DJI LUTの使い方ガイド|DLUT入手と適用方法

DJI LUTの使い方ガイド|DLUT入手と適用方法

この記事の結論
・D-Log M撮影はダイナミックレンジが広いが、編集での色補正(LUT)が必須

・DJI公式LUTを使えば、初心者でも簡単にRec.709(標準色)へ変換可能

・編集ソフトでの適用手順と、適用後の微調整でプロ品質の映像に仕上がる

DJIのドローンやカメラで撮影を楽しんでいると、「D-Log M」や「D-Log」といった設定を目にすることがあります。

これらのモードで撮影すると、通常の撮影よりも広いダイナミックレンジ(明暗差の幅)を記録できますが、そのまま再生すると色が薄く、眠たい映像に見えてしまいます。

そこで必要になるのが「LUT(ラット)」です。

本記事では、DJI製品の映像制作において重要な役割を果たす「DJI LUT」について、基礎知識からダウンロード方法、編集ソフトでの適用手順までを初心者向けに分かりやすく解説します。

適切なLUTを使用することで、撮影した映像本来の美しさを引き出し、プロフェッショナルな品質に仕上げることが可能になります。

目次

DJI LUTとは?D-Log M/D-Log撮影に不可欠な理由

DJI製品でより高品質な映像作品を作るためには、LUTの役割とD-Log Mなどのログ撮影について理解しておく必要があります。

ここでは基本的な概念を解説します。

LUT(Look Up Table)の基本概念と動画編集での役割

LUTとは「Look Up Table(ルックアップテーブル)」の略称で、ある色を別の色に変換するための対応表のようなデータのことです。

動画編集においては、主に「色の補正」や「映像の雰囲気作り」に使用されます。

具体的には、ログ撮影された彩度の低い映像を、人間が目で見た自然な色合いに戻したり、映画のような独特な色調(ルック)を加えたりする際に使われます。

数値データを元に色を変換するため、複雑なカラーグレーディング作業を瞬時に、かつ正確に行えるのが特徴です。

D-Log M/D-Log撮影のメリットとLUTが必要な理由

DJIの「D-Log M」や「D-Log」は、センサーが捉えた情報を最大限に記録するための撮影プロファイルです。

  • D-Log Mの特徴:D-Logをベースに使いやすく調整されたモードで、10bitでの記録に対応している機種が多くあります。明部から暗部まで幅広い情報を保持できるため、白飛びや黒つぶれに強いのが特徴です。
  • LUTが必要な理由:D-Log Mなどで撮影された映像は、編集時の調整幅を確保するために、あえてコントラストや彩度を下げた「グレイッシュ(灰色がかった)」な状態で記録されます。

そのため、編集ソフトでLUTを適用し、本来の色味に戻す(復元する)作業が不可欠となります。

D-Log M映像は編集前提の素材であるため、LUTを当てて初めて完成形の色になります。

Rec.709など標準色空間への変換の重要性

ログ映像を一般的なテレビやPCモニター、スマートフォンで正しく表示するためには、「Rec.709」と呼ばれる標準的な色空間へ変換する必要があります。

Rec.709は、現在の放送規格や多くのディスプレイにおける色の基準です。

DJIが提供する公式LUTの多くは「D-Log M to Rec.709」のように名付けられており、これは「D-Log Mの色空間を、一般的なRec.709の色空間に変換する」という意味を持ちます。

この変換を行うことで、撮影者が意図した正しい色と明るさを視聴者に届けることができます。

DJI公式LUTのダウンロードと最適な選び方

DJI製品の性能を活かすには、公式が配布しているLUTを使用するのが最も確実です。

ここでは入手方法と選び方を解説します。

DJI製品別(Mavic, Mini, Avata, Osmoなど)LUTダウンロードリンク集

DJIの公式LUTは、主に公式サイトの「ダウンロードセンター」や各製品のサポートページから入手可能です。

例えば、Mavic 3シリーズ向けには以下のLUTが公開されています。

  • Mavic 3シリーズ:「DJI Mavic 3 D-Log M to Rec.709 LUT」および「DJI Mavic 3 D-Log to Rec.709 LUT」
  • その他:Zenmuse X9、Mavic 2 Pro、Phantom 4 Proなど、ログ撮影に対応した機種ごとにLUTが用意されている場合があります。

全ての製品(Mini, Avata, Osmo Pocket 3など)の個別LUTリンクが一覧化された公式ページはない場合があるため、使用する製品の公式ダウンロードページを個別に確認してください。

D-Log M/D-Logの対応と「to Rec.709」の意味

LUTを選ぶ際は、撮影時の設定とLUTの種類を一致させることが重要です。

  • D-Log Mで撮影した場合:「D-Log M to Rec.709」を選択します。
  • D-Logで撮影した場合:「D-Log to Rec.709」を選択します。

異なる種類のLUTを適用すると、色が極端に濃くなったり、明るさが不自然になったりするため注意が必要です。

「to Rec.709」と記載されたLUTは、ログ映像を標準的な色味に戻すための「テクニカルLUT(補正用LUT)」として機能します。

撮影モード(D-Log MかD-Logか)と、適用するLUTのファイル名が一致しているか必ず確認しましょう。

目的別(標準/鮮やか/シネマティック)LUTの選び方

一般的にLUTには、色を正しく戻すための「補正用」と、映像の雰囲気を変えるための「クリエイティブ用(Look用)」があります。

  • 標準(補正用):DJI公式の「to Rec.709」LUTがこれに該当します。まずはこれを適用し、ベースとなる色を作ります。
  • 鮮やか・シネマティック:これらは映像に特定の演出を加えるものです。

DJI公式から演出用のLUTが配布されていない場合は、サードパーティ製のLUTを探すか、編集ソフトの機能で色味を調整する必要があります。

【動画編集ソフト別】DJI LUTの具体的な適用方法

ダウンロードしたLUTを実際に映像に適用する手順を解説します。

ここでは代表的な動画編集ソフトでの一般的な流れを紹介します。

Adobe Premiere ProでのLUT適用手順

Adobe Premiere Proでは、「Lumetriカラー」パネルを使用してLUTを適用します。

  • タイムライン上のクリップを選択します。
  • 「Lumetriカラー」パネルを開きます。
  • 「基本補正」タブの中にある「LUT入力」のプルダウンメニューをクリックします。
  • 「参照…」を選択し、ダウンロードしたDJIのLUTファイル(.cubeファイルなど)を指定します。

これにより、映像全体にLUTの効果が適用されます。適用量が強すぎる場合は、調整レイヤーを使用するなどの工夫で不透明度を調整することも可能です。

DaVinci ResolveでのLUT適用手順

DaVinci Resolveはカラーグレーディングに特化したソフトで、LUTの管理も容易です。

  • 画面右下の歯車アイコン(プロジェクト設定)を開き、「カラーマネージメント」から「LUTフォルダーを開く」を選択し、LUTファイルを保存します。
  • 「カラー」ページに移動します。
  • ノードエディタで新しいノードを作成します。
  • 画面左上の「LUT」ブラウザから、保存したDJI LUTを探し、ノードにドラッグ&ドロップ(または右クリックで適用)します。

DaVinci Resolveではノードベースで処理を行うため、LUT適用の前後に別のノードを追加して微調整を行うのが一般的です。

その他の動画編集ソフトでの一般的な適用方法と注意点

Final Cut ProやCapCutなど、他の編集ソフトでもLUTの適用は可能です。

多くの場合、「カラー」や「調整」といったメニューの中に「LUT」や「カスタムLUT」を読み込む項目があります。

注意点

  • LUTを適用する前に、ホワイトバランスや露出が極端に崩れていないか確認してください。LUTは適正露出で撮影された映像に対して最適に機能するように作られています。
  • 複数のLUTを重ねがけすると、画質が劣化する原因になることがあります。

LUT適用前に、映像のホワイトバランスや露出が大きく崩れていないか確認しましょう。

DJI LUTを最大限に活かす!カラーグレーディングのコツと応用

LUTを当てるだけでは終わらない、より魅力的な映像にするためのテクニックを紹介します。

ビフォーアフターで見る!主要LUTの適用効果

D-Log M映像に公式LUTを適用すると、以下のような変化が見られます。

  • 適用前(Before):全体的に白っぽく、色が薄い。コントラストが低く、眠たい印象。
  • 適用後(After):空の青さや木々の緑が鮮やかに再現され、影の部分が引き締まる。メリハリのある自然な映像になる。

この変化は、LUTが入力された映像信号(D-Log M)を、出力用の信号(Rec.709)に適切にマッピングし直すことで実現されています。

映像に深みを与えるDJI LUTの微調整術

LUTは万能ではないため、撮影環境によっては適用後に微調整が必要です。

  • コントラスト調整:LUT適用後、まだ映像が眠たい場合はコントラストを少し上げます。逆に黒つぶれしている場合は、シャドウを持ち上げます。
  • 彩度の調整:色が濃すぎると感じる場合は、彩度(サチュレーション)を下げて自然な見た目に整えます。

LUTはあくまで「基準を作る」ためのものと考え、その後の微調整で完成度を高めるのがプロのワークフローです。

LUT適用後にコントラストや彩度を微調整することで、映像のクオリティが格段に上がります。

シーン別(風景・人物・夜景)おすすめLUTと仕上げのヒント

シーン別の公式推奨LUTがない場合でも、一般的なカラーグレーディングの考え方で対応可能です。

  • 風景:ダイナミックレンジを活かし、空や自然の色を鮮やかに見せるために、基本のRec.709変換を行った後、彩度を適度に強調します。
  • 人物:肌の色が不自然にならないよう注意が必要です。LUT適用後にスキントーン(肌色)を確認し、必要に応じて特定の色域だけを調整します。
  • 夜景:暗部のノイズを目立たせないよう、黒レベルを慎重に調整します。

DJI LRFファイルやDJI L2とは?LUT・カラーグレーディングとの関連性

DJI製品を使用していると、「LRF」という拡張子のファイルや、「L2」といった用語に遭遇することがあります。これらと映像編集の関連性について解説します。

DJI LRFファイルとは?その用途と映像への影響

SDカード内に「.LRF」という拡張子のファイルが生成されることがあります。

一般的に、ユーザー間ではプレビュー用の低解像度ファイルとして認識されています。通常、高画質な編集を行う際は、MP4やMOVなどの本編動画ファイルを使用します。

DJI Zenmuse L2のLiDARデータと映像のカラーマッチング

「DJI L2」は、測量などに用いられるLiDARモジュール「Zenmuse L2」を指す場合があります。

産業用ドローンにおけるデータ処理は、一般的な映像制作のカラーグレーディングとは異なるワークフローが必要となる可能性があります。詳細は製品マニュアルをご参照ください。

プロフェッショナルなワークフローにおける注意点

専門的な機材やファイル形式を扱う場合、一般的なLUTがそのまま適用できないケースも考えられます。

特に産業用や測量用のデータを含む場合、映像の美しさよりもデータの正確性が優先されることがあります。使用する機材の目的に合わせ、適切なソフトウェアと手順を選択することが重要です。

DJI LUTをマスターして映像表現を豊かにしよう

DJI製品での撮影において、LUTは映像のクオリティを一段階引き上げるための強力なツールです。

本記事のまとめとLUT活用の重要性

  • D-Log M/D-Log撮影:広いダイナミックレンジを記録できるが、編集での色補正が必須。
  • LUTの役割:グレイッシュなログ映像を、自然で鮮やかなRec.709の色空間へ瞬時に変換する。
  • 公式LUTの利用:DJI公式サイトから機種に合ったLUTをダウンロードし、編集ソフトで適用するのが基本。

LUTを適切に活用することで、初心者でもプロのような深みのある映像表現が可能になります。

よくある質問とトラブルシューティング

Q. LUTを当てても色が変です。
A. 撮影モード(D-Log MかD-Logか)と、適用したLUTの種類が合っているか確認してください。また、ホワイトバランスが撮影時に大きくずれていると、LUTだけでは修正しきれない場合があります。

Q. 公式サイトに自分の機種のLUTが見当たりません。
A. 一部のコンシューマー機では、メーカーからLUTが配布されていない、または編集ソフト内蔵の汎用LUTで代用するケースがあります。製品のサポートページをよく確認するか、信頼できるサードパーティ製LUTの利用も検討してください。

まとめ

DJI LUTは、D-Log MやD-Logで撮影された映像のポテンシャルを解放する鍵となります。

最初は難しく感じるかもしれませんが、公式LUTをダウンロードして適用するだけで、見違えるような映像になります。

ぜひ本記事を参考に、カラーグレーディングの世界に挑戦し、あなただけの映像作品を作り上げてください。

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