ドローンを飛行させようとした際、画面に「飛行制限区域」や「GEO区域」といった警告が表示され、離陸できずに困った経験はありませんか?
DJI製ドローンには、安全性を確保するために独自の飛行制限システムが組み込まれています。
しかし、業務や許可を得た撮影などで、どうしてもその場所で飛ばさなければならないケースもあるでしょう。
本記事では、DJIドローンの飛行制限解除(ロック解除)について、仕組みから具体的な申請手順、必要な書類までを初心者にも分かりやすく解説します。
また、日本の法規制との関係や、解除後に役立つ製品購入情報についても触れていきます。
正しい手順を知り、安全かつ合法的にドローンを活用しましょう。
DJI飛行制限解除とは?なぜ必要?日本の法規制との関係
DJIのドローンには、空港周辺や重要施設など、安全上のリスクがある場所での飛行を制限するシステムが搭載されています。
まずはこの仕組みと、日本の法律との関係を正しく理解しましょう。
DJI GEO区域(飛行制限区域)の基礎知識
DJIは「GEOシステム(Geospatial Environment Online)」という独自の地理空間情報を導入しています。
これにより、世界中の空域が安全性に基づいて分類され、ドローンの動作が制御されています。
主な区域の分類は以下の通りです。
- 飛行制限空域(赤色):安全上の懸念が高いエリア(空港の滑走路周辺など)。デフォルトでは飛行が完全に禁止されており、離陸できません。
- 承認空域(青色):制限はあるものの、条件付きで飛行可能なエリア。DJIのアカウント認証やロック解除申請を行うことで飛行可能になります。
- 強化警告区域:飛行時に強い警告メッセージが表示されますが、飛行自体は可能です。
なお、DJIは2025年11月以降、このGEOシステムを段階的にアップデートし、将来的にはロック機能を廃止してパイロットの自己責任による運用へ移行する方針を発表しています。
しかし、現時点では多くの機体でこの制限システムが有効であるため、解除手順を知っておく必要があります。
赤色の「飛行制限空域」を飛ばすには、特別なカスタムロック解除申請が必須となります。
ドローンの飛行制限解除申請が必要となる理由
上記の「飛行制限空域(赤色)」などでドローンを飛ばす必要がある場合、ユーザーはDJIに対して「飛行制限解除(ロック解除)」の申請を行う必要があります。
このシステムは、知識のないユーザーが誤って危険な場所で飛ばしてしまう事故を防ぐための安全装置です。
そのため、正当な理由と権限を持つユーザーだけが、所定の手続きを経て制限を解除できる仕組みになっています。
DJIの飛行制限と日本の航空法規の違い・関連性
ここで重要なのが、「DJIの制限解除」と「国の飛行許可」は別物であるという点です。
- DJIの制限(GEOシステム):メーカー(DJI)が機体の仕様として設定している制限。
- 日本の航空法(国土交通省):国が法律として定めている飛行禁止空域。
DJIの制限を解除したからといって、法的に飛行が許可されたわけではありません。
逆に、国土交通省から飛行許可を得ていても、DJIの機体側でロックがかかっていれば物理的に飛ばすことはできません。
つまり、制限エリアで飛ばすためには、「国の許可取得」と「DJIの制限解除」の両方が必要になります。
メーカーのロック解除と国の許可はセットで考える必要があります。
制限区域で無許可飛行した場合のリスクと罰則
DJIの制限区域は、空港や重要施設など、事故が起きれば甚大な被害につながる場所に設定されています。
もし適切な手続き(国の許可およびDJIの解除)を経ずに無理やり飛行させようとしたり、システムを不正に改造して飛行させたりした場合、日本の航空法違反に問われる可能性があります。
航空法違反には、罰金刑などの重い罰則が科される場合があるため、必ず正規の手順を踏むことが重要です。
DJI飛行制限解除の具体的な申請手順を徹底解説
ここでは、実際にDJIの飛行制限を解除するための手順を解説します。現在はオンラインで申請が可能です。
申請前に準備すべき情報と資料リスト
申請をスムーズに進めるために、以下の情報を手元に用意してください。
- DJIアカウント情報:申請に使用するメールアドレスなど。
- 機体のシリアルナンバー:フライトコントローラーのシリアルナンバーが必要です(機体本体のシリアルとは異なる場合があります)。
- 本人確認情報:申請者の身元を確認できる情報。
- 公式の承認文書:該当エリアでの飛行を行政機関等が許可したことを証明する書類。
シリアルナンバーはDJIアプリ内の「一般設定」→「デバイス情報」で確認できます。
DJI公式サイトでの申請ステップを画像付きで解説
申請は、DJIの公式サイト「Fly Safe」ポータルから行います。
- Fly Safeポータルへアクセス:PC等のブラウザで公式サイトにアクセスし、DJIアカウントでログインします。
- 新規解除申請の作成:「ロック解除申請」を選択し、「新規ロック解除申請」ボタンをクリックします。
- 情報の入力:デバイス情報、パイロット情報、エリアと期間の指定、書類のアップロードを行います。
- 申請の送信:入力内容を確認し、申請を送信します。
DJI Fly/Pilotアプリでのライセンスインポート手順
Webサイトでの申請が承認されただけでは、まだ機体は飛びません。承認されたライセンスを機体に取り込む必要があります。
- アプリの起動:機体と送信機を接続し、DJI Fly(またはDJI Pilot)アプリを起動します。
- 設定メニューへ移動:カメラビュー画面の右上にある「…」をタップし、「安全」タブなどを開きます。
- ライセンスの確認:「GEO区域ロック解除」や「詳細設定」等の項目から、承認されたライセンス一覧を確認します。
- インポートと有効化:該当するライセンスを選び、「機体にインポート」を実行した後、スイッチをオン(有効)にします。
現場で慌てないよう、事前にライセンスのインポートと有効化を済ませておきましょう。
申請後の審査状況確認と承認までの目安
申請後は、Fly Safeポータルサイトでステータスを確認できます。「承認済み(Accepted)」となれば成功です。
審査にかかる時間について、DJI公式の明確な規定時間は公表されていませんが、書類に不備がなければ比較的スムーズに進むことが一般的です。
余裕を持って、飛行予定日の数日前には申請を完了させておくことを強く推奨します。
【重要】公式承認文書の取得方法と申請成功のポイント
DJIへの申請で最も重要なのが「公式の承認文書」です。これがなければ、制限区域(赤色エリア)の解除は原則として認められません。
「公式の承認文書」とは何か?取得が必要なケースを解説
「公式の承認文書」とは、飛行禁止区域を管轄する行政機関や管理者が発行した、飛行を許可する公的な書類のことです。
DJIのサポートページには、カスタムロック解除申請には「飛行許可地域と許可者が表記された公式許認可書類」が必要であると明記されています。
つまり、「DJIさん、飛ばさせてください」と頼むための根拠として、「国の許可は取ってあります」という証明が必要になるのです。
国土交通省など行政機関からの取得方法(実践ガイド)
日本国内において、この「公式の承認文書」に該当する代表的なものは、国土交通省が発行する「無人航空機の飛行に係る許可・承認書」です。
取得の一般的な流れは以下の通りです。
- DIPS 2.0での申請:国土交通省の「ドローン情報基盤システム(DIPS 2.0)」を利用して、飛行許可承認申請を行います。
- 審査と許可書の発行:申請内容が航空法に基づき審査され、問題がなければ電子的に許可・承認書が発行されます。
- 書類の準備:発行された許可書をPDFなどで保存し、DJIへの申請時にアップロードできる状態にします。
また、空港周辺の場合は空港事務所との調整記録や同意書が必要になるケースもあります。
申請をスムーズに進めるための注意点とよくある失敗例
申請が通らないよくある原因として、以下の点が挙げられます。
- 書類の不備:アップロードした許可書の画像が不鮮明、または有効期限切れである。
- 範囲の不一致:国の許可を得た範囲と、DJIに解除申請した範囲が食い違っている。
- シリアルナンバーの誤入力:数字の「0」とアルファベットの「O」の間違いなど。
許可書の有効期限と申請範囲が一致しているか、提出前に必ず再確認しましょう。
申請が拒否された場合の対処法と再申請のコツ
もし申請が「拒否(Rejected)」された場合は、必ず拒否理由が記載されたメールや通知を確認してください。
「書類不足」や「情報不一致」などの理由が書かれています。
指摘された箇所を修正し、正しい書類を添付して再申請を行えば、承認される可能性があります。
飛行制限解除後のドローン活用事例とDJI製品購入ガイド
無事に制限が解除できれば、ドローンの活用範囲は大きく広がります。
ここでは、解除後の活用イメージと、これから機体を追加・購入する際のポイントを紹介します。
解除によって広がるドローンの可能性(空撮・測量・点検など)
飛行制限解除を行うことで、これまで撮影できなかったロケーションでの業務が可能になります。
- インフラ点検:重要施設や橋梁など、制限区域内にある構造物の点検。
- 報道・空撮:イベント会場や都市部(許可取得済みの場合)での映像制作。
- 測量:工事現場などが制限区域に含まれる場合の測量業務。
これらはすべて、適切な許可と安全管理のもとで行われる高度な活用事例です。
DJIドローンのおすすめモデルと選び方
用途に合わせて最適なモデルを選ぶことが重要です。
- DJI Mini シリーズ:軽量で持ち運びやすく、初心者や手軽な空撮に最適。
- DJI Air シリーズ:画質と携帯性のバランスが良く、中級者におすすめ。
- DJI Mavic 3 シリーズ:プロ向けの最高画質と高度な安全機能を搭載。
DJI製品を賢く購入するには?(DJIショップ/ストア/分割払い情報)
DJI製品を購入する場合、サポート体制が整った店舗を選ぶのが安心です。
- DJI公式オンラインストア:最新のラインナップが揃っており、公式ならではの安心感があります。「DJIストア」では、製品保証サービス「DJI Care Refresh」も同時に加入可能です。
- DJI認定ストア:実機を触って確認したい場合は、全国にある認定ストア(実店舗)を訪れるのがおすすめです。専門スタッフに相談しながら購入できます。
- 分割払いの利用:高額な機体を購入する際、DJI公式ストアや一部の家電量販店、認定ショップでは、クレジットカード不要のショッピングローンや分割払いが利用できる場合があります。
キャンペーン期間中は金利手数料が無料になることもあるため、購入前に各ショップの支払い方法を確認してみましょう。
飛行制限解除からドローン購入・運用までサポートが必要な場合
初めてのドローン導入や、業務での本格運用を考えている場合は、購入後のサポートも重要です。
認定ストアや正規代理店では、購入相談だけでなく、初期設定や法規制に関する講習を行っているところもあります。
不安な方は、こうしたサポート付きのショップで購入することを検討してください。
まとめ
DJIドローンの飛行制限解除は、安全な空の利用を守るための重要な手続きです。
- 仕組みの理解:DJIのGEOシステムと日本の航空法は別物であり、両方のクリアが必要です。
- 正しい手順:公式サイト「Fly Safe」から、正確な情報を入力して申請しましょう。
- 必須書類:国土交通省などの行政機関から発行された「公式の承認文書」が鍵となります。
- 将来の動向:DJIは2025年後半以降、GEOシステムの運用方針を変更する予定です。最新情報にも注意を払いましょう。
正しい知識と手続きで制限を解除し、ルールを守って安全にドローンフライトを楽しんでください。


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