ドローンを飛ばそうとした際、モニターに「飛行制限区域(GEO Zone)」という警告が表示され、離陸できずに困った経験はありませんか?
これは、DJI製ドローンに搭載されている安全機能「GEOシステム」によるものです。
空港周辺や重要施設などでの意図しない飛行を防ぐための仕組みですが、適切な許可を得て飛行させる場合には、この制限を解除(ロック解除)する必要があります。
本記事では、DJIドローンのGEO解除について、その仕組みから具体的な申請手順までを初心者にも分かりやすく解説します。
また、2025年後半から順次適用される予定の「GEOシステムの大幅な刷新」という極めて重要な最新情報についても触れています。
これからドローンを安全に運用するために必須の知識となりますので、ぜひ最後までご覧ください。
DJI GEO Zoneとは?なぜ解除が必要なのか
まず、DJIのドローンがなぜ特定の場所で飛ばないように設定されているのか、その仕組みと解除の必要性について解説します。
DJI GEO Zoneの目的とドローン飛行への影響
DJI GEO Zone(GEO区域)は、公共の安全と秩序を維持するために導入されているシステムです。
各国の政府や航空当局の管理政策に基づき、空港、重要施設、刑務所、発電所などの周辺に「ジオフェンス(仮想的な境界線)」を設定しています。
このシステムにより、ドローンが制限区域に入ろうとすると、自動的に離陸が制限されたり、エリアへの侵入がブロックされたりします。
これは、初心者が知らずに飛行禁止区域で飛ばしてしまうリスクを防ぐための重要な安全機能です。
GEO解除(Unlock Request)の必要性と種類
業務や許可を得た撮影などで、どうしてもGEO Zone内で飛行させる必要がある場合、ユーザーはDJIに対して「GEO解除(Unlock Request)」を行う必要があります。
ただし、すべてのエリアが解除できるわけではありません。GEO Zoneには以下のような制限レベルが設定されています。
- 制限空域(赤色):基本的に飛行禁止。解除申請の対象外となることが多いエリア(軍事施設周辺などの敏感な地域など)。
- 承認空域(青色):警告が表示されるが、所定の手続きを経て解除可能なエリア。
- 強化警告区域:ネットワーク接続なしで解除可能な場合があるエリア。
2025年11月以降、GEOロック制限の仕組みが大きく変わる予定です。
なお、DJIは2025年11月17日よりGEOロック制限の刷新を開始すると発表しています。
これにより、従来の「飛行禁止区域(NFZ)」は「強化警告区域(EWZ)」に再分類され、強制的な飛行ブロック機能は廃止され、警告表示のみになる予定です。
また、2026年初頭にはGEOロック解除申請サービス自体が終了するとの情報もあります。
現時点では既存の解除手順が必要ですが、今後のシステム変更には十分注意が必要です。
DJI GEO解除の具体的な手順【図解で徹底解説】
ここでは、現行のシステムにおけるGEO解除の具体的な手順をステップバイステップで解説します。パソコンまたはスマートフォンを使用して申請を行います。
STEP1: DJIアカウントへのログインとFlySafeへのアクセス
まず、解除申請を行うための公式サイト「DJI FlySafe」へアクセスします。
- 公式サイトへアクセス:DJIの「FlySafe」ポータルサイトを開きます。
- ログイン:ドローンで使用しているDJIアカウントでログインします。認証済みのアカウントである必要があります。
このポータルサイトが、すべての解除申請の入り口となります。
STEP2: 申請情報の入力と必要書類のアップロード
ログイン後、具体的な解除リクエストを作成します。
- 新規リクエスト作成:「ロック解除リクエスト」などのメニューを選択します。
- 機体情報の入力:使用するドローンのシリアルナンバーやフライトコントローラーの情報を選択・入力します。
- エリアの設定:解除したいエリアを指定します。地図上で描画するか、座標、半径、高度などの数値を直接入力して設定します。
- 資料の準備:申請に必要な資料をアップロードします。
※必要な資料の詳細については、申請画面の指示に従ってください。
STEP3: 申請内容の確認と送信、承認までの流れ
入力内容に間違いがないか確認し、申請を送信します。
- 審査:DJI側で申請内容の審査が行われます。
- 通知:審査結果はメールやポータルサイト上で通知されます。
承認されると、解除ライセンスが発行されます。
承認されたGEO解除をドローンに同期する方法
申請が承認されただけでは、ドローンはまだ飛べません。ライセンスを機体に読み込ませる必要があります。
- アプリを起動:ドローンと送信機を接続し、DJIアプリ(DJI Flyなど)を起動します。
- ライセンスのインポート:アプリの設定メニュー(安全設定など)から「ロック解除ライセンス」の項目を探し、承認されたライセンスを機体にインポートします。
- 有効化:インポートしたライセンスのスイッチを「ON(有効)」にします。
アプリでライセンスを有効化しないと、現場で離陸できないため注意してください。
これで、指定したエリアと期間内での飛行制限が解除されます。
GEOゾーンの種類と解除の条件・申請要件
GEOゾーンにはいくつかの種類があり、それぞれ意味合いが異なります。
GEOゾーンの種類とそれぞれの意味
DJIのマップ上で色分けされているゾーンの主な意味は以下の通りです。
- 制限空域(赤色):飛行が厳しく制限されているエリア。
- 承認空域(青色):警告が表示されるが、解除申請が可能なエリア。
- 強化警告区域:飛行時に強い警告が表示されるエリア。
※2025年11月以降のシステム刷新により、これらの分類や挙動(特に強制ブロックの有無)が変更される予定です。
ゾーン別:解除申請に必要な情報・書類・条件
各ゾーンの解除に必要な具体的な書類や条件については、公式情報に詳細なリストとしての明記はありません。
一般的には、申請者の本人確認情報や、該当エリアでの飛行許可証(航空局の許可など)の提出が求められる場合があります。
実際の申請画面で求められる項目に従って準備してください。
GEO解除が却下されるケースと再申請のポイント
申請が却下される具体的な基準についても、公式情報には明記されていません。
しかし、一般的に考えられる要因としては、入力したシリアルナンバーの誤り、指定エリアが解除不可の重要施設(軍事施設など)に重なっている、または提出書類の不備などが挙げられます。
却下された場合は、エリア範囲を微調整して再申請すると通ることがあります。
DJI GEO解除後の飛行に関する注意点とよくある質問
GEO解除が完了しても、自由にどこでも飛ばして良いわけではありません。重要な注意点を解説します。
GEO解除後の法的責任と安全な飛行のための心得
最も重要な点は、「DJIのGEO解除」と「国の航空法による飛行許可」は別物であるということです。
DJIのシステム上でロックを解除したからといって、航空法上の飛行許可が下りたわけではありません。
日本の航空法で定められた飛行禁止区域(人口集中地区や空港周辺など)で飛ばす場合は、国土交通省への許可承認申請が別途必要です。
GEO解除はメーカー制限の解除であり、法的責任は操縦者にあることを忘れないでください。
GEO解除申請にかかる時間と承認期間
申請から承認までにかかる具体的な時間や、一度の申請で有効となる期間については、公式情報に一律の規定として明記されていません。
審査には時間がかかる場合もあるため、飛行予定日の直前ではなく、余裕を持って申請を行うことを強く推奨します。
【Q&A】GEO解除に関する疑問を解消
Q. 将来的にGEO解除申請は不要になるのですか?
A. はい、その可能性があります。
DJIの発表によると、2025年11月17日から順次システムが刷新され、2026年初頭にはGEOロック解除申請サービスが終了する予定です。
以降は強制ブロックがなくなり、警告表示のみとなる方向ですが、最新情報は必ずDJI公式サイトで確認してください。
DJIゴーグルとGEO解除の関係性|対応機種も紹介
FPV(一人称視点)飛行を楽しむための「DJIゴーグル」を使用する場合のGEO解除についても触れておきます。
DJIゴーグルとは?FPVドローン飛行の魅力
DJI Goggles 2などのゴーグル製品は、ドローンのカメラ映像をリアルタイムで目の前に表示し、まるで空を飛んでいるかのような没入感を味わえるデバイスです。
主にFPVドローン(DJI Avataなど)と組み合わせて使用されます。
DJI Goggles 2など主要ゴーグルの対応機種一覧
DJI Goggles 2やその他のゴーグルがどのドローンに対応しているかの詳細なリストについては、公式情報に一括して明記されたデータはありません。
ファームウェアの更新により対応機種が増えることもあるため、お持ちのドローンがゴーグルに対応しているかは、必ずDJI公式サイトの製品ページで最新の互換性情報を確認してください。
FPVドローン飛行におけるGEO解除の重要性と注意点
ゴーグルを使用したFPV飛行において、GEO解除が具体的にどのような挙動の違いをもたらすかについての公式な詳細記述はありません。
ただし、FPV飛行は目視外飛行となるため、周囲の状況把握が通常の飛行より難しくなる場合があります。
飛行中に予期せぬ制限エリアに入って制御不能になることを避けるためにも、事前に飛行エリアのGEO情報を確認し、必要であれば解除しておくことが安全上重要と考えられます。
まとめ
DJIドローンのGEO解除について解説しました。
- GEO Zoneは安全のためのシステムであり、解除には正当な理由と手順が必要。
- 解除手順は、FlySafeサイトでの申請とアプリでのライセンス有効化の2段階。
- 重要情報:2025年後半から2026年にかけてシステムが刷新され、強制ロックが廃止される方向で調整が進んでいる。
- 注意点:GEO解除と航空法の許可は別物。必ず法令を遵守すること。
テクノロジーは日々進化し、ルールも変化します。
特にGEOシステムに関しては過渡期にあるため、常に最新の公式情報をチェックしながら、安全で楽しいドローンライフを送ってください。


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