SEL1635GMの実写付きレビュー 風景撮影なら最高の選択になるレンズだ

※2024年4月に更新しました。 また本ページにはプロモーションが含まれています

 

SONY フルサイズEマウント用レンズで広角レンズを選ぶときにまず気になるのがGマスターレンズのSEL1635GMでしょう。

 

これ以外にもSONYは2本のフルサイズ用広角レンズを用意してくれています。

 

 

 

さんざん悩んだ末にSEL1635GMを買いました!

結論から先に言うと、F2.8という絞り開放の撮影を必要としないならSEL1635GMを買うべきではありません。

 

しかし、SEL1635GMは他の広角レンズにはないGマスターレンズらしいボケ味を出せるレンズです。

 

広角レンズで近接撮影もする方、Gマスターレンズ独特の高いコントラストが得られる写真が好きな方にはぜひオススメしたいレンズです。

 

ここでは私の撮影した写真を例にSEL1635GMをレビューしたいと思います。

 

上の動画はこの記事 FE16-35mm F2.8 GMのレビューを動画でまとめています。
記事を読むのが面倒な方は動画でざっくり解説しているのでぜひ視聴してみてください。
(チャンネル登録もお待ちしています!)

私がSEL1635GMを買った理由

私がFE16-35mm F2.8 GMを買った理由はまず、SONYフルサイズ用の広角レンズが欲しかったから。

 

そしてGM(Gマスター)レンズにした理由はGマスター標準ズームレンズのFE24-70mm F2.8GM を使ってその画質と描写力が気に入っていたからです。

 

また、最後までSEL1635GMとどちらを買うか悩んだSEL1224Gはフィルターを装着できないという理由で買うのをやめました。

 

 

結論。Gマスターレンズは高価格ですが、買って良かったレンズです!

ソニーの誇る最上級レンズGMシリーズの一角が、SEL1635GMです。

SEL1635GMのメリット

・絞り最大開放時からの解像力の高さ
・高コントラスト
・接写撮影時のボケの美しさ
・被写体にかなり寄れる
・意外と軽量で持ち運びやすい

以上の4つが挙がります。

作例1

 

焦点距離:16mm 絞り:F4.5 シャッター速度:1/250 ISO200 画像拡大

 

レンズにおいて解像度の高さと、ボケの美しさは相反する要素です。


画像出典:SONY SEL1635GM 仕様|SONY公式HP

この2つを両立させるのは、超高精度の加工技術でもって作られた非球面XAレンズの存在です。

 

このレンズを2枚使い、シリーズでも最大径であるのがSEL1635GMになります。

 

その解像度の高さは驚くほどのもので、JPEG撮って出し(編集なし)でも色彩の美しさが伝わってくるほどです。

作例2

 

絞り:F2.8 シャッター速度:1/640 ISO:50 焦点距離:34mm 画像拡大

 

レンズ中央ではF2.8で素晴らしい解像力があり、レンズ周辺ではやや解像力が落ちるものの気になるほどではありません。

 

絞り1段分絞り込むと4隅もシャープネスになり、F4.5~F6ぐらいが風景撮影で最高のパフォーマンスを得られるレンズです。

 

画角も16mmから35mmで超広角から標準撮影領域まで対応しているので、風景写真だけでなく日常のスナップやSNSにアップする料理の写真撮影など様々な場面で使えます。

 

重量やサイズ感が手頃

 

これだけ精度の高いレンズでありながらも、そこまで大きくはないサイズ感も魅力です。
重量も約680gとなっていますので、見た目ほど重さを感じることもないでしょう。

 

私の場合、FE24-70mm F2.8 GMの重さを体感済であったので、FE16-35mm F2.8 GMは軽くて幾分拍子抜けしたほどです。

 

また、他社の超広角・同系統レンズと比較しても、重量は軽い方です。

 

持ち運びをするのにも負担が少なくなるでしょう。

SONYフルレンズEマウント広角レンズ仕様比較
レンズ名 SEL1635GM SEL1224G SEL1635Z
焦点距離(mm) 16-35 12-24 16-35
レンズ構成(群-枚) 13-16 13-17 10-12
画角(35mm判) 107°-63° 122°-84° 107°-63°
開放絞り(F値) 2.8 4 4
最小絞り(F値) 22 22 22
絞り羽根(枚) 11 7 7
円形絞り
最短撮影距離(m) 0.28 0.28 0.28
最大撮影倍率(倍) 0.19 0.14 0.19
フィルター径(mm) 82 フィルター装着不可 72
レンズ内手振れ補正 - -
寸法(mm) 88.5x121.6 87x117.4 78×98.5
質量(g) 680 565 518
販売価格(税込) 324,500円 242,000円 173,800円

 

1kg近くもあるSEL2470GMと比較すると、300g近く軽くなっているので風景を撮るのに散策するのにも向いているでしょう。

 

とにかく写真を撮るのが楽しく感じるレンズだと言えます。

SEL1635GMが接写機能が高い? SONY広角レンズ比較

さらに最短撮影距離にも注目してみましょう。
SEL1635GMの最短撮影距離は0.28mです。

 

広角レンズなので遠景を撮るのはもちろんのこと、接写性能の高さもSEL1635GMの売りになっています。

 

SONYでは広角レンズの最短撮影距離はすべて同じ数値となっております。

SEL1635GM

最短撮影距離:0.28m
最大撮影倍率:0.19倍

SEL1224G

最短撮影距離:0.28m
最大撮影倍率:0.14倍

SEL1635Z

最短撮影距離:0.28m
最大撮影倍率:0.19倍

ただし、最大撮影倍率についてはSEL1224Gがやや撮影倍率が小さく、接写できるものの被写体を大きく撮ることについてはSEL1635GMやSEL1635Zに劣っています。

 

以下ではSEL1635GMによる接写撮影の様子を撮影しましたので参考にしてください。
(写真はクリックで拡大できます)

ワイド端(16mm)

ズーム端(35mm)

35mmでの焦点距離で接写するとかなりボケ味が強調されます。
ただし、うるさいほどボケたりはしません。

 

順光で撮る場合はこれ以上寄るとレンズの影が入って困るぐらい寄れる感じなので接写性能は十分です。

 

SEL1635GMのデメリット

 

隙のないスペックを持つSEL1635GMですが、デメリットとなる部分もいくつかあります。

・価格が高い
・RAW撮影時の歪曲収差は大きく出る
・ズームリングは広角側(16mm)で最長になる

 

一番の欠点といいますか、特徴はやはり価格が高いという点でしょう。

SONY カールツアイスの広角レンズ FE1635Zと比較すると約2倍もの価格差が存在しています。

 

FE1635Zもそこそこいいお値段していますが、やはり広角レンズはレンズ径が大きくなるので、さらに性能が高いレンズについては値段が高くなるのは仕方ないのかもしれません。

 

またSEL1635GMはRAWで撮影した場合、樽型の歪みが目立ちますがカメラの補正効果とLightroomのレンズプロファイルで目立たなくなる感じです。
JPEG撮影時の歪曲収差は極小です。

 

またレンズは一般的にズームリングを回してレンズ全長が長くなるほど望遠になりますが、SEL1635GMは長くなるほど広角になるので最初は違和感を感じるかもしれません。

 

 

慣れれば大した問題ではありませんが。

SEL1635GMはレンズ資産となる?

SEL1635GMのデメリットは値段の高さですが、ただその値段の高さの分、性能は抜群に優れています。

 

発売から1年以上経過していますが、その人気は今でも高いものがあり、中古の価格もほとんど値崩れしていません。

 

一眼カメラを買ったばかりの初心者の方にはわかりにくいかもしれませんが、カメラのレンズは資産という考え方もあります。

 

中古として買取に出した場合、買取店にもよりますが程度が良ければだいたい8割程度は返ってくるようになっています。

 

SEL1635GMについては中古でも評価されているレンズなので、仮に新品で購入したとしても、大きく損をすることはないでしょう。

 

 

私も年度末に節税目的でこのレンズを買いましたよ

また先ほどお伝えしたように、SEL1635GMは最上級シリーズだけあって、値段以上の性能を誇っています。

 

このレンズがあればプロ並みの画像を得ることができるのは間違いありませんので、その機会損失などを考えると十分に元は取れるはずです。

SEL1635GMの本体と付属品はこんな感じ

 

SEL1635GMの付属品

 

SEL1635GMには本体のレンズ以外にも付属品がついてきます。
フードはもちろんのこと、フロントキャップとリアキャップ、さらにケースも付属品です。

 

ソフトケースはデザイン性も高くて広角レンズの携帯性をアップしてくれます。

 

またストラップもついているので、単体で持ち運ぶことも出来て便利になっています。

SEL1635GMの操作性

ではSEL1635GMの操作性はどうでしょうか。

 

SEL1635GM

 

シンプルに機能がまとめられていることもあって、操作性も抜群だとユーザーからも評価されています。

 

レンズ近くにフォーカスリング、その後方にズームリングが配置されています。

 

ズームリングはやや粘りがあり、フォーカスリングはズームリングよりもかなり軽く回ります。

 

SEL1635GMの付属品をα7Ⅲに装着

 

とは言え軽く回りすぎることもなくスムーズに操作できるため、マニュアルフォーカスにこだわりのある人でもストレスなく利用できるでしょう。

 

側面部分にAFとMFの切り替えスイッチ、フォーカスホールドボタンが配置されています。

 

サイズがコンパクトで、重量も同系統レンズの中では軽量の部類に入るため、取り回しも問題ありません。

 

マルチなシーンで活躍するレンズだけに、つけっぱなしにしていても問題ないでしょう。
最上級のグレードだけあって、操作性についてもストレスを感じることがありません。

SEL1635GMの評価ポイント

外観・質感

SEL1635GMの外観はシンプルにまとまっているのが特徴です。
特にα7シリーズやα9などフルサイズ機との相性は抜群です。

 

しかも機能性を損なうことのないスイッチの配置になっているため、この外観が嫌いという人は少ないのではないでしょうか。

 

 

私もGマスターレンズの中ではSEL1635GMのデザインが一番好きです。

ハイグレードなレンズだけに質感も良く、撮影するのが毎回楽しみになる作りです。

描写力

SEL1635GMの描写力の高さは圧倒的です。
解像度の高さとボケの美しさという相反する要素を両立させていて、あらゆるシーンで活躍してくれるでしょう。
「プロが撮ったの?」と見間違うような写真をお手軽に撮影できるのが特長です。

絞り値 F4

絞り値F4 テレ端

絞り値F4 ズーム端

絞り値 F8

絞り値F8 テレ端

絞り値F8 ズーム端

絞り値 F16

絞り値F16 テレ端

絞り値F16 ズーム端

絞り値 F22

 

絞り値F22 テレ端

絞り値F22 ズーム端

逆光耐性
F2.8 F4.0 F8 F16 F22

※クリックで拡大・絞り値も分かります。

接写性能

最短撮影距離が0.19mというのも、SEL1635GMの魅力です。
単焦点レンズであるかのような、写真撮影も可能としています。
ボケの美しさが際立つからこそ、接写でもその性能をいかんなく発揮してくれるでしょう。

ボケ味

SEL1635GMのボケ味はとても滑らかなものです。

 

絞り:F2.8 シャッター速度:1/2000 ISO:50 焦点距離:35mm 画像拡大

 

通常広角ズームレンズにボケ味を期待するような方は少ないと思いますが、F2.8という明るいレンズ性能もあって絞り開放で驚くほどよくボケます。
旅行で風景撮影し、レストランで料理を撮る場合も被写体そのものを際立たせてくれます。

 

狭い部屋での自撮りも絞り開放で背景ボケの映像が撮れますよ。

重さ

SEL1635GMは約680gです。
他メーカーの同系統レンズも含めて比較すれば、かなり軽量な部類に入ります。
見た目はフードもつけるとかなり重そうに見えますが、持ってみるとその軽さが実感できるでしょう。

 

特に散策をしながらのスナップ時に、軽さを実感するはずです。

価格

SEL1635GMの唯一の欠点とも言えるのが価格でしょう。
最上級のグレードにあたるだけあって、プロのカメラマンでもなければ手を出しにくい価格ではあります。
ただその価格に負けないだけの、スペックと実力を持っているのが特徴です。

SEL1635GMを使ってみた感想

 

SEL1635GM
SEL1635GM

 

SEL1635GMは、値段に見合う働きをしてくれる優秀なレンズです。

 

もちろん最上級のグレードだけに、値段が高いのは否めません。

 

ただその値段以上の性能は発揮してくれるため、プロの方だけでなく趣味でカメラをしている人でも買えば非常に満足度が高いでしょう。

 

小型軽量であるのに加えて、広角から標準域までをしっかりとカバーしていますし、美しいボケ味も持っています。

 

風景やポートレート、スナップなど、どんな場面でも活躍をしてくれるでしょう。

 

そのため価格の問題さえクリアできるのなら、最高の評価をつけてもいいレンズだと言えます。

 

このSEL1635GMで撮影した写真の美しさは、撮って実感してみないとわからないかもしれません。

 

いわゆる大三元レンズと称されるものですが、他メーカーの大三元レンズと比較してもその写りは抜きん出た存在ではないでしょうか。

 

あと、購入する時はSONYのキャッシュバックキャンペーンはチェックが必須です。
SEL1635GMは春・秋の行楽シーズンにキャッシュバック対象になっている傾向がありますよ。

 

買うときはぜひ活用しましょう!