(例:「緊急性は低いが経過観察が必要」「早急な補修を推奨」など)。
- 推奨されるメンテナンス: 塗装、一部交換、葺き替えなど、状況に応じた提案。
報告書は、単なる写真集ではなく、家の健康診断書としての役割を果たします。リフォームの必要性を判断する材料になるほか、火災保険の申請時にも被害状況を証明する資料として活用できます。
ドローン点検の精度と信頼性について
ドローン点検の精度は、使用する機体の性能とパイロットの技術に依存します。最新の産業用ドローンであれば、数ミリ単位のひび割れも鮮明に撮影可能です。
また、赤外線カメラを併用すれば、表面温度の差から屋根材の下にある水分の滞留(雨漏りの予兆)を検知できる場合もあります。
ただし、触診(ハンマーで叩いて音を聞くなど)ができないため、内部の浮き具合などを完全に把握することはできません。
ドローン点検は「一次スクリーニング」として活用し、異常があれば詳細な直接点検を行うのが合理的です。
後悔しない!ドローン屋根点検業者の選び方と悪徳業者対策
ドローン点検の需要増加に伴い、参入業者も増えていますが、中には技術不足の業者や悪質な営業を行う業者も存在します。安心して依頼するための選び方を解説します。
信頼できる業者の見分け方【チェックリスト付き】
業者選びの際は、以下のポイントを確認することをおすすめします。
- 飛行許可・承認の取得: 国土交通省からの飛行許可(日本全国包括申請など)を取得しているか。
- 操縦資格の有無: 民間資格(JUIDA、DPAなど)や国家資格(無人航空機操縦士)を保有しているか。
- 損害賠償保険への加入: 万が一の墜落や物損事故に備えて、対人・対物保険に加入しているか。
- 実績の公開: 過去の点検事例や報告書のサンプルを提示できるか。
- 建築知識の有無: ドローンの操縦だけでなく、屋根の構造や劣化判断に関する建築知識を持っているか(建築士や屋根診断士が在籍しているか)。
見積もり比較の具体的なポイント
複数の業者から見積もりを取る際は、金額だけでなく以下の項目を比較してください。
- 「一式」の内訳: 「点検一式」とだけ書かれている場合、報告書作成費や出張費が含まれているか確認する。
- 提供されるデータ: 撮影した元データ(全写真)をもらえるのか、報告書に掲載されたものだけか。
- 追加料金の条件: 時間延長や再撮影が発生した場合の費用規定。
ドローン点検後の修理・補修まで一貫対応できる業者を選ぶメリット
点検専門の業者に依頼する場合、中立的な診断が期待できる一方、修理が必要になった際は別途工務店を探す必要があります。
一方、リフォーム会社や屋根工事業者が実施するドローン点検であれば、点検結果をもとにスムーズに修理見積もりの作成や工事手配へ移行できます。手間を省きたい場合は、施工まで一貫対応できる業者が便利です。
悪徳業者に騙されないための注意点
「近所で工事をしているから無料で点検します」と訪問してくる業者には注意が必要です。
ドローンで撮影した画像を見せながら、「今すぐ修理しないと大変なことになる」と不安を煽り、高額な契約を迫る手口が報告されています。
- その場で契約しない: 必ず一度持ち帰り、家族や他の業者に相談する。
- 画像の日付や場所を確認する: 別の家の劣化写真を見せられている可能性もゼロではありません。自宅の特徴が写っているか確認しましょう。
- 「無料」の条件を確認する: 契約を前提とした無料なのか、純粋なサービスなのかを確認する。
不安を煽られてもその場で契約せず、必ず家族や第三者に相談してください。
ドローン屋根点検後の流れと火災保険の活用
点検はあくまでスタート地点です。点検結果をどのように活かし、家のメンテナンスにつなげるかが重要です。
点検から修理・補修までの具体的なステップ
- 点検実施・データ解析: ドローンによる撮影と画像の確認。
- 報告書提出・説明: 業者から劣化状況の解説を受ける。
- 修理見積もりの取得: 修理が必要な場合、具体的な工事内容と費用の見積もりをもらう。
- 検討・契約: 内容に納得できれば工事契約を結ぶ。
- 工事実施: 必要な補修工事を行う。
災害時のドローン点検と火災保険申請サポート
台風や強風、雪災などで屋根が破損した場合、火災保険(風災補償)が適用される可能性があります。
保険申請には「被害状況がわかる写真」と「修理見積書」が必要です。ドローン点検で撮影した高所写真は、被害状況を客観的に証明する強力な資料となります。
屋根に登るのが危険な災害直後でも、ドローンなら安全に証拠写真を撮影できます。保険申請のサポートを行っている業者であれば、必要な写真の撮り方や書類作成のアドバイスも受けられます。
ドローン点検を長期的な屋根メンテナンスに活かす方法
最新のテクノロジーでは、撮影した画像をAI(人工知能)が解析し、劣化箇所を自動検出するサービスや、複数の写真から屋根の3Dモデルを作成して面積を正確に算出する技術も登場しています。
これらのデータを蓄積しておけば、「3年前の状態」と「現在の状態」を比較し、劣化の進行スピードを把握することが可能になります。
単発の修理だけでなく、長期的な修繕計画(メンテナンススケジュール)を立てる上でも、ドローン点検のデジタルデータは非常に有効な資産となります。
まとめ
ドローン屋根点検は、従来の点検方法に比べて「低コスト」「安全」「短時間」という大きなメリットがあります。
料金相場は簡易的なもので5,000円〜、報告書付きで25,000円〜程度が一般的ですが、業者や点検内容によって変動します。
- 料金: 目的に応じて数千円〜数万円の幅がある。見積もりで内訳を確認することが重要。
- メリット: 足場代の節約と安全性の確保。高画質画像で納得感のある診断が可能。
- 注意点: 内部の腐食までは見えないため、必要に応じて直接点検と組み合わせる。
- 業者選び: 飛行許可、資格、建築知識の有無をチェックし、悪質な訪問販売には注意する。
屋根は普段見えない場所だからこそ、テクノロジーの力を借りて「見える化」することが安心につながります。
まずは信頼できる業者を探し、ドローン点検で見積もりを取ることから始めてみてはいかがでしょうか。


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