DJIのアクションカメラ「Osmo Action」シリーズは、強力な手ブレ補正と高画質な映像性能を持ち、バイクや自転車、ウィンタースポーツなどのアクティビティ撮影に最適です。
その性能を最大限に引き出し、臨場感あふれる映像を撮影するために欠かせないのが「ヘルメットマウント」です。
ヘルメットマウントを使用することで、撮影者の視点に近い映像(POV)をハンズフリーで記録できます。
しかし、ヘルメットの形状や撮影スタイルによって最適なマウントは異なり、選び方を間違えると映像がブレたり、最悪の場合はカメラが脱落したりするリスクもあります。
本記事では、DJIアクションカメラユーザーに向けて、ヘルメットマウントの種類や選び方、安全な取り付け手順を詳しく解説します。
初心者の方でも安心して導入できるよう、基礎知識から実践的なノウハウまでを網羅しました。
DJIアクションカメラ向けヘルメットマウントの基本
まずは、なぜヘルメットにカメラを取り付けるのか、そのメリットとDJI製品における基本的な考え方を整理します。
ヘルメットマウントを使うメリットと撮影視点の魅力
ヘルメットマウント最大の特徴は、撮影者の「見たままの景色」を映像に残せる点です。
これを一人称視点(POV:Point of View)やFPV(First Person View)と呼びます。
ハンドルや車体に固定する場合と異なり、撮影者が顔を向けた方向が映るため、周囲の状況や景色の変化をダイナミックに伝えられます。
また、カメラをヘルメットに固定することで両手が完全に自由になります。
バイクや自転車の運転操作、スキーのストック操作などを妨げないため、アクティビティを楽しみながら安全に撮影を行うことが可能です。
さらに、体幹に近い位置よりも頭部は振動が伝わりにくい傾向があり、比較的安定した映像が得やすいというメリットもあります。
DJI Osmo Actionシリーズとの互換性とマウントの役割
DJIのアクションカメラ(Osmo Action 3、4、5 Proなど)は、マグネットとクリップを組み合わせた独自のクイックリリースシステムを採用しています。
これにより、カメラの着脱が非常にスムーズに行えます。
ヘルメットマウントを利用する場合、基本的にはこのクイックリリースに対応したアダプターやベースマウントを介してヘルメットに接続します。
DJI製品は、一般的なアクションカメラ用マウント(2本の爪で固定するタイプ)とも互換性があるアダプターが用意されているため、DJI純正品だけでなく、市場に流通している多くの汎用マウントを利用できるのが強みです。
DJI独自のマグネット着脱システムを活用すれば、休憩時のカメラ取り外しが劇的に楽になります。
主なヘルメットマウントの種類と特徴の概要
ヘルメットマウントは、取り付ける位置や固定方法によっていくつかの種類に分類されます。
- 顎(チン)マウント:フルフェイスヘルメットの顎部分に固定する方法。ライダー視点に最も近く、迫力ある映像が撮れます。
- トップマウント:ヘルメットの頭頂部に固定する方法。視点が高く、周囲を広く見渡せる映像になります。
- サイドマウント:ヘルメットの側面に固定する方法。ヘルメットの形状によりトップや顎に付けられない場合に有効です。
- ベンチレーション(バンド)型:自転車用ヘルメットなどの通気口にベルトを通して固定する方法。
それぞれの特徴を理解し、自分のヘルメット形状と撮りたい映像に合わせて選ぶことが重要です。
【タイプ別】DJIヘルメットマウントの種類と選び方
ここでは、代表的なマウントの種類ごとに、その特徴とどのようなシーンに向いているかを具体的に解説します。
顎(チン)マウント:臨場感あるFPV視点の魅力と注意点
顎マウントは、特にバイクのモトブログ(バイク動画)撮影で最も人気のあるスタイルです。
カメラが口元の高さに来るため、ハンドル周りの操作やメーター類、そして前方の景色がバランスよく収まります。
特徴とメリット
- 圧倒的な没入感:人の目線に極めて近く、スピード感や臨場感が伝わりやすいです。
- 風の影響を受けにくい:ヘルメットの正面に位置するため、頭頂部に付けるよりも風の抵抗による首への負担が少ない傾向にあります。
- 音声の収録:口元に近いため、ヘルメット内で喋りながら撮影する場合、マイクへの集音が比較的容易です。
注意点
フルフェイスヘルメット以外(ジェットヘルメットなど)では取り付けが難しい場合があります。
また、ヘルメットの顎部分の形状が尖っていると、マウントが安定しにくいことがあります。
サイドマウント:バランスと視界を確保した撮影スタイル
ヘルメットの右または左側面にカメラを取り付けるスタイルです。
顎マウントが難しいヘルメットや、あえて少しオフセットした視点で撮影したい場合に選ばれます。
特徴とメリット
- 取り付けの自由度:ヘルメットの側面は比較的平らな面が多く、粘着マウントを貼り付けやすいです。
- ヘルメットの機能維持:顎部分にあるベンチレーション(通気口)やシールドの開閉機構を邪魔せずに装着できます。
注意点
片側に重量が偏るため、長時間使用すると首が疲れることがあります。
また、映像の片側にヘルメットの一部が大きく映り込むことが多いため、画角の調整が必要です。
トップマウント:高い視点から広範囲を捉える
「ちょんまげマウント」とも呼ばれ、ヘルメットの真上にカメラを固定するスタイルです。
特徴とメリット
- 見晴らしの良い映像:高い位置から撮影するため、前走車や障害物の向こう側まで見通せるような映像になります。
- 後方確認:カメラを後ろ向きに付け替えれば、自分を追いかけるような映像や後方の仲間を撮影するのにも適しています。
注意点
最も高い位置にカメラが来るため、木の枝や低い天井などにぶつけないよう注意が必要です。
また、高速走行時は風の抵抗を強く受け、首を持っていかれるような感覚になることがあります。
バンド・ストラップ型マウント:汎用性と着脱のしやすさ
自転車用のヘルメットなど、通気用の穴(ベンチレーション)が多く開いているヘルメットに適したマウントです。
特徴とメリット
- ヘルメットを汚さない:粘着テープを使わず、ベルトを通して固定するため、ヘルメットに糊跡が残りません。
- 着脱が容易:必要な時だけ取り付け、不要な時はすぐに取り外せます。
注意点
ベルトを通せる穴がないヘルメットには使用できません。また、ベルトの締め付けが甘いとカメラが揺れやすくなります。
粘着(両面テープ)型マウント:強力な固定力と取り付けのコツ
多くのDJIアクションカメラに標準で付属している「接着ベースキット」などを利用し、強力な両面テープでヘルメットに台座を貼り付ける方法です。
トップマウントやサイドマウントを行う際の基本となります。
特徴とメリット
- 場所を選ばない:曲面用と平面用のベースを使い分けることで、ヘルメットの好きな位置に固定できます。
- 高い安定性:正しく施工すれば非常に強力に固定され、激しい動きでも外れにくいです。
取り付けのコツ
貼り付ける際は、ヘルメット表面の油分や汚れを脱脂クリーナーで完全に拭き取ることが不可欠です。
また、貼り付け後、接着力が最大になるまで24時間程度放置することが推奨されます。
粘着マウントを使用する際は、必ず脱脂を行い、貼り付け後24時間は負荷をかけずに放置してください。
DJIヘルメットマウント選びの重要ポイントと比較基準
数あるマウントの中から自分に最適なものを選ぶために、比較すべき基準を解説します。
アクティビティ別:バイク、自転車、スキー・スノボでの適性
アクティビティによって、優先すべきポイントが異なります。
- バイク(オートバイ):風圧対策と臨場感が重要です。「顎マウント」が最も推奨されますが、オフロードなどでバイザーがある場合は、バイザー下に吊り下げる方法も有効です。
- 自転車(ロードバイク・MTB):軽量性と通気性が重要です。穴あきヘルメットなら「バンド型」、そうでなければ「トップマウント」が一般的です。
- スキー・スノーボード:転倒時の安全性と視界確保が重要です。「トップマウント」や「サイドマウント」がよく使われますが、ゴーグルのバンドと干渉しない位置を選びましょう。
固定方法と安全性:ヘルメットへのダメージと安定性
ヘルメットを大切にしたい場合、直接テープを貼ることに抵抗があるかもしれません。
- ダメージ回避:傷や汚れを避けたい場合は、ベルトで固定する「顎マウント」や「バンド型」が有利です。DJI純正の顎マウントはシリコン素材を使用しており、ヘルメットを傷つけにくい設計になっています。
- 安定性重視:高速走行や激しい振動が予想される場合は、物理的にガッチリ固定できる「粘着型」や、バックルで締め上げるタイプのマウントが安心です。
撮影アングルと画角の自由度
カメラを固定した後、角度調整がどれくらいできるかも重要です。
上下の角度調整
前傾姿勢になるバイクや自転車では、カメラを上向きに調整する必要があります。マウントの可動域が狭いと、地面ばかり映ってしまうことがあります。
水平維持
DJI Osmo Actionシリーズには強力な水平維持機能(HorizonSteadyなど)がありますが、マウント自体が傾いて付いていると画角が不自然になることがあります。
ボールジョイント付きのマウントを使うと微調整がしやすくなります。
DJI純正品と社外品:メリット・デメリットとコストパフォーマンス
DJI純正品
- メリット:カメラ本体との完全な互換性が保証されており、品質や耐久性が高いです。
- デメリット:ラインナップが限定的で、特定のヘルメット形状には合わない場合があります。
社外品(サードパーティ製)
- メリット:種類が豊富で、特殊な形状のヘルメットに対応したものや、安価な製品が多く存在します。
- デメリット:プラスチックの品質が低いものがあり、破損のリスクが純正品より高い場合があります。
前傾姿勢の強いバイクに乗る場合は、カメラを十分上向きにできる可動域の広いマウントを選びましょう。
DJIアクションカメラにおすすめのヘルメットマウント製品
具体的にどのような製品を選ぶべきか、DJIユーザーにおすすめの選択肢を紹介します。
DJI純正マウントアクセサリーの紹介
DJI公式からは、特に需要の高い顎マウント用のアクセサリーが展開されています。
Osmo Action ヘルメット顎マウント
- 特徴:フルフェイスヘルメットの顎部分にベルトを通して固定するタイプです。
- 素材:ヘルメットに接する部分は柔らかいシリコンゴムのような素材でできており、滑りにくく、かつヘルメットを傷つけにくい設計です。
- 互換性:Osmo Action 2、3、4、5 Proなど歴代のシリーズに対応しています。
- 価格:税込2,200円程度(調査時点)と、純正品としては比較的手頃です。
- 利点:組み立てと分解が簡単で、接着剤を使わずにしっかりと固定できるため、複数のヘルメットで使い回すことも可能です。
引用元:https://item.rakuten.co.jp/dji-shop/6941565945150/
汎用性の高い人気社外品マウント
純正品でカバーできないスタイル(サイドマウントなど)や、よりコストを抑えたい場合は社外品が選択肢に入ります。
- GoPro互換マウントセット:DJIのアダプターはGoProマウントと形状の互換性があるため、市場にある膨大な種類の「アクションカメラ用マウント」が利用可能です。
- ボールジョイント式マウント:角度調整が自由自在で、ヘルメットの曲面に合わせてカメラを水平に保ちやすい製品が人気です。
特定の撮影シーンに特化したマウントの選び方
モトブログを始めたい方
まずは純正の「Osmo Action ヘルメット顎マウント」を検討してください。音声も拾いやすく、最も失敗が少ない選択です。
サーキット走行など
脱落が許されない環境では、強力な3M両面テープを使用したベースマウントによる固定を推奨します。ベルト式は風圧で緩むリスクがゼロではないためです。
モトブログ初心者には、失敗が少なくヘルメットも傷つかない純正の顎マウントが最適です。
ヘルメットマウントの正しい取り付け方と安全に使うための注意点
最適なマウントを選んでも、取り付け方が不適切だと事故やカメラ紛失の原因になります。
基本的な取り付け手順と最適な位置決めのコツ
- 位置決め:カメラを仮当てし、スマートフォンアプリ(DJI Mimo)のプレビュー画面を見ながら、最適な画角になる位置を探します。バイザーの開閉に干渉しないかも確認してください。
- 清掃・脱脂(粘着タイプの場合):貼り付け面をアルコールシートなどで拭き、油分やワックスを完全に除去します。これが不十分だとすぐに剥がれてしまいます。
- 圧着:両面テープを貼り付けたら、親指で全体を強く押し付けます。
- ベルトの締め付け(ベルトタイプの場合):緩みがないようしっかりと締め込みます。余ったベルトは風でバタつかないよう処理します。
撮影時のブレ・振動対策と安定化のヒント
DJI Osmo Actionシリーズは「RockSteady」などの強力な電子式映像ブレ補正技術を搭載しているため、多少の振動はカメラ側で吸収してくれます。
しかし、マウント自体がグラグラしていると、映像に「こんにゃく現象(波打つような歪み)」が発生することがあります。
ヒント
マウントの関節部分(ネジ)は、専用のレンチやドライバーを使ってしっかりと締め込みましょう。手締めだけでは走行振動で徐々にお辞儀してしまうことがあります。
引用元:https://macfan.book.mynavi.jp/article/79457/
落下防止策と定期的な点検の重要性
万が一マウントが破損したり剥がれたりした際に備え、落下防止コード(テザー)の装着を強く推奨します。
カメラとヘルメットのストラップなどを紐で結んでおくことで、完全な脱落を防げます。
また、使用前には必ずマウントに亀裂がないか、粘着テープが浮いていないかを目視で点検する習慣をつけましょう。
使用上の注意点と法規制(視界確保、重量、公道利用など)
- 視界の確保:カメラが視界を遮る位置に取り付けてはいけません。
- ヘルメットの加工:マウントを取り付けるためにヘルメットに穴を開けたり、衝撃吸収ライナーを削ったりすることは、ヘルメットの安全性能を著しく低下させるため絶対に行ってはいけません。
- 突起物への配慮:万が一の転倒時、ヘルメットに硬い突起物(カメラ)が付いていると、衝撃が一点に集中したり、首に回転力が加わったりするリスクがあります。安全運転を心がけるとともに、必要以上に長いアームなどは避けるのが賢明です。
カメラの脱落は事故につながるため、必ず落下防止コード(テザー)を併用してください。
まとめ
DJIアクションカメラをヘルメットマウントで最大限に活用しよう
本記事では、DJIアクションカメラ向けのヘルメットマウントについて、種類や選び方、安全な運用方法を解説しました。
あなたに最適なマウント選びのステップ
- 用途を明確にする:バイクで臨場感を求めるなら「顎マウント」、全体を俯瞰したいなら「トップマウント」など、撮りたい映像をイメージします。
- ヘルメットを確認する:フルフェイスなら純正の顎マウントが第一候補。形状が特殊なら粘着マウントを検討します。
- 純正か社外品か:安心と簡単さを取るならDJI純正品、コストや特殊な設置を求めるなら社外品を選びます。
安全な利用で最高の撮影体験を
ヘルメットマウントは、あなたの体験をそのまま映像に残せる素晴らしいツールです。
しかし、安全が最優先であることを忘れてはいけません。
確実な取り付けと落下防止策を行い、周囲の状況に注意しながら撮影を楽しんでください。
よくある質問(Q&A)
Q: 粘着テープのマウントは剥がれませんか?
A: 適切な脱脂を行い、3M VHBなどの強力なテープを使用すれば非常に強力に固定されます。ただし、経年劣化や高温多湿な環境では接着力が落ちる可能性があるため、定期的な確認が必要です。
Q: DJIの古い機種でも最新のマウントは使えますか?
A: DJI純正の「Osmo Action ヘルメット顎マウント」などは、Osmo Action 2以降の多くのモデルに対応しています。初代Osmo Actionなど形状が異なる場合は、汎用的なGoPro互換マウントを介して使用可能です。


コメント