香川ドローンの飛行ルールとスクール銭形まつりも解説

香川ドローンの飛行ルールとスクール銭形まつりも解説

この記事の結論
・香川県でのドローン飛行は航空法に加え、栗林公園などの県条例による規制遵守が必須

・銭形まつり等のイベント上空飛行は原則禁止であり、実施には厳格な個別承認が必要

・安全な空撮を楽しむには、スクールでの資格取得や土地管理者への事前許可が重要

瀬戸内海の穏やかな海や、讃岐富士をはじめとする美しい山々など、香川県にはドローン空撮に適した魅力的なロケーションが数多く存在します。

「自分の手でこの景色を撮影してみたい」と考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、ドローンを飛ばすためには航空法や地域の条例など、複雑なルールを理解しなければなりません。

「どこで飛ばしていいのか分からない」「銭形まつりのようなイベントでは撮影できるの?」といった疑問を持つ方も少なくないはずです。

本記事では、香川県でドローンを利用するために必要な法規制の知識から、スクール選び、空撮スポットの考え方、そして気になるイベント時の利用可否までを網羅的に解説します。

正しい知識を身につけ、安全にドローンライフを楽しみましょう。

目次

香川県でドローンを飛ばす前に知っておくべき基本ルール

ドローンを飛行させる際は、国が定める「航空法」と、地域独自の「条例」の両方を遵守する必要があります。

知らなかったでは済まされない重要なルールを整理します。

ドローン飛行の「基本原則」と「航空法」

日本国内で100g以上のドローン(機体本体とバッテリーの合計重量)を飛行させる場合、航空法の規制対象となります。

まず大前提として、国土交通省への機体登録が義務付けられています。未登録の機体を飛行させることはできません。

航空法では、以下の空域や方法での飛行が原則として禁止されており、飛行させるには国土交通省の許可・承認が必要です。

  • 空港周辺の空域
  • 緊急用務空域(災害時などに指定される空域)
  • 地表または水面から150m以上の高さの空域
  • 人口集中地区(DID)の上空

また、飛行方法についても以下の規制があります。

  • 夜間飛行
  • 目視外飛行(モニターを見ながらの操縦など)
  • 人(第三者)または物件(第三者の建物・車など)から30m未満の距離での飛行
  • 催し物(イベント)上空での飛行
  • 危険物の輸送
  • 物件の投下

これらのルールは全国共通ですが、香川県内でも高松市中心部などの人口集中地区や、高松空港周辺では特に注意が必要です。

香川県特有の飛行禁止区域と自治体の条例

国の法律に加え、香川県には独自の条例による規制が存在します。特に観光地での飛行を考えている方は注意が必要です。

香川県都市公園条例
香川県都市公園条例第5条第2項に基づき、特別名勝栗林公園でのドローン飛行は「管理上著しく支障となる行為」として禁止されています。

栗林公園は国の特別名勝に指定されており、文化財保護と来園者の安全確保のため、厳格に管理されています。

小型無人機等飛行禁止法
国の重要施設周辺での飛行を禁止する法律です。

香川県内においても、対象施設の敷地・区域の上空およびその周囲おおむね300mの地域は飛行禁止区域となります。

具体的な対象施設については、香川県警察のホームページ等で最新情報を必ず確認してください。

許可・承認申請の具体的な流れと窓口

飛行禁止空域や特定の方法で飛行させる場合は、事前に許可・承認を得る必要があります。

  1. DIPS 2.0(ドローン情報基盤システム)での申請
    国土交通省が運営するオンラインシステム「DIPS 2.0」を使用し、飛行計画の通報や許可承認申請を行います。
  2. 空港周辺や高度150m以上の場合
    管轄の空港事務所への申請が必要です。高松空港周辺などが該当します。
  3. 重要施設周辺や条例対象エリア
    警察署や施設の管理者への事前確認と通報が必要です。

例えば栗林公園に関しては、香川県栗林公園観光事務所が問い合わせ窓口となります。

許可を得た場合でも、土地の所有者や管理者の承諾が別途必要になるケースがほとんどです。

「国の許可があるからどこでも飛ばせる」わけではない点を理解しておきましょう。

銭形まつりでドローンは飛ばせる?イベント時の注意点と2025年の展望

観音寺市で開催される「銭形まつり」は、巨大な砂絵「銭形砂絵」で知られる地域の一大イベントです。

このようなイベントをドローンで撮影したいというニーズはありますが、実現には高いハードルがあります。

銭形まつりでのドローン飛行、その実態と規制状況

現時点において、銭形まつりの公式情報としてドローン飛行の可否に関する明確な規定は公表されていません。

しかし、航空法において「多数の者が集合する催し場所の上空」での飛行は禁止されており、飛行させるには国土交通省の承認が必要です。

さらに、イベント会場は多くの観客で混雑するため、安全確保の観点から主催者が独自にドローン飛行を禁止しているケースが一般的です。

公式に「飛行可能」とアナウンスされていない限り、原則として飛行はできないと考えるのが安全です。

イベント時にドローンを飛行させる際の許可・承認申請

もし仮にイベント撮影を行う場合、以下の手順が必須となります。

  1. 国土交通省の承認取得
    「催し場所上空での飛行」の承認を得る必要があります。これには包括申請(1年間の許可など)は使えず、イベントごとの個別申請が必要です。
  2. イベント主催者の承諾
    国の承認があっても、イベント主催者の許可がなければ飛ばせません。事前に主催者へ企画書を提出し、安全対策を説明した上で承諾を得る必要があります。

過去の事例と2025年に向けた展望・留意事項

過去には高松市の花火大会において、無許可でドローンを飛行させたとして航空法違反の疑いで書類送検・逮捕された事例も報告されています。

イベント上空での無断飛行は、落下による事故のリスクだけでなく、イベントの中断を招く恐れもある重大な迷惑行為です。

2025年に向けても、ドローン規制が緩和される兆しはなく、むしろ安全対策は強化される傾向にあります。

銭形まつりに関しても、主催者からの公式発表がない限り、個人の趣味による空撮は認められない可能性が高いでしょう。

イベント主催者や参加者が守るべきドローンマナー

イベント会場周辺でドローンを見かけた場合、それが公式の撮影班によるものか、無許可の飛行かは判別しにくいものです。

操縦者は以下のマナーを徹底する必要があります。

  • 無断飛行の禁止:許可のない飛行は絶対に行わない。
  • 関係者への事前連絡:撮影を行う場合は、必ず主催者および管轄の警察署へ連絡を入れる。
  • 第三者への配慮:観客の頭上を飛ばさない、プライバシーに配慮する。

香川県でおすすめのドローンスクール3選【国家資格対応】

ドローンを安全に扱うためには、正しい知識と技術が必要です。

2022年12月からドローンの国家資格(無人航空機操縦者技能証明)制度が開始され、スクールでの受講に関心が高まっています。

ドローンスクール選びのポイント

スクールを選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。

  • 国土交通省の登録講習機関か:国家資格取得を目指す場合、登録講習機関での受講が必要です。修了審査に合格すると、実地試験が免除されます。
  • 講習内容と機材:実技講習の時間が十分か、使用する機体は最新かを確認します。
  • アフターサポート:卒業後の機体購入相談や、飛行申請のサポートがあるかも重要です。

香川ドローンラボの特徴とコース内容

香川県内には「香川ドローンラボ」をはじめとするドローンスクールが存在します。

一般的にこうしたスクールでは、初心者向けの体験コースから、ビジネスでの利用を想定したプロフェッショナルコース、そして国家資格取得に対応したコースなどが用意されています。

具体的なカリキュラムや料金、開催スケジュールについては時期により変動するため、公式サイト等で最新の情報を確認することをおすすめします。

その他の香川県内主要ドローンスクール

香川県内には他にも、自動車教習所が運営するドローンスクールや、空撮会社が運営するスクールなどが点在しています。

高松市や丸亀市などを中心に、通いやすい立地のスクールを探してみましょう。

複数のスクールの資料請求を行い、費用や雰囲気を比較検討することが大切です。

国家資格取得のメリットと費用相場

国家資格(一等・二等)を取得するメリットは以下の通りです。

  • 飛行許可申請の一部免除:特定の条件下で、飛行ごとの許可・承認申請が不要になります(カテゴリーII飛行の一部)。
  • 信頼性の向上:クライアントや土地管理者に対して、確かな技能を持っていることを証明できます。
  • レベル4飛行への道:一等資格を取得し、認証を受けた機体を使用すれば、有人地帯での目視外飛行(レベル4)が可能になります。

費用相場は、経験者の場合で数万円〜20万円程度、初学者の場合で30万円〜数十万円程度となることが一般的ですが、スクールによって大きく異なります。

香川でドローンを趣味にする!おすすめ空撮スポットと選び方

香川県ならではの風景を撮影するためのスポット選びと、機体の選び方について解説します。

初心者向けドローン選びのコツとおすすめ機種

初心者の方は、以下の基準で機体を選ぶと良いでしょう。

  • 重量100g未満のトイドローン:航空法の登録義務がなく(一部規制は適用)、室内練習や手軽な空撮体験に適しています。
  • GPS搭載の空撮用ドローン:屋外で安定した飛行をするならGPS搭載機が必須です。DJI社のMiniシリーズなどは、軽量で高性能なため人気があります。
  • カメラ性能:4K撮影が可能か、ジンバル(手ブレ補正)がついているかを確認しましょう。

香川県でドローン空撮が楽しめるスポット

香川県で空撮を楽しむ場合、以下のようなロケーションが候補に挙がりますが、必ず土地管理者への確認と許可が必要です。

  • 海岸線(父母ヶ浜など):干潮時のリフレクションが美しいスポットですが、観光客が多いため、人がいない早朝などを狙い、管理自治体や観光協会へ確認が必要です。
  • 山間部:開けた山頂付近などは電波干渉が少なく飛ばしやすいですが、私有地や国立公園に含まれる場合があるため確認が必須です。

「ネットで飛ばせると書いてあった」という情報を鵜呑みにせず、その都度、管理者へ連絡を入れることがトラブル回避の鉄則です。

趣味でドローンを始める際の費用と手軽な体験方法

趣味として本格的に始める場合の初期費用は、機体代(5万〜15万円程度)、予備バッテリー、保険料、登録手数料などを合わせて10万〜20万円程度を見ておくと良いでしょう。

まずは購入前に、ドローンスクールが開催している「無料体験会」や「体験コース」に参加し、実際の操縦感覚を掴んでみることをおすすめします。

香川県でドローンを安全に楽しむための注意点とマナー

ドローンは便利な反面、使い方を誤ると事故や事件につながるリスクがあります。

ドローン飛行におけるトラブル事例とリスク対策

香川県内でも、花火大会などのイベント時に無許可で飛行させ、警察に摘発される事例が発生しています。

また、バッテリー切れによる墜落や、強風によるロスト(機体紛失)などの事故も少なくありません。

  • 飛行前の点検:バッテリー残量、プロペラの破損、GPSの受信状況を必ず確認する。
  • 気象条件の確認:風速5m/s以上や雨天時は飛行を中止する勇気を持つ。

プライバシー保護と肖像権への配慮

空撮映像に他人の顔や車のナンバープレート、洗濯物などが鮮明に映り込むと、プライバシー侵害や肖像権の侵害になる恐れがあります。

  • 人が映り込まない距離や角度を保つ。
  • SNSにアップロードする際は、個人が特定できないようぼかしを入れる等の配慮を行う。

地域住民との共存:安全飛行のためのマナー

法律を守っていても、ドローンの飛行音(プロペラ音)を不快に感じる人もいます。

住宅地周辺での早朝・深夜の飛行は避ける、周囲に人がいる場合は声をかけてから飛ばすなど、地域住民への配慮を忘れないようにしましょう。

ドローン保険の重要性

万が一の墜落事故で、人に怪我をさせたり、車や建物を破損させたりした場合、多額の賠償責任が発生する可能性があります。

対人・対物賠償に対応したドローン保険(賠償責任保険)への加入は必須と言えます。

ホビー用であれば年間数千円程度で加入できるプランも多いため、機体購入と同時に加入しましょう。

まとめ

香川県でドローンを楽しむためには、航空法や県の条例、そしてマナーを守ることが大前提です。

  • 香川でのドローン利用:目的別に最適な選択を
    趣味の空撮なら許可取りがしやすい場所を選び、ビジネスやイベント撮影なら国家資格取得やスクールでの技術習得を検討しましょう。
  • 法規制遵守と安全対策の徹底を改めて確認
    栗林公園などの飛行禁止エリアや、銭形まつり等のイベント時の規制を正しく理解し、無許可飛行は絶対に行わないようにしましょう。
  • ドローンで広がる香川の魅力と可能性
    ルールを守って撮影された映像は、香川の美しい風景を新たな視点で切り取り、多くの人に感動を与えることができます。

正しい知識と安全意識を持って、香川でのドローンライフを存分に楽しんでください。

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