【LightroomCC基本操作02】写真の現像と補正ツールの使い方を教えるよ!

※2024年3月に更新しました。 また本ページにはプロモーションが含まれています

LightroomCCでは明るさや色合いを補正するツールや写真に写りこんだ不要なもの(人物のほくろやシミ、風景写真の不要な映り込み)を消すことができるブラシツールなどが用意されています。

 

写真を作品として仕上げるための編集にはLightroom Classic CCのほうが多機能でオススメと言えますが、初心者の方にはむしろ機能が多すぎて使いにくい面もあります。

 

その点LightroomCCはLightroom Classic CCに比べると機能は限定されますが、主要な機能をより使いやすくしています。

 

実際に使ってみると、一般的な写真編集はLightroomCCで事足りてしまうのがよく分かるはずです。

 

ここではLightroomCCで写真データを補正して現像するまでをスピーディに行う方法を初心者の方向けに分かりやすく解説しようと思います。

 

これから初めてLightroomCCを使う方は是非参考に読んでみてください。

 

 

この動画は2018年に開催されたカメラの祭典CP+(シーピープラス)でプロの風景写真家の大和田良氏によるLightroom CCを活用するセッションの収録動画となっています。
プロのフォトグラファーがLightroomCCで写真を現像(編集)するときのテクニックを解説してくれているのでぜひ視聴してみましょう。

 

LightroomCCの写真補正機能は大きく分けて6つ

 

LightroomCCの写真補正機能は管理画面の右端にあるツールバーにすべて集約して配置されています。

 

大きく分けて6つの機能が備わっています。それぞれ解説していきましょう。

 

編集

 

LightroomCCの編集
写真の基本的な補正は「編集」のアイコンをクリックすることで開くパネルにほぼ全て集約されています。

 

LightroomCCの編集パネル
クリックしたら拡大します

 

上の写真はLightroomCCの編集パネルを開いている状態です。たくさんの項目が並び、調整できるスライダーが用意されているのが分かります。

 

この編集のパネルは大きく6つに分類されています。

ライト:露出を調整する
カラー:色調を補正する
効果:かすみの除去や明瞭度で写真のコントラストを調整する
ディテール:シャープネスやノイズ・偽色の軽減ができる
レンズ:レンズ特有の収差を除去する
ジオメトリ:歪みを補正する

必要に応じて各項目を調整しますが、写真編集が初めての場合、どこを最初に弄ればよいのか全く分からないのではないでしょうか。
後で詳しく説明しますのでとりあえず次のパネルの説明をします。

 

切り抜きと回転

 

LightroomCCの切り抜きと回転

 

画像のトリミングや角度補正、画像の回転や反転の操作ができるパネルです。
3:2で撮影した画像を16:9や1:1にトリミングしたり、自由に縦横比を変更できます。

 

修復ブラシ

 

LightroomCCの修復ブラシ

 

Photoshopの修復ブラシツールとほぼ同じで、写真の中にある不要なゴミを取り除くツールです。

 

修復ブラシはぼかすように目立たなくする方法と、同じような部分をコピー&ペーストしてごみを取り除く方法があります。
これはPhotoshopのコピースタンプツールと同様の機能となっています。

 

ブラシ

 

LightroomCCのブラシ

 

ブラシは修復ブラシと違い、場所を指定して部分的に色補正をしたり、露出量を変更してみたりする機能です。

 

やり方はとっても簡単で、マウス操作でドラッグして塗りつぶす感覚でマスク領域を決めます。

 

LightroomCCのブラシ(マスク)機能はLightroom ClassicCCと比べるとかなり簡素な機能に限られておりますが、趣味で写真をするならLightroomCCのブラシ機能で十分でしょう。

 

線形グラデーション

 

LightroomCCの線形グラデーション

 

画像に対してグラデーションの効果を加えることが出来ます。

 

例えば画像が上に向かうほど色を濃くしたり、明るくすることが出来る機能です。
グラデーション効果は1枚の写真に複数適用することもできます。

 

円形グラデーション

 

LightroomCCの円形グラデーション

 

線形グラデーションは長方形のグラデーションを適用できますが、円形グラデーションは放射状に露出や色を徐々に変えるという効果を適用する機能です。

 

初心者にオススメ!Adobe Senseiに頼ってほぼ自動の写真編集

 

LightroomCCの編集パネルにはスライダーを左右に調整することで明るさや色を調整することが自由に調整できますが、画像編集の初心者さんにとってはあまりにも項目が多すぎるので最初にどれを触ったらよいかわからないでしょう。

 

LightroomCCには写真の編集作業をAIに任せて自動で補正する機能があり、その名を「Adobe Sensei」と呼ぶようです。

 

Adobe Senseiはプロのフォトグラファーの画像編集パターンをデータとして蓄積しており、写真ごとに最適な色補正を行うようになっています。

 

もちろんAdobe Senseiによる自動補正機能がいつも自分好みの補正にならないこともありますが、プロのフォトグラファーの補正例として確認することもできますので、うまく使えば非常に短時間でプロ顔負けの写真編集ができるようになります。

 

ここでは私が普段やっている自動補正機能と手動の画像補正を合わせた画像編集作業の流れを例に解説してみます。

基本補正

 

ライト-露出を自動で調整する

編集パネル内の「ライト」は露出やコントラストを調節出来ます。

 

ハイライトやシャドウでは写真の高輝度部と暗部だけ明るさを調節することもできます。

 

LightroomCCの露出自動補正

 

LightroomCC初心者さんはまず露出を自動設定することをオススメします。

 

ライトの「自動」をクリックすると露光量やコントラスト、ハイライトなどの調整スライダーが左右に動きます。

 

LightroomCCで露出自動補正する前の写真

 

料理の写真を撮ってみました。

 

白い皿や背景が白飛びしないように全体的に適正露出になるよう撮影してみました。するとメインの被写体になる肉料理がドス黒く写ってしまいます。

 

この写真をLightroomCCを使って自動で露出調整してみましょう。

 

LightroomCCで露出自動補正した写真

 

すると全体の露出は変化せず、肉料理の色だけが明るくなりましたよ。

 

LightroomCCの露出自動補正

 

自動で設定されたスライダーの位置を確認してみると、ハイライト部分を大きく左へ動かし、シャドウ部分を大きく右へ動かしています。

 

写真のシャドウ部分(暗部)の露出量を上げることで肉料理の黒つぶれた部分の色が表れていますよ。

 

必要以上に明るくなっている場合はシャドウのスライダーを左へ微調整します。

 

LightroomCCで写真の明るさ調整をする場合、まずは自動で調整して気に入らない箇所を自分で微調整すると効率よく編集できます。

カラー-偏ったホワイトバランスを自動で正常にする

次に写真の色補正をしてみます。

 

LightroomCCでホワイトバランス自動補正する前の写真

 

室内で写真を撮影する場合に起こりやすいのが色被りです。

 

上の写真は窓のそばで撮影しており、カメラのホワイトバランスをオートにして撮影しています。

 

窓の光に対してカメラがホワイトバランスを合わせてしまい、被写体の白い部分が色被りして茶色く褪せた色になってしまいました。

 

このような写真は意図的に撮る場合を除いて正しい状態に戻す方が良いでしょう。

 

LightroomCCのホワイトバランス自動補正

 

LightroomCCで色補正する場合、色温度、色かぶり補正、自然な彩度、彩度の4項目を調節して適切な色に調整します。

 

これもAdobeのAI「Adobe Sensei」の力を借りて自動で直してしまいましょう。

 

ホワイトバランスの「撮影時の設定」をクリックすると「自動」または「カスタム」の選択ができます。

 

これを「自動」に変更してみます。

 

LightroomCCでホワイトバランス自動補正した写真

 

すると先ほどよりも正しい白に調整されました。

 

撮影に失敗してしまってもLightroomCCを使えば後編集で簡単にホワイトバランスを調整することが出来るので便利です。

 

ホワイトバランス自動補正の色が気に入らない場合はこの他にも色補正の方法があります。「【LightroomCC基本操作04】写真編集で色温度の補正を行う」も合わせて読んでみてください。

 

効果-かすみ除去でメリハリのある写真にする

次にLightroomCCの画像編集で使いたい機能がかすみ除去です。

 

かすみ除去はかすみがかかったようにぼけた色の写真をキレイな色に仕上げることが出来る便利な機能です。

 

LightroomCCの効果:かすみ除去適用前の写真

 

桜の写真です。適正露出になるようにカメラで撮影した後、LightroomCCで先ほど紹介した露出補正を行った後の写真です。

 

このままでも写真として成立はしていますが、空と桜の花のコントラストがくっきりとした写真にしてみようと思います。

 

LightroomCCの効果・かすみ除去設定

 

LightroomCCの「効果」の「かすみ除去」のスライダーを右に動かします。

 

LightroomCCの効果:かすみ除去適用後の写真

 

すると空の白いもやが晴れて、青い色が濃くなりました。

 

これによって被写体の桜の色がより強調される写真となりましたね。

 

かすみ除去は青空を背景とした写真で威力を発揮する機能です。

 

切り抜きと回転

 

写真編集では写真の明るさや色あいの調整のほかに頻度の高い作業が切り抜きと角度調整です。

 

LightroomCCの切り抜きと回転前の写真

 

さっきの写真と同じロケーションで撮影した他の写真です。

 

大きな池がある公園で撮影した写真で、大きな桜の木のふもとから、桜の枝と池を撮りました。

 

我ながら何とも言えないビミョーな写真を撮ってしまいました。

 

この写真のまず良くない点は水平が合っていないことでしょう。池の水平線が傾いています。これがヘタクソさを強調しています。

 

LightroomCCでは簡単に写真の水平を合わせることが出来ます。

 

LightroomCCの切り抜きと回転

 

写真の色補正が終わった後、切り抜きと回転のパネルを開き、角度補正を行います。

 

手作業でスライダーを動かして水平を合わせることもできますが、例にならって「Adobe Sensei」に頼ります。

 

スライダーの中央にある「自動」をクリックします。
LightroomCCの切り抜きと回転した写真

 

すると写真の傾きを修正して余白を切るようにトリミングされます。上の写真の状態で「Enter」を押します。

 

LightroomCCの補正完了後の写真

 

こうすることで簡単に写真の水平が合い、落ち着いて見ることができる写真に早変わりしました。

 

私は自分のブログに掲載する写真については色補正と水平調整、切り抜きを終えてからアップロードしています。

 

たったこれだけでもクオリティアップするので写真多めのブログを運営している方にはぜひオススメです。

 

LightroomCCの写真書き出し

 

ブログにアップロードする写真を選択して右クリック⇒「保存先」で保存のウィンドウが開きます。

 

LightroomCCの写真書き出し
サイズから「カスタム」を選択⇒長辺のサイズを適当に決めて保存をクリックします。
私の場合ブログのカラムサイズに合わせるので600または800pxに固定します。

 

これで保存すれば完成です。ロスレス圧縮後、サーバーにアップしてブログに掲載しています。

 

ブログにアップする画像の編集はこれで完了です。

 

プリセット&プロファイルで写真をフォトジェニックにする

 

これ以降は写真をちょっとオシャレに加工したい場合に有効的な編集方法です。

 

LightroomCCにはプリセットと呼ばれるカラーフィルターが従来から用意されており、2018年にはさらにカラープロファイルが追加されました。

 

プリセット

 

複数の効果が設定された色のテンプレートのようなもので、画像に適用するだけで作品性のある写真に生まれ変わります。

 

プリセットはLightroomCCが用意したもの以外にも、自分でプリセットを作成して保存し、いつでも呼び出すことが出来るようになっています。

 

プロファイル

アドビのプロファイルは、イメージングサイエンスを深いレベルで取り入れ、センサーに対して使用されるフィルターの色(フィルターなしでは色を区別できないセンサーは、赤緑青のフィルターの配列によって色彩豊かな世界を「見る」ことができます)、使用されるセンサー固有の感度、さまざまな照明条件におけるセンサーの特性、さまざまなISO値を考慮して、デジタルの1と0をアドビ写真製品内のイメージに変換します。
なお、RAWではない写真(JPEGやTIFFなど)では、別のRAWプロセッサーまたはカメラの内部ですべてのレンダリングが実行されるため、写真のレンダリングにプロファイルは必要となりません。この場合でも、プロファイルは写真の見た目と雰囲気を変えるクリエイティブな目的に使用できます。

 

出典:LightroomとAdobe Camera Raw 2018年4月アップデートリリースを提供開始|Adobe公式

プリセットとプロファイルは写真をフォトジェニックにするフィルター効果のようなものです。

 

(プロファイルはRAWデータで撮影した写真の場合、別の意味がありますが、JPEG写真の編集では見た目と雰囲気を変える目的で使います。)

 

プリセットは写真の効果で最も一般的なモノクロやセピア色に変換することができ、プロファイルにはアーティスティックやビンテージなど適用するだけでオシャレな写真に変身させる効果が用意されています。

 

Instagramを使い慣れている方はすぐに理解できるでしょう。

 

プリセットやプロファイルは適用しすぎるとノイズが発生するので注意が必要ですが、LightroomCCでは色補正やプリセットを適用しても元画像に手を加えているわけではないので、簡単に元に戻すことが出来ます。

 

これがPhotoshopと違うところです。

【LightroomCC基本操作02】写真の現像と補正ツールの使い方を教えるよ! まとめ

こんな感じです!

 

LightroomCCは初心者の方でも簡単に写真をプロ並みのクオリティに編集することが出来ます。

 

Lightroom ClassicCCはLightroomCC以上の補正機能やマスク機能があるのですが、まずはLightroomCCの自動補正機能で写真編集の目を肥やしてからLightroom ClassicCCに移るのが最適です。

 

特にRAWデータで撮影した画像データはLightroomCCよりもLightroom ClassicCCが向いています。

 

以下のページではLightroom ClassicCCによる編集の流れを解説するのでぜひ合わせて読んでみてください。