– Phantom 4とは?機能・比較・使い方・トラブル解決まで徹底解説

- Phantom 4とは?機能・比較・使い方・トラブル解決まで徹底解説

この記事の結論
・Phantom 4シリーズは高い飛行安定性と1インチセンサーによる高画質撮影が魅力の空撮ドローン

・最新のMavicシリーズと比較して携帯性は劣るが、耐風性やメカニカルシャッターなど独自の強みがある

・中古購入時はバッテリーの状態やリモートID対応の有無、航空法規制への理解が不可欠

ドローン市場において、DJIの「Phantom(ファントム)」シリーズは長きにわたり空撮のスタンダードとして君臨してきました。

中でも「Phantom 4」シリーズは、高度な障害物検知機能や高品質なカメラ性能を搭載し、ホビー用途から業務用途まで幅広く利用されている名機です。

現在では折りたたみ式のMavicシリーズなどが台頭していますが、Phantom 4シリーズが持つ安定性や独特のフォルム、そしてカメラ性能は依然として多くのユーザーに支持されています。

本記事では、Phantom 4の基本機能から各モデルの比較、具体的な操作方法、そしてよくあるトラブルの解決策までを網羅的に解説します。

これから中古での購入を検討している方や、すでに所有していて活用方法を広げたい方にとって、役立つ情報を整理してお届けします。

目次

【Phantom 4とは?】機能・比較・使い方・トラブル解決まで徹底解説

DJI Phantom 4シリーズは、誰でもプロフェッショナルな空撮映像を撮影できるように設計された、高性能なクアッドコプター(4枚プロペラのドローン)です。

ここではまず、Phantom 4の全体像と基本的な魅力について解説します。

プロ並みの空撮を可能にする「飛行安定性」と「カメラ性能」が最大の特徴です。

DJI Phantom 4シリーズの概要と歴史的背景

初代Phantomの登場以来、DJIはドローン技術の進化を牽引してきました。

2016年に発表された「Phantom 4」は、コンシューマー向けドローンとして初めて本格的な「障害物回避センサー」「被写体自動追尾機能(ActiveTrack)」を搭載したモデルとして注目を集めました。

それまでのドローンは操縦者の技術に依存する部分が大きかったのに対し、Phantom 4は機体自体が周囲の環境を認識し、衝突を防ぐための制御を行うという点で画期的でした。

その後、カメラ性能を強化した「Phantom 4 Pro」や、測量業務に特化した「Phantom 4 RTK」などが展開され、シリーズとしての完成度を高めていきました。

なぜ今でも人気? Phantom 4の主要な魅力と基本スペック

最新の小型ドローンが登場する中で、Phantom 4シリーズが支持され続ける理由は、その「飛行安定性」と「カメラ性能」にあります。

Phantom 4シリーズは、Mavicシリーズなどの折りたたみ式ドローンと比較して機体サイズが大きく、重量もあります。

この物理的な特性は、風のある環境下でのホバリング安定性に寄与します。

また、特に「Phantom 4 Pro」以降のモデルでは、1インチ2000万画素の大型センサーを搭載しており、静止画・動画ともに高精細な撮影が可能です。

さらに、着陸脚(ランディングギア)が存在することで、草地や不整地での離着陸時にカメラやジンバル(カメラの揺れを防ぐ装置)が地面に接触しにくいというメリットもあります。

初心者でもわかる!Phantom 4でできること

Phantom 4を使用することで、以下のような高度な空撮が可能になります。

  • 4K動画撮影:映画のような高画質な映像を記録できます。
  • 自動追尾(ActiveTrack):動く被写体(人や車など)を認識し、自動で追いかけながら撮影します。
  • ウェイポイント飛行:地図上で指定したルートを自動で飛行させることができます。
  • 障害物回避:飛行経路上にある障害物をセンサーが検知し、衝突を回避または停止します(モデルにより検知方向が異なります)。

これらの機能により、操縦に不慣れな初心者であっても、安全かつクオリティの高い映像制作に取り組むことができます。

Phantom 4シリーズ全モデル徹底比較!あなたに最適なPhantomは?

Phantom 4シリーズには複数のモデルが存在し、それぞれスペックや用途が異なります。

ここでは各モデルの違いと、比較検討のポイントを解説します。

予算と目的に応じて、Proモデルかそれ以外かを慎重に見極めましょう。

Phantom 4 Standard / Advanced / Pro / RTK 各モデルの違いを解説

Phantom 4シリーズの主要なラインナップとその特徴は以下の通りです。

  • Phantom 4 (Standard)
    シリーズの基本モデルです。前方障害物検知システムを搭載し、4K/30fpsの動画撮影が可能です。センサーサイズは1/2.3インチです。
  • Phantom 4 Advanced
    Phantom 4 Proの廉価版という位置づけです。カメラ性能はProと同じ1インチセンサーを搭載していますが、障害物検知センサーは前方と下方のみで、後方や側面には搭載されていません。
  • Phantom 4 Pro / Pro V2.0
    シリーズのハイエンドモデルです。1インチ2000万画素のCMOSセンサーを搭載し、4K/60fpsの撮影が可能です。前後左右および下方の5方向に障害物検知センサーを備えています。V2.0では伝送システムが「OcuSync 2.0」にアップグレードされ、プロペラの静音性が向上しています。
  • Phantom 4 RTK
    産業用ドローンです。RTK(リアルタイムキネマティック)モジュールを搭載しており、センチメートル単位の高精度な測位が可能です。主に測量やマッピング業務で使用されます。

最新Mavicシリーズとの比較:携帯性、機能性、価格で見るメリット・デメリット

Phantom 4シリーズと、現在主流のMavicシリーズ(Mavic 3など)を比較すると、明確な違いがあります。

Phantom 4シリーズのメリット

  • 安定性: 重心バランスと重量により、強風時でも挙動が安定しやすい。
  • ハンドキャッチの容易さ: 脚部を持って離着陸させる(ハンドキャッチ)操作が構造上行いやすい(※安全上のリスクがあるため推奨手順ではありませんが、船上など平地がない環境で重宝されます)。
  • メカニカルシャッター: Proモデルにはメカニカルシャッターが搭載されており、高速移動する被写体を撮影しても歪み(ローリングシャッター現象)が発生しにくい。

Phantom 4シリーズのデメリット

  • 携帯性: 折りたたみができず、専用の大型ケースが必要になるため、持ち運びには不便です。
  • 入手性: 多くのモデルが生産終了しており、新品の入手が困難な場合があります。

Phantom 4が「買い」なのはどんな人?最適な選び方

Phantom 4シリーズは、以下のようなユーザーに適しています。

  • 映像品質にこだわりたいが、最新のハイエンド機には予算が届かない人: 中古市場でPhantom 4 Proを探すことで、コストパフォーマンス良く1インチセンサー機を入手できます。
  • 測量業務を行いたい人: Phantom 4 RTKは、測量現場における定番機として確立されたワークフローがあります。
  • 風のある環境での撮影が多い人: 機体の重量とパワーによる安定性を重視する場合におすすめです。

逆に、旅行や登山に持って行きたい場合や、手軽さを最優先する場合は、MavicシリーズやMiniシリーズの方が適しています。

Phantom 4の主要機能と、空撮を始めるための基本操作

Phantom 4の性能を最大限に引き出すためには、カメラやフライト機能の理解が不可欠です。

ここでは主要な機能と基本的な準備について解説します。

離陸前には必ずコンパスとIMUのステータスを確認する習慣をつけましょう。

高品質な空撮を実現するカメラ性能とジンバル機能

Phantom 4シリーズ(特にPro)の最大の特徴はカメラ性能です。

1インチセンサーは、一般的なスマートフォンや小型ドローンよりも多くの光を取り込めるため、暗所でのノイズが少なく、ダイナミックレンジの広い映像が撮影できます。

また、カメラを支える「3軸ジンバル」は、機体が傾いたり揺れたりしてもカメラを水平に保ち続ける役割を果たします。

これにより、三脚を使って撮影したかのような滑らかな映像が得られます。

安定飛行を支えるセンサー技術とインテリジェントフライトモード

Phantom 4には、GPS/GLONASSによる位置情報の取得に加え、機体下部のビジョンポジショニングシステムが搭載されています。

これにより、GPS信号が届かない屋内であっても、床の模様を認識して安定したホバリングが可能です。

また、インテリジェントフライトモードを活用することで、複雑な操縦を自動化できます。

  • Draw(ドロー): 画面上に指で線を描くと、そのルート通りに一定高度で飛行します。
  • TapFly(タップフライ): 画面上の行きたい場所をタップするだけで、障害物を回避しながらその方向へ飛行します。
  • Return to Home(RTH): ボタン一つ、または電波ロスト時に、自動的に離陸地点まで戻ってきます。

DJI GOアプリを使った基本設定とフライト準備

Phantom 4の操作には、スマートフォンやタブレットにインストールした「DJI GO 4」アプリを使用します。フライト前の基本的な手順は以下の通りです。

  • 送信機とスマートフォンをケーブルで接続し、電源を入れます。
  • 機体の電源を入れ、アプリと接続されるのを待ちます。
  • アプリ画面で「ステータス一覧」を確認し、コンパスやIMU(慣性計測装置)のエラーが出ていないかチェックします。
  • GPS信号を十分に受信し、ホームポイント(離陸地点)が記録されたことを確認してから離陸します。

【トラブルシューティング】Phantom 4でよくある問題と解決策

長く使用されている機体だからこそ、よくあるトラブルとその対処法が確立されています。

ここでは代表的な問題への対応策を紹介します。

映像トラブルの多くは、ケーブルの交換で改善するケースがあります。

ファームウェアアップデート失敗・不具合の対処法

ファームウェアのアップデート中に進行が止まったり、失敗したりすることがあります。

対処法:

  • バッテリー残量が50%以上あることを確認して再試行してください。
  • スマートフォン経由で失敗する場合は、PCソフト「DJI Assistant 2」を使用して有線接続でアップデートを行ってください。
  • SDカードをフォーマットしてから試すと改善する場合があります。

ライブビュー(映像伝送)の途切れや表示異常への対応

飛行中にスマートフォンの画面映像(ライブビュー)が途切れたり、ノイズが入ったりする場合の対処法です。

対処法:

  • ケーブルの確認: 送信機とスマートフォンを繋ぐUSBケーブルの断線や接触不良が原因の多くを占めます。純正または高品質なデータ通信対応ケーブルに交換してください。
  • 電波干渉: 周囲にWi-Fiルーターや高圧電線などの干渉源がないか確認し、場所を移動してください。
  • アンテナの向き: アンテナの側面が機体に向くように調整してください(先端を向けると電波が弱くなります)。

飛行中のGPSエラーやコンパスキャリブレーションの問題

「コンパスエラー」が表示されたり、GPSを捕捉できなかったりする場合、正常な飛行ができません。

対処法:

  • 場所の移動: 金属製の構造物(鉄筋コンクリートの建物、車、鉄橋など)の近くでは磁気干渉を受けやすくなります。開けた場所に移動してください。
  • キャリブレーション: アプリの指示に従い、機体を水平・垂直に回転させてコンパスキャリブレーションを実施してください。
  • IMUキャリブレーション: 機体を水平な面に置き、センサーの補正(IMUキャリブレーション)を行うことで挙動が安定する場合があります。

Phantom 4の導入前に知るべきこと・購入後の注意点

Phantom 4を安全かつ合法的に運用するために、知っておくべきルールと管理方法があります。

中古購入時は、バッテリーの膨張とリモートID対応の有無を必ず確認してください。

ドローン規制と飛行許可に関する基礎知識

日本国内において、Phantom 4(重量100g以上)は航空法の規制対象となります。

  • 機体登録義務: 国土交通省のドローン登録システムに機体を登録し、リモートID機器を搭載(または内蔵リモートIDを設定)する必要があります。Phantom 4 Pro V2.0などは内蔵リモートIDに対応していますが、初期モデルなど対応していない場合は外付け機器が必要です。
  • 飛行禁止区域: 空港周辺、人口集中地区(DID)、150m以上の上空などは、許可なく飛行させることができません。
  • 飛行ルール: 日中飛行、目視内飛行、人や物件から30m以上の距離を保つなどのルールを守る必要があります。

バッテリーの正しい管理と寿命を延ばす方法

Phantom 4の「インテリジェントフライトバッテリー」はリチウムポリマー電池を使用しており、デリケートな管理が必要です。

  • 満充電での長期保管禁止: 満充電のまま長期間放置するとバッテリーが膨張し、使用できなくなるリスクがあります。保管時は50〜60%程度の残量にすることが推奨されます。
  • 過放電の回避: 0%になるまで使い切ったまま放置すると、再充電できなくなる恐れがあります。
  • 温度管理: 極端に暑い場所(車内など)や寒い場所での保管は避けてください。

中古品購入時のチェックポイントとリスク

現在、Phantom 4シリーズを入手する場合、中古市場を利用するケースが多くなります。購入時は以下の点に注意が必要です。

  • バッテリーの状態: 充電回数(サイクル数)や膨張の有無を確認してください。バッテリーは消耗品であり、新品の入手も徐々に難しくなっています。
  • カメラ・ジンバルの動作: ジンバルがスムーズに動くか、カメラレンズに傷がないか、撮影映像に異常がないかを確認してください。
  • 水没・墜落歴: 外装の割れや、ネジの錆(水没の可能性)がないか入念にチェックしてください。
  • リモートID対応: 機体がリモートID内蔵対応モデルか、あるいは外付け機器が必要かを確認し、登録抹消済みであるかも確認が必要です。

まとめ:Phantom 4は今なお「空撮の定番機」として通用するのか?

Phantom 4シリーズは発売から時間が経過していますが、その基本性能の高さから、現在でも十分に通用するドローンです。

Phantom 4を選ぶメリット・デメリット再確認

メリット:

  • 風に強く安定した飛行が可能。
  • 1インチセンサー(Proモデル)による高画質な撮影が可能。
  • メカニカルシャッターによる歪みのない映像。
  • 中古市場でのコストパフォーマンスの良さ。

デメリット:

  • 大きく重いため持ち運びに不便。
  • バッテリーなどの消耗品が入手しづらくなりつつある。
  • 最新機種に比べると伝送距離や障害物回避性能で劣る部分がある。

あなたの用途にPhantom 4が最適な理由

もしあなたが、「持ち運びの手軽さよりも、映像のクオリティや飛行の安定感を重視したい」「予算を抑えつつプロスペックの機材を触ってみたい」と考えているなら、Phantom 4シリーズは最適な選択肢となります。

特にPhantom 4 Proは、空撮業務の現場でも現役で使用される信頼性の高い機体です。

一方で、旅行の記録やカジュアルな空撮がメインであれば、最新のMavicシリーズやMiniシリーズの方が満足度は高いでしょう。

自身の用途と環境に合わせて、最適な一台を選んでください。

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