東京ドローン飛行ガイド合法な場所と許可申請の基本

東京ドローン飛行ガイド合法な場所と許可申請の基本

この記事の結論
・東京でのドローン飛行は航空法に加え、都立公園条例や重要施設周辺の規制が厳しく適用される

・都内の公立公園は原則飛行禁止のため、民間の屋内練習場やドローンコートの利用が最も安全で確実

・豊洲やお台場などの人気エリアは規制対象であり、無許可での飛行は法的リスクが高いため注意が必要

「東京の景色をドローンで撮影したい」「購入したドローンを都内で練習したい」と考えても、どこで飛ばせばよいのか分からず困っている方は多いのではないでしょうか。

東京都内は人口が密集しており、国の法律や都の条例によってドローンの飛行が厳しく制限されています。

しかし、ルールを正しく理解し、適切な場所を選べば、東京でも安全にドローンを楽しむことは可能です。

本記事では、東京でドローンを飛ばすために必須となる航空法や条例の基礎知識から、飛行可能な場所の条件、そして豊洲やお台場といった人気エリアでの飛行可否について、事実に基づき体系的に解説します。

初心者の方が安心してドローンライフをスタートできるよう、必要な情報を整理してお届けします。

目次

「東京でドローンを飛ばす」ための基本ルールを理解しよう

ドローンを飛ばす際は、まず国が定める「航空法」と、東京都や各自治体が定める「条例」の両方を理解する必要があります。

特に東京は規制対象となるエリアが広範囲に及ぶため、事前の確認が不可欠です。

ドローン飛行の基本:航空法と重要ルール

航空法では、ドローンの飛行に関して「飛行禁止空域」と「飛行の方法」という2つの大きなルールを定めています。

これらは機体の重量が100g以上のドローンすべてに適用されます。

まず、以下の空域では原則としてドローンの飛行が禁止されています。

  • 人口集中地区(DID)の上空:東京都内の大部分(特に23区内)はこれに該当します。
  • 空港等の周辺:羽田空港や成田空港、調布飛行場などの周辺空域です。
  • 地表または水面から150m以上の高さの空域:航空機の航行の安全を確保するためです。
  • 緊急用務空域:災害時などに消防や警察のヘリコプターが活動するために指定される空域です。

また、飛行させる場所に関わらず、以下の「特定飛行」を行う場合には、事前に国土交通省への許可・承認が必要です。

  • 夜間飛行(日没から日の出まで)
  • 目視外飛行(モニターを見ながらの操縦など)
  • 第三者または第三者の物件(建物や車など)から30m未満の距離での飛行
  • イベントや催し場所の上空での飛行
  • 危険物の輸送や物件の投下

【東京特有】知っておきたい条例・規制エリア

航空法に加え、東京都には独自の厳しい規制が存在します。

特に注意が必要なのが、「東京都立公園条例」です。都立公園や庭園内でのドローン飛行は原則として禁止されており、これには小型のトイオドローンも含まれる場合が多く、知事の許可がない限り飛ばすことはできません。

また、お台場海浜公園などの海上公園も、「東京都海上公園条例」により原則飛行禁止とされています。

さらに、「小型無人機等飛行禁止法」により、国会議事堂、首相官邸、外国公館、自衛隊施設などの周辺(概ね300m以内)は、ドローンの重量に関わらず飛行が禁止されています。

これらの条例や規制は、航空法の許可を得ていても適用されるため、場所ごとのルールを個別に確認する必要があります。

飛行許可・承認の申請手続きの流れとポイント

人口集中地区(DID)や夜間飛行など、航空法で規制されている条件下でドローンを飛ばす場合は、国土交通省へ飛行許可・承認申請を行う必要があります。

申請は主にオンラインシステム「DIPS 2.0(ドローン情報基盤システム)」を通じて行います。

  • アカウント作成:DIPSでIDを取得します。
  • 機体・操縦者登録:使用するドローンと操縦者の情報を登録します。
  • 申請書の作成:飛行する日時、場所、目的、安全対策などを入力します。
  • 審査:国土交通省による審査が行われます。

審査には通常10開庁日以上かかるため、飛行予定日の数週間前には手続きを開始しましょう。

違反した場合の罰則とリスク

ルールに違反してドローンを飛ばした場合、航空法や小型無人機等飛行禁止法に基づき、罰金刑などの罰則が科される可能性があります。

また、重要施設周辺での違反飛行は、警察による検挙の対象となります。

法的な罰則だけでなく、万が一の墜落事故により第三者に怪我をさせたり、物件を破損させたりした場合、多額の損害賠償責任を負うリスクもあります。

【一覧】東京でドローンを「安全に」飛ばせる場所と条件

東京都内で合法かつ安全にドローンを飛ばすためには、規制の対象外となる場所や、専用の施設を利用するのが最も確実です。

ここでは具体的な場所の条件について解説します。

東京都内でドローン飛行が認められている公園・練習場リスト

前述の通り、東京都内の都立公園や多くの区市町村立公園では、条例によりドローン飛行が原則禁止されています。

公式情報において「誰でも自由に飛ばせる公立公園」のリストは存在しないのが現状です。

そのため、都内で練習を行う場合は、以下のような民間のドローン練習場(ドローンフィールド)を利用することを強くおすすめします。

  • 屋内練習場:天候に左右されず、航空法の規制対象外となるため、初心者でも安心して練習できます。
  • 屋外フットサルコート等の兼用施設:ネットで囲われたフットサルコートなどを、ドローン練習場として開放している場合があります。

これらの施設は有料ですが、安全管理が行き届いているため、各施設の公式サイトで予約して利用しましょう。

私有地・屋内施設での飛行ルールと注意点

自宅の庭などの私有地や屋内施設であれば、自由に飛ばせると考える方もいますが、条件があります。

まず、四方を壁や天井で囲まれた「屋内」は、航空法の規制対象外であり、許可申請なしで飛行可能です。

一方、屋外の私有地であっても、その場所が「人口集中地区(DID)」に含まれている場合は、航空法の規制対象となり、国土交通省の許可が必要です。

ただし、屋外であっても四方と上部がネット等で囲まれ、ドローンが外部に飛び出す恐れがない場所は、屋内と同様に見なされ、航空法の許可は不要となる場合があります。

【飛行禁止】東京都内の主なNGエリアマップ(皇居、空港周辺など)

東京都内で特に注意すべき、明確な飛行禁止エリアの例を挙げます。

  • 皇居周辺:小型無人機等飛行禁止法により厳格に禁止されています。
  • 国会議事堂・首相官邸周辺:永田町エリアは飛行禁止です。
  • 羽田空港・調布飛行場周辺:航空機の離発着に関わるため、広範囲で禁止されています。
  • 主要な都立公園:代々木公園、上野恩賜公園など、人が多く集まる公園は条例で禁止されています。

これらのエリア情報は、国土地理院の地図やドローン専用の飛行エリア確認アプリで、最新情報を必ず確認してください。

初心者におすすめ!ドローン練習に適した場所選びのコツ

初心者が東京で練習場所を選ぶ際は、「屋内」または「ネットで囲われた施設」を選ぶのがポイントです。

航空法の許可申請が不要で、風の影響も受けにくいため、操縦技術の習得に最適です。

また、インストラクターがいる施設を選べば、操作方法やルールの疑問をその場で解消できます。

【特定エリアガイド】豊洲・お台場・東京タワー周辺のドローン飛行

東京の象徴的なスポットである豊洲、お台場、東京タワー周辺でドローンを飛ばしたいというニーズは高いですが、これらは非常に規制が厳しいエリアです。

それぞれの現状と注意点を解説します。

豊洲周辺でのドローン飛行:可否と具体的な注意点

豊洲エリアは、高層マンションや商業施設が立ち並ぶ人口集中地区(DID)です。

原則として、国土交通省の許可なく屋外で飛ばすことはできません。

また、豊洲ぐるり公園などの都立・区立公園は、条例によりドローン飛行が禁止されているケースがほとんどです。

豊洲市場などの重要施設も近く、人通りも多いため、無許可での飛行は非常にリスクが高いと言えます。

お台場エリアでのドローン空撮:許可申請とヒント

お台場は観光地として人気ですが、ドローン飛行には多くのハードルがあります。

お台場海浜公園や潮風公園は「都立海上公園」であり、条例でドローン飛行が禁止されています。

また、東京港の一部として港湾局の管理下にあり、船舶の往来もあるため、勝手な飛行はできません。

どうしても撮影したい場合は、ドローン撮影が許可されている屋内イベントスペースを利用するか、公式な撮影業務として手続きを踏む必要があります。

東京タワー周辺でのドローン撮影:規制と代替案

東京タワー周辺は、都内でも特に飛行が難しいエリアの一つです。

人口集中地区(DID)であることに加え、多くの第三者物件(ビル、道路、タワー自体)が存在します。

また、近隣には大使館などの重要施設も点在しており、小型無人機等飛行禁止法の対象エリアと重複する可能性があります。

ドローンではなく、展望台からの撮影や、地上からの望遠レンズを使用した撮影を推奨します。

東京でドローンを安全に楽しむための心得とよくある疑問

ドローンを安全に楽しむためには、法律を守るだけでなく、操縦者としてのマナーや安全意識を持つことが大切です。

ドローン操縦前に確認すべき「飛行計画」と安全対策

飛行前には必ず「飛行計画」を立てましょう。DIPSを通じて飛行計画を通報することが義務付けられている場合もあります。

バッテリー残量やプロペラの破損などの機体点検はもちろん、気象確認も重要です。

一般的に風速5m/s以上での飛行は危険とされているため、無理な飛行は避けてください。

第三者への配慮とプライバシー保護の重要性

ドローンにはカメラが搭載されていることが多く、意図せず他人の顔や私生活を撮影してしまうリスクがあります。

住宅地やマンションの近くでの飛行は避け、撮影データに他人が映り込んだ場合は、SNS等にアップロードする前にぼかしを入れるなどの配慮が必要です。

ドローン保険の必要性と選び方

どれほど注意していても、突風や機体トラブルによる事故のリスクはゼロではありません。

第三者の身体や財物に損害を与えた場合に補償される「賠償責任保険」への加入は、ドローン操縦者にとって必須と言えます。

多くの保険会社から個人向け・業務向けのドローン保険が提供されているため、自分の利用目的に合ったものを選びましょう。

【Q&A】よくある質問と回答

Q. ドローンを飛ばすのに免許や資格は必要ですか?
A. 趣味で飛ばす場合、必須の免許はありません。ただし、「無人航空機操縦者技能証明(国家資格)」を取得することで、飛行許可申請の一部が免除されるメリットがあります。

Q. 100g未満のトイオドローンならどこでも飛ばせますか?
A. 100g未満の機体は航空法の一部規制の対象外ですが、小型無人機等飛行禁止法都立公園条例などの規制は重量に関わらず適用されます。

Q. 東京でドローンを買う時の注意点は?
A. 日本国内で使用するドローンは、「技適マーク」が付いているものを選んでください。マークがない場合、電波法違反になる恐れがあります。

まとめ

東京でのドローン飛行は、法律や条例による規制が多く、ハードルが高いように感じるかもしれません。

しかし、正しい知識を持ち、適切な場所を選べば楽しむことは可能です。

この記事で解決したことの要約

  • 基本ルール:航空法(DID地区、150m以上など)と東京都の条例(公園禁止、重要施設周辺禁止)の両方を守る必要があります。
  • 飛ばせる場所:都内の公立公園は原則NG。民間の屋内練習場やドローンコートの利用が最も安全で確実です。
  • 特定エリア:豊洲・お台場・東京タワー周辺は規制が厳しく、無許可での飛行はできません。
  • 手続き:規制対象エリアで飛ばす場合は、国土交通省(DIPS)への許可申請が必須です。

安全なドローンライフで東京の魅力を再発見しよう

ドローン技術は日々進化しており、私たちの生活を豊かにする可能性を秘めています。

まずは屋内練習場などで操縦技術を磨き、ルールを遵守した上で、安全なドローンライフを楽しんでください。

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