測量用ドローン価格相場と選び方4項目

測量用ドローン価格相場と選び方4項目

この記事の結論
・写真測量用は100万円前後、レーザー測量用は500万円以上が相場の目安

・Mavic 3 Enterpriseなど小型で高性能なモデルなら80万円台から導入可能

・機体価格だけでなく解析ソフトや保険、資格取得などの諸経費も予算に含める

建設現場や土木工事の現場において、ドローンを活用した測量は業務効率化の切り札として定着しつつあります。

しかし、いざ導入を検討する際に最も気になるのが「価格」ではないでしょうか。

測量用ドローンは、一般的な空撮用ドローンとは異なり、搭載するセンサーや精度によって価格が大きく変動します。

本記事では、測量用ドローンの価格相場について、写真測量とレーザー測量の違いや、具体的なモデルの価格例を交えて解説します。

また、機体本体以外に必要なコストについても触れ、導入時の予算計画に役立つ情報を整理してお届けします。

目次

測量用ドローンの価格相場

測量用ドローンの価格は、どのような測量手法を用いるかによって大きく異なります。

主に「写真測量」と「レーザー測量(LiDAR)」の2種類があり、それぞれの価格帯を把握することが重要です。

写真測量用ドローンの費用感

写真測量は、ドローンで撮影した連続写真をもとに地形データを生成する手法です。

比較的安価に導入できるのが特徴で、初期費用を抑えたい場合に適しています。

初期コストを抑えて測量を内製化したい場合は、写真測量モデルがおすすめです。

調査データによると、写真測量に対応したドローンの導入価格は、エントリーモデルであれば20万円程度から検討可能です。

より本格的な業務利用を想定した中級モデルや、RTK(リアルタイムキネマティック)と呼ばれる高精度な位置情報補正機能を搭載したモデルの場合、価格相場は80万円〜150万円前後となります。

一般的に、建設・測量用として十分な性能を持つモデルを導入する場合、100万円前後がひとつの目安と言えるでしょう。

レーザー測量(LiDAR)用ドローンの費用感

レーザー測量は、ドローンからレーザーを照射して地形を計測する手法です。

樹木がある場所でも地表面のデータを取得できるなど高度な測量が可能ですが、機材は非常に高額になります。

レーザー測量(LiDAR)に対応したドローンシステムを導入する場合、価格は最低でも500万円程度からとなります。

高性能なレーザー装置を搭載したモデルや、システム全体を含めた構成によっては、1,000万円を超えるケースも珍しくありません。

写真測量用と比較すると、導入ハードルは高い傾向にあります。

具体的なモデルと価格例

ここでは、市場で流通している代表的な測量用ドローンや関連機材の具体的な価格例を紹介します。

なお、価格は販売店や時期によって変動するため、参考値としてご覧ください。

エントリーモデルの価格

測量業務のエントリーモデルとして広く利用されているのが、DJIの「Mavic 3 Enterprise(Mavic 3E)」シリーズなどの小型産業用ドローンです。

調査データによると、RTKモジュールを含む「DJI Mavic 3E」の価格帯は80万円前後とされています。

また、正規販売店の情報では、本体価格として788,000円(税込866,800円)という価格設定も見られます。

100万円を切る価格帯で高精度な写真測量が可能なモデルが登場し、導入障壁は下がっています。

ハイエンドモデルと搭載機材の価格

より大規模な測量やレーザー測量を行う場合は、大型の機体と専用のカメラ・センサーを組み合わせるハイエンドモデルが必要になります。

例えば、DJIの高性能レーザー測量モジュール「Zenmuse L2」の場合、製品単体や保守プランとのセット価格で約185万円〜200万円(税込)程度となります。

これに加え、このモジュールを搭載するための大型ドローン(Matriceシリーズなど)の本体価格が必要となるため、トータルコストは数百万単位となります。

産業用ドローンの高性能モデル全体で見ると、100万円〜500万円程度の予算感を持っておくのが一般的です。

本体以外にかかる導入費用

ドローン測量を始めるためには、機体を購入するだけでは不十分です。

運用に必要な周辺機器やソフトウェア、法的な手続きにかかる費用も予算に組み込む必要があります。

ソフトウェアと周辺機器

測量データを処理し、図面や3Dモデルを作成するためには、専用の解析ソフトウェアが必要です。

これらのソフトは高機能なものが多く、数十万円から高いものでは百万円近いライセンス料がかかる場合があります。

機体価格だけでなく、解析ソフトのライセンス料も必ず予算に計上しましょう。

また、現場での運用には以下のような周辺機器も必要です。

  • 予備バッテリー(産業用は1本数万円〜十数万円することもあります)
  • RTK測位を行うための基地局(D-RTK 2 モバイルステーションなど)
  • データ保存用の大容量記録メディア

保険・登録料などの諸経費

安心して業務を行うためには、ドローン保険への加入が必須です。

対人・対物賠償保険に加え、高額な機体自体の損害を補償する機体保険にも加入する場合、年間で数万円〜十数万円の保険料が発生します。

さらに、国土交通省への機体登録手数料や、操縦者の技能証明(免許)を取得するための講習費用も考慮する必要があります。

特に国家資格である「無人航空機操縦者技能証明」を取得する場合、講習機関への受講料として数十万円が必要になるケースが一般的です。

まとめ

測量用ドローンの価格は、目的とする測量手法によって大きく異なります。

  • 写真測量用:20万円〜150万円程度(主流は100万円前後)
  • レーザー測量用:500万円〜1,000万円以上

特に、DJI Mavic 3 Enterpriseシリーズのような小型で高性能なモデルが登場したことで、80万円前後から本格的な測量を始められるようになりました。

一方で、導入には機体価格だけでなく、解析ソフトや保険、講習費用などの諸経費も発生します。

予算計画を立てる際は、機体単体の価格だけでなく、運用開始までに必要なトータルコストを算出し、自社の業務内容に最適なシステムを選定することが大切です。

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