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ドローン規制のすべて!飛行許可・立入管理措置を徹底解説

この記事の結論
・ドローン規制は航空法や小型無人機等飛行禁止法など多岐にわたり、違反すると罰則や事故のリスクがある
・「特定飛行」に該当する場合は、国交省のシステム「DIPS」を用いた許可・承認申請と機体登録が必須
・カテゴリーII飛行では、看板設置や補助者配置などの「立入管理措置」を徹底し、第三者の安全を確保する必要がある

近年、空撮や点検、測量などビジネスから趣味まで幅広く活用されているドローンですが、その飛行には多くの法律やルールが関わっています。

「ドローンを買ったけれど、どこで飛ばしていいかわからない」「許可申請の手続きが難しそうで不安」といった悩みを抱える方は少なくありません。

ドローン規制は、航空法をはじめとする国の法律、地方自治体の条例、そして安全確保のためのガイドラインなど、多岐にわたります。

これらを正しく理解せずに飛行させると、知らず知らずのうちに法令違反となり、罰則の対象となるだけでなく、重大な事故につながる恐れもあります。

本記事では、ドローン飛行を検討するあらゆるレベルのユーザーに向けて、ドローン規制の全体像を網羅的かつ実践的に解説します。

特に、実務で重要となる「立入管理措置」の具体的な手順や、国土交通省のシステム「DIPS」を用いた申請方法については、図解的なステップを用いて詳しく掘り下げます。

この記事を読めば、あなたの飛行計画に必要な手続きが明確になり、自信を持って安全なフライトを実現できるようになるはずです。

目次

ドローンを飛ばすなら必読!最新の「ドローン規制」を徹底解説

ドローンを安全かつ合法的に飛ばすためには、まず「どのような規制が存在するのか」という全体像を把握することが重要です。規制は複雑に見えますが、基本的な構造を理解すれば、自分が何をすべきかが見えてきます。

規制の全体像を理解することが、トラブルを回避し安全に飛行するための第一歩です。

ドローン規制の基本を理解し、安全な飛行を実現するための第一歩

ドローン規制は、「空の安全」と「地上の安全」を守るために存在します。規制の対象は、機体の重量や飛行させる場所、飛行させる方法によって異なります。

「難しそうだから」と確認を怠ると、取り返しのつかない事故や法令違反を招くリスクがあります。しかし、裏を返せば、適切な知識と手続きを踏むことで、堂々とドローンを活用できる環境が整っているとも言えます。

本記事では、複雑な法規制を一つひとつ解きほぐし、申請が必要なケースと不要なケース、そして現場で守るべき安全対策について、順を追って解説していきます。

【基礎知識】ドローン飛行の前に知るべき主要な法律とルール

ドローンを飛行させる前に、必ず押さえておくべき主要な法律があります。特に「航空法」と「小型無人機等飛行禁止法」は、ドローンユーザーにとっての基本中の基本です。

航空法:ドローン飛行の根幹をなす「空のルール」

航空法は、ドローン(無人航空機)の飛行において最も重要な法律です。国土交通省が管轄しており、主に「飛行禁止空域」と「飛行の方法」について定めています。

航空法における規制の対象となるのは、原則として重量100g以上の機体です。航空法では、空港周辺や人口集中地区(DID)などの空域で飛ばす場合や、夜間飛行、目視外飛行などの特殊な方法で飛ばす場合に、国土交通省への許可・承認が必要となります。

小型無人機等飛行禁止法:国の重要施設を守るための制限

航空法とは別に、警察庁が管轄する「小型無人機等飛行禁止法」も非常に重要です。この法律は、国会議事堂や原子力事業所などの重要施設およびその周辺(おおむね300m)の上空における飛行を禁止しています。

この法律の最大の特徴は、機体の重量に関わらず(100g未満のトイドローンであっても)規制の対象となる点です。

対象地域で飛行させる場合は、施設管理者等の同意を得た上で、都道府県公安委員会等への事前通報が必要です。

100g未満のドローンは規制対象外?知っておくべき特例と注意点

「100g未満のドローンなら自由に飛ばせる」という認識は、一部正解ですが、大きな誤解も含んでいます。

重量100g未満の機体(模型航空機)は、航空法上の許可・承認申請の多くが適用されませんが、以下のルールは遵守する必要があります。

  • 航空法の一部規定:空港周辺や一定の高度以上の飛行は制限されます。
  • 小型無人機等飛行禁止法:前述の通り、重量に関係なく適用されます。
  • 条例や民法:公園の条例や、他人の土地の上空権侵害などは重量に関わらず問題となります。

「おもちゃだから大丈夫」と過信せず、周囲の安全とルールを必ず確認しましょう。

ドローンを飛ばせる場所・飛ばせない場所:飛行禁止空域の具体的な事例

具体的に「どこで飛ばしてはいけないのか」を知ることは、トラブル回避の第一歩です。航空法で定められた主な飛行禁止空域は以下の通りです。

  • 空港等の周辺:航空機の安全確保のため、空港周辺は厳しく制限されています。
  • 緊急用務空域:災害時などに消防や警察のヘリコプターが活動する空域です。
  • 人口集中地区(DID):人が多く集まるエリアで、都市部の多くが該当します。
  • 150m以上の高さの空域:有人航空機との衝突を避けるためです。

知らなかったでは済まされない!法令違反時の罰則と措置

ドローン規制に違反した場合の罰則は年々強化されています。

  • 航空法違反:50万円以下の罰金(飲酒操縦の場合はさらに重い罰則あり)。
  • 小型無人機等飛行禁止法違反:1年以下の懲役または50万円以下の罰金。

警察官等は、違法に飛行しているドローンに対して、飛行の中止命令や機器の破壊・捕獲等の措置をとることが認められています。「知らなかった」では済まされない責任があることを認識しましょう。

【実践編】あなたのドローン飛行は「特定飛行」に該当する?許可・承認の判断基準

基礎知識を押さえたところで、実際にあなたの飛ばし方が申請の必要な「特定飛行」に当たるかを確認し、必要な手続きについて見ていきましょう。

特定飛行とは?航空法で定められた10種類の飛行

航空法では、リスクの高い飛行を「特定飛行」と定義し、原則として許可・承認を義務付けています。特定飛行には以下の10種類があります。

  • 空域に関する規制(許可が必要): 空港周辺、150m以上の高さ、緊急用務空域、人口集中地区(DID)
  • 方法に関する規制(承認が必要): 夜間飛行、目視外飛行、人または物件から30m未満、イベント上空、危険物輸送、物件投下

これらのいずれか一つでも該当する場合は、原則として国土交通省への許可・承認申請が必要です。

ドローンのカテゴリ分類(カテゴリーI/II/III)と申請の要否

ドローンの飛行形態は、リスクの高さに応じて3つのカテゴリーに分類されます。

  • カテゴリーI(申請不要):特定飛行に該当しない飛行(DID外の昼間・目視内など)。
  • カテゴリーII(原則申請が必要):特定飛行のうち、立入管理措置を講じた上で行う飛行。 ※機体認証とライセンスがあれば申請不要になるケース(カテゴリーIIB)もあります。
  • カテゴリーIII(厳格な手続きが必要):有人地帯での目視外飛行など。一等操縦ライセンス等が必須。

多くのアマチュアからビジネスユーザーは「カテゴリーII」での飛行がメインとなります。

国交省への許可・承認申請はどこで?DIPS(ドローン情報基盤システム)の活用

ドローンの許可・承認申請や機体登録は、すべて国土交通省が運営するオンラインシステム「DIPS 2.0(ドローン情報基盤システム)」で行います。

DIPSは行政手続きのワンストップ窓口で、アカウントを作成すれば24時間いつでも申請が可能です。許可証もデジタル(PDF)で発行されます。

【DIPS完全ガイド】飛行許可・承認申請の具体的なステップ

DIPSを用いた一般的な許可・承認申請の流れは以下の通りです。初心者はまず1年間有効な「包括申請」を目指すのが一般的です。

  1. アカウント開設・登録:DIPS 2.0で操縦者情報と機体情報を登録します。
  2. 申請書の作成:飛行目的(空撮・業務)、日時・経路(1年間・日本全国など)、特定飛行の内容(夜間・目視外など)を入力します。
  3. マニュアル選択:国交省の標準マニュアルを選択するのが推奨されます。
  4. 提出と修正:申請を提出し、補正指示があれば対応します。
  5. 許可証発行:審査完了後、許可証をダウンロードして携帯します。

ドローン登録制度とリモートID:いつまでに何をするべきか

2022年6月より、100g以上のすべてのドローンに対して「機体登録」が義務化されています。未登録のドローンを飛行させることは航空法違反です。

DIPSで所有者情報と機体情報を入力し手数料を支払うと、登録記号が発行されます。また、識別情報を電波で発信する「リモートID機器」の搭載も原則義務付けられています。

ドローンを購入したら、飛ばす前に必ずDIPSで機体登録を行いましょう。

【徹底解説】「立入管理措置」を徹底解説!安全確保のための実践ガイド

特定飛行(カテゴリーII)を行う際、非常に重要な要件となるのが「立入管理措置」です。これは、飛行経路下に第三者が立ち入らないように管理することを指します。

なぜ「立入管理措置」が必要なのか?その目的と重要性

ドローン規制の最大の目的は「第三者への危害防止」です。カテゴリーII飛行では、「第三者の立入りを管理する措置を講じること」が前提条件となっています。

つまり、許可証を持っていても、「誰も入ってこない状態」を確実に作らなければ飛ばしてはいけません。

現場で役立つ!立入管理措置の具体的な実践方法と注意点

現場では、物理的な措置と人的な措置を組み合わせて安全を確保します。

  • 補助者の配置:周囲の安全確認や第三者への注意喚起を行う人員を配置します。
  • 物理的な区画:カラーコーンやバーで飛行エリアを囲います。
  • 看板・張り紙:「ドローン飛行中」「立入禁止」と明記した看板を見えやすい位置に設置します。
  • 声かけと誘導:人が近づいてきた場合は、補助者が声をかけて安全圏外へ誘導します。

看板を置くだけでなく、実際に人が入ってこないことを「確実」にできる体制が必要です。

【チェックリスト付き】立入管理措置:これさえあれば安心

現場ですぐに使える簡易チェックリストです。飛行前に必ず確認しましょう。

  • 飛行エリアおよび周辺(落下分散範囲)を特定できているか
  • 補助者を適切な位置に配置し、通信できる状態か
  • 離着陸地点周辺にカラーコーン等で立入禁止区画を設けたか
  • 「ドローン飛行中」の看板を見えやすい位置に設置したか
  • 飛行経路下に第三者がいないことを目視で確認したか

事例で学ぶ!「立入管理措置」が不十分だったケースとその対策

過去には、イベント撮影中に子供が離着陸地点に接近し、ドローンと接触する事故が発生しています。このケースでは、許可は取っていたものの、コーン設置等の物理的対策が不十分でした。

子供やペットは予測不能な動きをします。物理的なバリケードを確実に設置し、補助者が常に監視して、人が近づく兆候があれば即座に着陸を中止(ゴーアラウンド)する判断が必要です。

ドローン飛行の最新情報とよくある疑問を解決するQ&A

ドローンに関するルールは頻繁にアップデートされます。ここでは最新の動向と、よくある疑問にお答えします。

法改正があなたの飛行に与える影響:常に最新情報をキャッチアップ

2022年の法改正で「レベル4飛行」が解禁されましたが、一般ユーザーにとって重要なのは「機体認証制度」と「操縦ライセンス制度(国家資格)」です。

国家資格を取得し認証機体を使用することで、一部の飛行申請が免除されるメリットがあります。ルールは今後も変化する可能性があるため、国交省のサイト等を定期的にチェックしましょう。

見落としがち!地方自治体の条例にも注意が必要

国の法律だけでなく、地方自治体が独自に定める条例にも注意が必要です。多くの都立・県立公園ではドローン飛行が一律禁止、または許可制となっています。

「航空法の許可があるから大丈夫」と判断せず、現地の役所や管理事務所に必ず確認しましょう。

【ケース別】私有地の上空・夜間飛行・イベント会場での撮影は?

Q. 自宅の庭(私有地)の上空なら自由に飛ばせますか?
A. いいえ。DID地区内であれば許可が必要ですし、隣家にはみ出せばトラブルになります。近隣への配慮が重要です。

Q. 夜景を撮りたいのですが、何が必要ですか?
A. 夜間飛行は特定飛行に該当し、承認申請が必要です。機体の灯火装備や訓練も条件となります。

Q. 運動会や祭りでの撮影は?
A. 「催し場所上空での飛行」に該当し、非常に厳しい基準での承認が必要です。包括申請ではカバーできないため、イベントごとの個別申請が一般的です。

まとめ

ドローン規制は一見複雑ですが、一つひとつ整理すれば、安全に楽しむための道筋が見えてきます。最後に、今回の内容を整理し、次のアクションにつなげましょう。

あなたの飛行はどれに該当する?ドローン規制判断フローチャート

  1. 場所は?
    空港周辺・150m以上・DID地区・緊急用務空域なら【許可が必要】
  2. 方法は?
    夜間・目視外・30m未満・イベント上空なら【承認が必要】
  3. 機体重量は?
    100g以上なら【航空法適用】(上記該当あれば申請へ)

ドローン飛行前の最終チェックリスト:これで抜け漏れなし

  • 機体登録・リモートIDの搭載は済んでいるか
  • 必要な許可・承認を取得し、許可証を携帯しているか
  • 飛行日誌(ログブック)を用意したか
  • バッテリー残量や機体に異常はないか
  • 飛行場所の条例やルールを確認したか
  • 立入管理措置(コーン、看板、補助者)の準備はできているか

困ったら専門家に相談!行政書士やドローンスクールを活用しよう

「自分で申請するのは不安」「業務で使うのでミスが許されない」という場合は、専門家の力を借りるのも賢い選択です。

ドローン申請を専門とする行政書士や、法規制も学べるドローンスクールを活用しましょう。安全で快適な空の旅を楽しむために、まずはDIPSのアカウント作成から始めてみてください。

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