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ドローン飛行できる場所は?ルール・申請まで完全ガイド

この記事の結論
・100g未満のドローン活用で飛行場所の選択肢が大幅に広がる
・公園や河川敷は法律だけでなく条例や管理者への事前確認が必須
・DID地区や特定飛行にはDIPS2.0での許可申請(包括申請)が有効

「ドローンを買ったけれど、どこで飛ばせばいいのかわからない」「近所の公園で練習しても法律違反にならないだろうか」

ドローンを手にした多くの人が最初に直面するのが、「飛行場所」に関する悩みです。

航空法をはじめとする法律や規制は複雑で、知らずに飛ばせば法的な罰則を受けるリスクもあります。しかし、正しい知識さえあれば、身近な場所でも安全に、堂々とフライトを楽しむことは十分に可能です。

本記事では、ドローンの国家資格保有者およびスクール運営者としての専門的視点から、ドローンを飛行できる場所の探し方を徹底解説します。

100g未満のトイドローンを活用した「穴場」の見つけ方から、自宅敷地内でのプライバシー対策、さらにはDIPS2.0を用いた「特定飛行」の許可申請手順まで、初心者から経験者まで役立つ実践的な情報をお届けします。

この記事を読めば、あなたのドローンを「どこ」で「どう」飛ばせるかが明確になり、安心して空撮や練習をスタートできるようになります。

目次

ドローンを「飛ばせる場所」を徹底解説!安全飛行のための完全ガイド

ドローンを飛ばす場所を探す際、最も重要なのは「法律・規制」「土地の管理権」の2つをクリアすることです。

どんなに広くて人がいない場所でも、法的にNGなエリアや、土地所有者が禁止している場所では飛行できません。

場所選びは「国の法律」と「現地のルール」の両方を満たす必要があります。

ドローン飛行の「なぜ難しい?」を解決!この記事でわかること

ドローンの飛行場所探しが難しく感じる最大の理由は、複数の法律(航空法、小型無人機等飛行禁止法、民法、道路交通法など)と、自治体の条例、各施設の利用規約が複雑に絡み合っているためです。

例えば、「航空法ではOKでも、公園の条例でNG」というケースは頻繁に起こります。

本記事では、こうした複雑な情報を整理し、以下のステップで解説します。

  • 絶対ダメな場所を知る
    航空法や重要施設周辺などの「レッドライン」を把握する。
  • 飛ばしやすい機体を知る
    規制が緩和される「100g未満ドローン(模型航空機)」の活用法。
  • 身近な場所での作法を知る
    公園、河川敷、自宅での具体的な確認・交渉手順。
  • 自由度を広げる方法を知る
    国土交通省への許可申請(DIPS2.0)の実践フロー。

これらを順に理解することで、漠然とした不安を解消し、自信を持って飛行場所を選定できるようになります。

まずはここから!ドローン飛行の基本ルールと飛行禁止区域

まずは、すべてのドローンユーザーが必ず守らなければならない「基本ルール」を押さえましょう。

これを知らずに飛ばすことは、無免許運転と同じくらい危険です。

ドローン飛行に適用される主要な法律・規制の全体像

ドローンに関わる法律は多岐にわたりますが、特に意識すべきは以下の5つです。

  • 航空法
    国土交通省が管轄。ドローンの飛行空域や飛行方法(夜間飛行禁止など)を定めています。最も基本となる法律です。
  • 小型無人機等飛行禁止法
    国の重要施設(国会議事堂、皇居、原子力事業所など)およびその周辺おおむね300m上空の飛行を禁止する法律です。重量に関わらずすべてのドローンが対象です。
  • 電波法
    ドローンが使用する無線周波数に関する法律。日本国内で使用できる「技適マーク」がついた機体を使う必要があります。
  • 民法
    土地の上空権やプライバシー権に関わる法律。他人の土地の上空を無断で飛ばすことは権利侵害になる可能性があります。
  • 条例
    各自治体が独自に定めるルール。特に都市部の公園は「ドローン飛行禁止」と明記されていることが多いため注意が必要です。

これらの法律が層のように重なっているため、一つでも抵触すれば飛行はできません。

法律で定められた「飛行禁止区域」の具体例と確認方法

航空法において、許可なくドローン(100g以上の無人航空機)を飛ばしてはいけない場所は明確に決まっています。

これを「特定飛行」と呼びます。以下の空域は原則禁止です。

  1. 空港等の周辺
    航空機の安全確保のため厳禁です。
  2. 緊急用務空域
    災害時などに指定される空域です。
  3. 150m以上の高さの空域
    有人航空機の飛行高度と重なるため禁止です。
  4. 人口集中地区(DID地区)
    人家が密集している地域の上空です。東京23区や大阪市内などは、ほとんどがこのエリアに該当します。

地理院地図やドローンフライトマップで、事前に飛行エリアを確認することが義務です。

自分が飛ばしたい場所がこれらの禁止区域に該当するかは、以下のツールで必ず事前に確認してください。

  • 国土地理院地図(地理院地図)
    「人口集中地区」などのレイヤーを表示して確認できます。
  • ドローンフライトマップ(DJIなど)
    メーカーが提供するアプリ上で、空港周辺などの飛行制限区域(GEO区域)を視覚的に確認できます。
  • SORAPASS(ソラパス)
    飛行禁止エリアや気象情報などを統合的に確認できる支援サービスです。

これらを確認し、禁止区域外(かつ土地管理者の許可がある場所)であれば、手続きなしで飛行できる可能性があります。

【ココがポイント!】100g未満ドローンが「より多く」飛ばせる理由と場所

「DID地区に住んでいるから、どこにも飛ばせる場所がない」と諦めていませんか?

実は、機体重量が100g未満のドローンを選ぶことで、飛行できる場所の選択肢は大きく広がります。

100g未満ドローンと100g以上ドローンの規制の違いを徹底比較

航空法において、機体本体とバッテリーの合計重量が100g以上の機体は「無人航空機」、100g未満の機体は「模型航空機」として分類されます。

この分類の違いにより、規制内容が大きく異なります。

項目100g以上(無人航空機)100g未満(模型航空機)
機体登録義務必須(リモートID搭載も必須)任意(義務ではない)
人口集中地区(DID)での飛行原則禁止(許可が必要)規制対象外(許可不要)
夜間飛行・目視外飛行原則禁止(承認が必要)規制対象外(承認不要)
人・物件から30m未満の飛行原則禁止(承認が必要)規制対象外(承認不要)
空港周辺・150m以上の飛行禁止(許可が必要)禁止(許可が必要)
小型無人機等飛行禁止法適用される適用される

最大のポイントは、100g未満であれば「人口集中地区(DID)」や「人・物件との距離30m未満」などの規制を受けない点です。

つまり、航空法の許可申請なしで、自宅の庭や近所の広場(条例等で禁止されていない場合)で飛ばすことが法的に可能になります。

※ただし、100g未満であっても、空港周辺や150m以上の上空などの危険な場所は航空法の規制対象です。また、重要施設周辺(小型無人機等飛行禁止法)も対象となるため注意が必要です。

100g未満なら許可不要エリアが広がりますが、条例やマナーは必ず守りましょう。

100g未満ドローンだからこそ飛行しやすい「穴場スポット」の探し方

100g未満の機体であれば、DID地区内にある以下のような場所が「飛行可能な穴場」になり得ます。

ただし、航空法以外のルール(条例や民法、マナー)は守る必要があります。

  1. 河川敷(管理ルールによる)
    河川法ではドローンの飛行自体を一律に禁止してはいませんが、河川事務所や自治体が「危険行為」や「迷惑行為」として制限している場合があります。100g未満の小型機であれば、「他人の迷惑にならない範囲での利用」として許容されるケースも多いですが、必ず現地の看板や管轄の河川事務所に確認しましょう。
  2. 自宅の庭や駐車場
    100g以上の機体だと、DID地区内の自宅庭で飛ばすだけでも国土交通省の許可が必要ですが、100g未満なら不要です。周囲に網を張るなどして敷地外に出ない対策をすれば、絶好の練習場になります。
  3. 条例で禁止されていない小さな公園
    大規模な都立公園や県営公園は一律禁止の場合が多いですが、市区町村が管理する小さな公園や広場では、ドローンに関する明確な禁止規定がない場合があります。ただし、人がいるときは飛ばさないのが鉄則です。
  4. 屋内施設(ドローンコートなど)
    屋内や四方をネットで囲まれた場所は、航空法の規制対象外です。100g未満に限らず飛ばせますが、特に100g未満のマイクロドローン向けの屋内サーキットなどは増えています。

探し方のコツ
Googleマップで近所の緑地を探し、その場所を管理している自治体のWebサイトで「公園条例」や「利用上の注意」を検索してみてください。

「ドローン禁止」の明記がなければ、役所の担当課へ「100g未満の小さなおもちゃのドローンを、人がいない早朝に練習したいが可能か」と問い合わせるのが確実です。

【実践編】身近な場所で安全にドローンを飛ばすための完全マニュアル

ここからは、実際に公園、河川敷、自宅などで飛ばす際に必要な具体的なアクションと注意点を解説します。

公園・河川敷でドローンを飛ばす際のルールと管理者への確認方法

「禁止と書いていないから飛ばしていい」と安易に判断するのはトラブルの元です。以下の手順で安全を確認してください。

  1. 現地の看板を確認
    入口付近にある「利用上の注意」を見ます。「無人航空機の飛行禁止」「ラジコン禁止」などの記載があればNGです。
  2. 自治体・管理者のWebサイトを確認
    「〇〇市 公園 ドローン」「〇〇川 ドローン」などで検索し、公式見解を確認します。
  3. 電話で問い合わせる(推奨)
    Webに記載がない場合、管理事務所や役所の公園緑地課などに電話します。「趣味で重量〇〇gの小型ドローンを飛ばしたいのですが、〇〇公園での利用に制限はありますか? 人がいない時間帯に、低空で安全に配慮して行います」と具体的に伝えると、担当者も判断しやすくなります。

注意
河川敷の場合、国土交通省の河川事務所が管轄していることが多いですが、グラウンドや公園として整備されている部分は自治体が管理していることがあります。管理の境界線に注意してください。

【超重要】自宅敷地内でのドローン飛行:プライバシーと近隣トラブル対策

「自宅の敷地内だから自由だ」と思いがちですが、近隣住民とのトラブルは非常に多いです。特にカメラ付きドローンは「盗撮されているのでは?」という不安を招きます。

対策1:民法上の権利範囲を理解する
民法では、土地の所有権は「その土地の上下に及ぶ」とされていますが、隣家の敷地上空には及びません。

たとえ数センチでも隣家の敷地に入れば不法侵入となる可能性があります。また、風で流されて隣家に落下すれば損害賠償責任が発生します。

対策2:事前説明とコミュニケーション
飛行させる前に、隣接する住民の方へ一言挨拶をしておくことが最大の防御策です。

【挨拶のテンプレート例】
「こんにちは、隣の〇〇です。最近ドローンの練習を始めまして、自宅の庭で飛ばすことがあります。敷地からは出ないようにネット等で対策し、カメラも近隣の方へは向けないよう配慮いたします。もし騒音など気になることがあればすぐにご連絡ください。」

対策3:物理的な安全対策

  • 係留装置(紐)の使用
    ドローンと地上を紐でつなぎ、物理的に隣家へ届かない長さに設定する。これにより、100g以上の機体であっても特定飛行の許可承認が不要になる特例もあります(係留飛行)。
  • プライバシーシェード
    隣家側のフェンスに目隠しを設置する。

ドローン保険は必須!万が一の事故に備える保険の選び方と加入のメリット

どんなに注意していても、突風や機体トラブルによる墜落リスクはゼロにはなりません。車にぶつけてしまった、通行人に怪我をさせてしまったという場合に備え、ドローン保険(賠償責任保険)への加入は必須です。

事前の挨拶と保険加入は、トラブルを防ぐための最大の防御策です。

  • 個人向け賠償責任保険
    ホビー用途であれば、年間数千円程度で加入できるプランが多いです。クレジットカードの付帯保険や、自動車保険・火災保険の「個人賠償責任特約」が使える場合もあるので確認しましょう。
  • 業務用保険
    業務で撮影などを行う場合は、専用の業務用ドローン保険が必要です。

加入のメリット
金銭的な補償はもちろんですが、管理者や土地所有者に飛行許可を求める際、「対人対物〇億円の保険に加入しています」と伝えることで、信頼性が高まり許可が得やすくなるという大きなメリットがあります。

特定飛行の許可申請はこれで完璧!DIPS2.0完全ガイド【国家資格保有者が解説】

DID地区や夜間飛行など、航空法の規制対象となる「特定飛行」を行いたい場合は、国土交通省への許可・承認申請が必要です。

現在はオンラインシステム「DIPS2.0」を使って、誰でも無料で申請が可能です。

特定飛行とは?許可・承認が必要なケースを再確認

以下のケースに該当する場合は、必ず事前に許可・承認を得なければなりません。

  • 許可が必要
    ・人口集中地区(DID)の上空
    ・夜間飛行(日没~日の出)
    ・目視外飛行(モニターを見ながらの操縦など)
    ・人または物件から30m未満の距離での飛行
  • 承認が必要
    ・イベント上空での飛行
    ・危険物の輸送
    ・物件投下

これらは「包括申請」といって、1年間日本全国(一部エリア除く)で飛行できる許可をまとめて取得することが一般的です。

DIPS2.0を使った許可申請の具体的なステップと必要書類リスト

DIPS2.0(ドローン情報基盤システム2.0)での申請フローは以下の通りです。

  1. アカウント開設と機体登録
    まずDIPS2.0でアカウントを作り、所有しているドローンの機体情報を登録します(機体登録料の納付が必要です)。
  2. 操縦者情報の登録
    操縦する人の氏名、住所、経験時間などを登録します。10時間以上の飛行経験が求められるのが一般的です。
  3. 申請書の作成(飛行許可・承認申請)
    申請メニューから新規申請を選びます。
    ・カテゴリー判定:通常の空撮などは「カテゴリーII」になります。
    ・飛行概要の入力:「日本全国(包括申請)」か「特定の場所」かを選択。
    ・飛行マニュアルの選択:国土交通省が用意している「標準マニュアル」を使用するのが最もスムーズです。独自のマニュアルを使う場合は添付が必要です。
  4. 提出と審査
    入力完了後、申請ボタンを押します。不備がなければ通常10開庁日(約2週間)程度で審査が完了し、電子許可証が発行されます。

【必要書類・情報】
・機体の写真(自作機や改造機でない場合は不要なことが多い)
・操縦者の技能証明書(民間資格や国家資格がある場合)
・独自マニュアル(標準マニュアルを使わない場合)

申請をスムーズに進めるための注意点と審査期間短縮のヒント

審査で差し戻し(補正指示)を受けないためのポイントは以下の通りです。

  • 標準マニュアルを熟読する
    「標準マニュアル02」などを選択する場合、その内容(風速5m以上では飛ばさない、雨天は飛ばさない等)を遵守することが条件になります。内容を理解せずに申請するのはNGです。
  • 包括申請を活用する
    毎回場所を指定して申請するのは手間がかかります。「日本全国」「1年間」という条件で包括申請を行えば、一度の審査で済み、急な撮影依頼や練習にも対応できます。ただし、イベント上空など包括申請ではカバーできない飛行もあるので注意してください。
  • 期間に余裕を持つ
    審査には最低でも2週間(補正があればそれ以上)かかります。飛ばしたい日が決まっている場合は、1ヶ月前には申請を完了させましょう。

「包括申請」を活用すれば、1度の審査で1年間全国で飛行可能になります。

国家資格(一等・二等無人航空機操縦士)を保有していると、一部の飛行形態で許可承認が不要になったり、審査が省略されたりするメリットがあります。本格的にドローンを運用するなら、資格取得も検討に値します。

まとめ

ドローンを安全に楽しむためには、「飛ばせる場所」を正しく見極め、必要な手続きを踏むことが不可欠です。本記事の要点を振り返り、次のアクションへ繋げましょう。

まずはこれだけ確認!ドローン飛行可否の判断フローチャート

  1. 機体重量は?
    ・100g未満:DID地区や30m接近規制などは対象外。→ 条例・土地管理者の許可を確認へ
    ・100g以上:航空法の全規制対象。→ 2へ
  2. 飛行場所はDID地区(人口集中地区)か?
    ・YES:原則禁止。DIPS2.0で許可申請が必要。
    ・NO:航空法上はOK(昼間・目視内などの場合)。→ 3へ
  3. 土地の管理者はOKと言っているか?
    ・公園/河川:条例や看板を確認。管理事務所へ問い合わせ。
    ・私有地:土地所有者の許可を取得。
  4. 重要施設・空港周辺ではないか?
    ・地図アプリで確認。該当エリアなら飛行不可。

安全で楽しいドローンライフのために、今すぐ始めるべきこと

この記事を読み終えたら、まずは以下の行動を起こしてみてください。

  1. マップアプリで自宅周辺をチェック
    国土地理院地図やDJIフライトマップで、自宅や近所の公園がDID地区か、禁止エリアかを確認しましょう。
  2. 管理事務所へ一本電話
    よく行く公園や河川敷の管理者に、「小型ドローンの練習は可能か」を聞いてみましょう。意外とOKな場所が見つかるかもしれません。
  3. DIPS2.0のアカウント作成
    将来的に大きなドローンを飛ばす予定なら、今のうちにアカウントを作り、システムの画面に慣れておくとスムーズです。
  4. 保険の確認
    万が一に備え、賠償責任保険への加入手続きを行いましょう。

正しい知識と事前の準備があれば、ドローンは決して怖いものではありません。

ルールを守り、マナーを持って、素晴らしい空の世界を楽しんでください。

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