作例付き!FE70-200mm F2.8 GMレビュー 買う前に知っておくべきこと

※2024年4月に更新しました。 また本ページにはプロモーションが含まれています

 

一眼カメラを使っているなら誰もが憧れるのが白レンズですよね。

 

ソニーは2020年の東京オリンピック向けにEマウント用望遠レンズの種類を確実に増やし続けています。

 

その中でもあらゆる撮影ジャンルで活躍する焦点距離が70-200mmのズームレンズでしょう。

 

このたびソニープロサポートを活用してFE70-200mm F2.8 GM OSS(SEL70200GM)をレンタルしてみました。

 

 

仕事でカメラを使っている方はプロサポート入会がオススメです

 

そしてαアカデミーのボートレース撮影講座で、望遠レンズを使って流し撮りとハイスピード撮影を実践してみました。

 

ここではFE70-200mm F2.8 GM OSSを使って気が付いた長所・短所や購入前に知っておいた方が良いことを作例付きで解説します。

 

この記事を読む時間がない方向けに、FE70-200mm F2.8 GM OSSを使ってみた感想や作例を動画で紹介しています。

 

読むのが面倒な方はどうぞご視聴ください。

 

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私がこのレンズをまだ買っていない理由

ソニーEマウントレンズはAPS-Cを合わせるともう10本近く買ってしまいましたが、さすがに白レンズの購入にはまだ至っていません。

 

動画撮影の仕事でも焦点距離200mmは不要だし、レンズ本体がかなり大きいので手軽に使えるものでもないですよね。

 

でもやっぱり憧れはあるんですよ。

 

200~400mmの望遠レンズがあると野鳥やスポーツ撮影など、挑戦できるジャンルが増えるのも確かです。

 

そこでソニー イメージングプロサポートのレンズレンタルサービスを利用してFE70-200mm F2.8 GM OSSを使ってみました。

 

 

結論から先に言うと、FE70-200mm F2.8 GM OSSは素晴らしいレンズです

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSのオートフォーカスはとても軽快で、しかも撮れる画像はハイクオリティ。

 

単焦点レンズで撮ったようなヌケの良い画像を得られることもありました。

 

そして使ってみたことを後悔するぐらいこのレンズが欲しくなってしまいましたよ。

FE70-200mm F2.8 GM OSS最大のメリット

 

FE 70-200mm F2.8 GM OSSのレンズ構成
FE 70-200mm F2.8 GM OSSのレンズ構成

 

Gマスターレンズはソニー最高峰レンズのシリーズで、抜群の解像度を誇るのはご存知の通りです。

 

超高度非球面XAレンズを使った滑らかなボケ味と、ナノARコーティングがレンズに施されていることによる逆光耐性の強さが特長です。

 

Gマスターの単焦点レンズは既に体験済みで、とてもヌケの良いクリアな画質にハマってしまって何本も買ってしまいました。

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSで撮影した写真はズーム全域で単焦点レンズ並みの画質..とまではいきませんが、かなり高い確率で良い画像を得ることができます。

 

焦点距離200mm(α6500で使用して撮影。35mm判換算で300mm)

 

また大口径レンズを使用することで、絞りF2.8通しで撮影することができるのも大きなメリットの一つです。

 

ボケ味も強く表現でき、ピント合焦点はとてもシャープです。

 

またGマスターレンズはソニー最新の光学技術で設計されており、ソニーのカメラボディに備わる高速・高精度のオートフォーカス性能を十分に発揮することができるレンズです。

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSは2016年9月に発売されているので、決して新しい製品ではありませんが、α7Ⅲの連写撮影でも十分なAFの食いつきを体感できました。

 

ボートレースの流し撮りで手持ち撮影。絞り:F16 シャッター速度1/30秒 ISO:50 焦点距離:140mm

 

またFE70-200mm F2.8 GM OSSに備わっている手ブレ補正機構は、シャッター速度何段分の効果があるのか公式に発表されていませんが、手持ち撮影でもブレなく撮影できるぐらいの効きの良さがあります。

 

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSのデメリット

FE 70-200mm F2.8 GM OSS
FE 70-200mm F2.8 GM OSS

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSは残念な点もあります。

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSのデメリットは、いわゆるGマスターレンズの重い・デカイ・値段が高い。の三拍子が揃っていることでしょう。

 

これ以外にも実際に使ってみてデメリット..というか疑問に感じた点が一つあります。

 

 

それはF2.8が本当に必要か?ということです

 

ボートレースの撮影では写真をシャープにするために絞りをF10ぐらいまで絞って撮影するのが良いことをソニーαアカデミーのプロの写真家さんから学びました。

 

同じような望遠での動体撮影ではF2.8の絞り設定にすることはまずなさそうです。

 

絞り開放での撮影が考えられるのはポートレートの撮影となりますが、ポートレート用の望遠単焦点レンズ(100mm・135mmなど)のほうが軽くて持ち運びもしやすいです。

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSとよく比較される望遠レンズでは以下の3本のレンズがあります。

 

FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS(2017.7発売) 22.6~29万円
FE 70-200mm F4 G OSS(2014.3発売) 11.7~15.4万円
FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS(2016.4発売) 12.9~16.7万円

 

絞りこんで撮影するならFE 70-200mm F4 G OSSでも問題ないし、FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSやFE 70-300mm F4.5-5.6 G OSSならば、さらに遠い距離も撮影できるでしょう。

 

この4本の選択はかなり難しいのが実際に使ってみることでよく分かりました。

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FE70-200mm F2.8 GM OSSは買うべき?
FE 70-200mm F2.8 GM OSS
FE 70-200mm F2.8 GM OSS

 

ただし、私がSONYの白レンズの中から一本買う場合は、やっぱりFE70-200mm F2.8 GM OSSを買うだろうなー。と思います。

 

まずFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSとの違いを見ると、FE70-200mm F2.8 GM OSSがインナーズーム方式である点が挙げられます。

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSはズームしてもレンズの長さが変わないのは大きなメリットです。

 

ただでさえ大きなレンズが前に伸びるのは威圧感があります。

 

それにズームレンズはズーム時にホコリがレンズ鏡筒内に入りこみやすいという難点がありますが、インナーズーム方式ならその心配がありません。

 

それでも絶対に内部にホコリが入らないというわけではありませんが、高いレンズはホコリを取り除くだけでも数万円の費用がかかります。

 

 

GMレンズはレンズ内のホコリを取るだけで1万円以上かかりますからねえ。

 

メンテナンスを含めて考えるとFE70-200mm F2.8 GM OSSのほうが優位性があります。

 

SEL20TC
SEL20TC

 

また200mmよりも長い焦点距離が必要になる場合はテレコンバーターを使うという手もありますね。

 

望遠撮影の用途でぱっと思いつくのが子供の運動会や発表会です。

 

運動会での動体撮影でFE70-200mm F2.8 GM OSSのAF性能が。そして屋内の発表会はF2.8の開放絞りが十分期待できそうです。

 

子どもの写真はコントラストが強く、クリアな描写のGマスターレンズのほうがキレイな写真で残せるだろうなーと思います。

 

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FE70-200mm F2.8 GM OSS本体と付属品
FE70-200mm F2.8 GM OSSの同梱品

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSを新品で購入するとレンズ持ち運び用のケースとストラップ、レンズフード、レンズキャップが付属します。

 

FE70-200mm F2.8 GM OSS本体とレンズフード

 

またレンズには取り外し可能な三脚座も付いています。

 

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FE70-200mm F2.8 GM OSSの操作性
FE70-200mm F2.8 GM OSS
FE70-200mm F2.8 GM OSS

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSの操作性は様々な撮影条件で性能を発揮できるよう、いろんなカスタマイズができるのが特徴です。

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSの操作ボタン

 

まずAF/MFの切り替えボタンの下にあるフォーカスレンジリミッターはピントを合わせる距離を制限することで高速にピントを合わせることができます。

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSの手振れ補正切替ボタン

 

手振れ補正のオンオフ切替スイッチの下には手振れ補正モードスイッチがあり、モード2にすることで流し撮りに最適な縦方向の手ブレのみ補正することができます。

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSのレンズフード

 

あと、レンズフードは小窓が開く仕組みになっていて、レンズフードを取り付けたまま可変NDフィルターや偏光フィルターを回すことができます。

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSの三脚座固定ネジ

 

レンズ側面についた大きなネジを回すと三脚座が回転します。

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSの縦位置撮影

 

例えばFE70-200mm F2.8 GM OSSの三脚座を使って三脚に固定している場合、三脚に固定したままでカメラを縦位置に変更することもできます。

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSのフォーカスホールドボタン

 

普通レンズに一つしかついていないフォーカスホールドボタンはFE70-200mm F2.8 GM OSSには何と3つも付いています。

 

三脚撮影や縦位置撮影を想定した細やかな配慮と言えますね。

FE70-200mm F2.8 GM OSSの評価ポイント

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外観・質感

FE70-200mm F2.8 GM OSSはα7・α9のフルサイズミラーレスに装着するとしっくりとしたサイズ感ですが、APS-Cのα6000シリーズに装着しても意外と違和感ありません。

 

レンズ全体はとても高級感がある質感で、この価格に相応しい外観です。

 

目立つ外観で注目を浴びるのは必至ですが、それでも撮影に没頭できるほどの光学性能の高さがあります。

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描写力

FE70-200mm F2.8 GM OSSの描写力を検証してみました。
マニュアル露出で明るさを一定にしながら、絞り値を変えて撮影しています。
(シャッター速度を変えて調整)

絞り値 F2.8
焦点距離70mm
焦点距離200mm
絞り値 F5.6

焦点距離70mm
焦点距離200mm
絞り値 F13
焦点距離70mm
焦点距離200mm
絞り値 F22
焦点距離70mm
焦点距離200mm
 

クリックで拡大しますよ!

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSの解像力はさすがGマスターレンズといった感じで、ズーム全域でハイクオリティです。

 

特に解像力が落ちやすい望遠端の描写もそれほど悪くない感じです。

 

ただし望遠端でF5.6よりも開放にした場合、大きな光量落ちになるという情報もあります。

テスト撮影では絞って撮影することが多かったので、個人的には四隅の周辺光量落ちは全く気になりませんでした。

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収差

Lightroomによるレンズ補正前後とJPEG出力時の画像を比較してみました。
レンズ補正前はほんの少し歪曲収差と周辺光量落ちが生じていますが、レンズ補正後・JPEG出力時では解消します。

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接写性能

FE70-200mm F2.8 GM OSSの接写性能はズーム全域で最短撮影距離0.96m、最大撮影倍率0.25倍となっています。

ワイド端(70mm)

ズーム端(200mm)

 

焦点距離200mmの他社望遠レンズと比べるとほんの少し寄れるレンズと言えます。

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ボケ味

 

FE 70-200mm F2.8 GM OSSはF2.8の開放絞りと望遠でボケ表現が強く出るレンズです。

 

焦点距離135mm 絞りF2.8 シャッター速度1/160 ISO2500 フルサイズ画像

 

テスト撮影では残念ながら点光源を撮る機会がなかったのですが、FE 70-200mm F2.8 GM OSSは超高度非球面XAレンズと11枚の絞り羽根によって、美しい玉ボケになるようですね。

 

上の写真では焦点距離135mm F2.8でマクロレンズを思わせる浅い被写界深度となりました。

 

個人的には十分なボケ味です。

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重さ

 

FE70-200mm F2.8 GM OSS は三脚座を含めると1670g

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSの質量は三脚座なしで1480g、三脚座・レンズフード・レンズキャップを含めると1670gとなりました。
以下は比較レンズの重量です。

FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS 1395g
FE 70-200mm F4 G OSS 840g
FE 70-300mm F4.5-5.6 G OSS 854g

(三脚座は別 SONY公式HPの仕様より)

ここで比較したSONY純正の望遠レンズで比較してみると、残念ながらFE70-200mm F2.8 GM OSSは最も重いレンズとなります。

 

ただしズーム時にレンズが前に繰り出さず、重心が変わることなく撮影できるので思っていたほど負担はありませんでした。

 

ただし長時間の手持ち撮影となると、FE70-200mm F2.8 GM OSSの重さはジワジワ体力を消耗する感じです。

SONY 望遠レンズの性能・価格比較表

レンズ名 SEL70200GM SEL100400GM SEL70200G SEL70300G
焦点距離(mm) 70-200 100-400 70-200 70-300
レンズ構成(群-枚) 18-23 16-22 15-21 13-16
画角(35mm判) 34゚-12゚30' 24°-6°10' 34°-12° 34° - 8°10'
開放絞り(F値) 2.8 4.5-5.6 4 4.5-5.6
最小絞り(F値) 22 32-40 22 22-29
絞り羽根(枚) 11 9 9 9
円形絞り
最短撮影距離(m) 0.96 0.98

1- 1.5(AF時)
1-1.35(MF時)

0.9
最大撮影倍率(倍) 0.25 0.35 0.13 0.31
フィルター径(mm) 77 77 72 72
レンズ内手振れ補正 レンズ内手ブレ補正方式 レンズ内手ブレ補正方式 レンズ内手ブレ補正方式 レンズ内手ブレ補正方式
寸法(mm) 88 x 200 93.9 x 205 80 x 175 84 x 143.5
質量(g)※三脚座別 1480 1395 840 854
ソニーストア販売価格(税込2021.4調べ) 36.3万円 35.2万円 17.3万円 18.7万円

FE70-200mm F2.8 GM OSSを使ってみた感想

FE70-200mm F2.8 GM OSSは発売されてから数年経ち、市場価格はジワジワ落ちてきています。

 

Gマスターレンズの解像力とボケ味を望遠レンズに求める方は迷う必要はないでしょう。

 

憧れの白レンズを所有するなら、SEL70200GやSEL70300Gよりも満足度が高いはずです。

 

しかし、200mm以上の望遠レンズが欲しい場合はSEL100400GMとの選択にかなり迷うでしょう。

 

私も正直、結論が出ていません(泣)

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSで2倍のテレコンバーターSEL20TCを合わせれば焦点距離は400mmになりますが、絞りはF5.6~(絞り2段分光量低下)になってしまいます。

 

まあ、200mm以上の撮影はF8以上に絞ることが多くなると思うのでそんなに大きな問題ではないかもしれませんね。

 

またSEL100400GMのほうがレンズ重量も軽いというのも悩みどころです

 

 

けどFE70-200mm F2.8 GM OSSのインナーズームの方が断然使いやすいしカッコイイんだよなあ...

 

まとめると

 

FE70-200mm F2.8 GM OSSを買うべき人

✅インナーズーム方式のレンズのメリットを享受したい
✅F2.8の開放絞りでポートレートも撮影したい方
✅70~100mmの焦点距離も捨てられない。用途に合わせてテレコンバーターを使いたい方

 

といった感じです!

 

 

これまでSONY定例のキャッシュバックキャンペーンに適用されていることもありましたので、新品レンズの購入時は必ずチェックしておきたいですね。

 

以上。FE 70-200mm F2.8 GM OSSのレビューでした!