ドローンによる空撮は、日常では味わえない視点からの映像体験を提供してくれます。
しかし、高価な機体を操作することへの不安や、墜落のリスクを懸念して、練習方法に悩む初心者の方も多いのではないでしょうか。
これまで、DJIドローンの練習用として公式アプリ「DJI Virtual Flight」が親しまれてきましたが、現在はメンテナンスが終了しています。
これからドローンを始める方は、どのように練習すればよいのでしょうか。
本記事では、DJI公式フライトシミュレーターの現状を整理し、それに代わるサードパーティ製シミュレーターの選び方とおすすめの選択肢を解説します。
また、シミュレーターで培った操作感覚を活かし、地上の撮影体験を向上させる「DJI Osmo Mobile SE」などの周辺機器についても触れていきます。
テクノロジーの力で、安全かつ効率的に撮影スキルを磨いていきましょう。
DJIフライトシミュレーターは終了?「Virtual Flight」の現状と背景
ドローン操縦の練習用として知られるDJI公式アプリ「DJI Virtual Flight」について、現在の提供状況と今後の対応について解説します。
公式アプリ「DJI Virtual Flight」はメンテナンスを終了
DJI公式サイトのダウンロードセンターによると、アプリ「DJI Virtual Flight」のメンテナンスは2024年3月21日をもって終了しました。
これは、アプリの新規機能追加や不具合修正などの更新が行われなくなることを意味します。
ただし、サービスが完全に停止したわけではありません。
DJIの公式案内では、すでにアプリをダウンロード済みのユーザーに関しては、引き続き利用が可能であるとされています。
新規ダウンロードやアップデートは期待できないため、早めの移行検討が必要です。
DJIが公式シミュレーターを提供しない理由とユーザーが取るべき行動
DJI Virtual Flightがメンテナンス終了に至った具体的な理由や、後継となる公式シミュレーターの開発計画については、現時点で公式情報として明記されていません。
しかし、DJIはメンテナンス終了の告知の中で、ユーザーに対して「サードパーティ製のシミュレーターを選択すること」を案内しています。
これは、公式アプリに限定せず、市場にある優れたフライトシミュレーターを活用して練習を継続することを推奨するものです。
したがって、これからドローン練習を始めるユーザーは、DJI製ドローンのコントローラー(送信機)に対応した、他社製のフライトシミュレーターソフトを導入するのが適切なステップとなります。
DJIドローン対応!おすすめフライトシミュレーター【代替候補5選】
DJI公式がサードパーティ製シミュレーターの利用を案内していることを受け、ここでは一般的にドローンパイロットに利用されている主要なシミュレーターを紹介します。
なお、これらはDJIが公式に特定の製品を推奨しているものではなく、広く普及しているソフトウェアの一例です。
代替シミュレーター選びで失敗しないための重要ポイント
シミュレーターを選ぶ際は、以下の3つのポイントを確認しましょう。
- 対応プラットフォーム
多くの本格的なシミュレーターはPC(Windows/Mac)向けです。自身のPCスペックが動作要件を満たしているか確認が必要です。 - コントローラー(送信機)の対応
お持ちのDJI送信機がPCに接続して認識されるか、またはゲームパッドで代用可能かを確認します。 - 物理演算のリアルさ
実機に近い挙動をするかどうかが、練習の質に直結します。特に「FPV(一人称視点)」の練習が目的か、一般的な空撮ドローンの練習が目的かで適したソフトが異なります。
PCのグラフィック性能が不足していると動作が重くなるため、推奨スペックを必ず確認しましょう。
各シミュレーターの特徴・価格・対応機種を徹底比較
ここでは、ドローン練習用として世界的に知名度の高い5つのシミュレーターを紹介します。
- Liftoff: FPV Drone Racing
FPVドローン界隈で非常に人気のあるシミュレーターです。物理挙動がリアルで、機体のカスタマイズ性が高いのが特徴です。Steamなどのプラットフォームで入手可能です。 - The Drone Racing League (DRL) Simulator
プロのドローンレースリーグ「DRL」の公式シミュレーターです。レースコースが豊富で、初心者向けのチュートリアルも充実しています。 - RealFlight
ラジコン飛行機やヘリコプターのシミュレーターとして長い歴史を持ちます。ドローン版も存在し、安定した挙動と信頼性が特徴です。 - VelociDrone
競技志向のユーザーに支持されており、機体の挙動が非常にシビアでリアルと言われています。実戦的なスキルを磨きたい人に向いています。 - Uncrashed : FPV Drone Simulator
グラフィックの美しさが際立つシミュレーターです。車を追跡するシナリオなどもあり、空撮の練習にも活用できます。
※各ソフトの価格や詳細な対応機種は更新される可能性があるため、各公式サイトや配信プラットフォームで最新情報をご確認ください。
初心者向けおすすめシミュレーターと導入セットアップ
初心者の方には、チュートリアル機能が充実しており、日本語コミュニティでの情報も多い「Liftoff」や「DRL Simulator」などが扱いやすいでしょう。
導入の基本的な流れは以下の通りです。
- PC(Steamなど)でソフトウェアを購入・インストールする。
- DJI送信機(または対応コントローラー)をUSBケーブルでPCに接続する。
- シミュレーター側の設定でコントローラーのキャリブレーション(調整)を行う。
- トレーニングモードから練習を開始する。
ドローン操縦スキルを最短で習得!フライトシミュレーター活用術
シミュレーターを単なるゲームとして遊ぶのではなく、実機の操縦スキル向上につなげるための活用術を解説します。
なぜフライトシミュレーターでの練習が必須なのか?3つのメリット
実機を飛ばす前にシミュレーターで練習することには、大きなメリットがあります。
- 墜落リスクと修理コストがゼロ
操作ミスで墜落しても、リセットボタン一つで復帰できます。高価な機体を壊す心配がありません。 - 天候や場所に左右されない
雨の日や夜間、自宅の部屋の中でも、好きなだけ飛行練習が可能です。 - 緊急時の対応力が身につく
実機では試せないような限界ギリギリの操作や、姿勢を崩した状態からの立て直しを安全に反復練習できます。
初心者が実践すべき基本練習メニューと上達のコツ
初心者は以下のステップで練習を進めると効果的です。
- ホバリング(定点滞空)
機体を一定の高さと位置に留める練習です。機首を自分に向けた状態(対面飛行)でも安定させられるようにします。 - 8の字飛行
スティック操作を組み合わせて、滑らかに8の字を描くように飛行します。左右の旋回をスムーズに行う基礎となります。 - 指定地点への着陸
画面上の特定のポイントに、ゆっくりと正確に着陸させる練習を繰り返します。
上達のコツは、毎日10分でも良いので継続することです。指が操作を覚えるまで反復しましょう。
シミュレーターで練習できる応用テクニックとシナリオ例
基本操作に慣れてきたら、より実践的なシナリオに挑戦します。
- 障害物回避
木や建物に見立てたオブジェクトの間を縫うように飛行し、距離感と繊細な操作を養います。 - 動体追尾
シミュレーターによっては動く車などを追いかけるモードがあります。被写体をフレームの中心に捉え続けるカメラワークの練習になります。 - 高速飛行からの急停止
スピードを出した状態から、狙った位置でピタリと止まるブレーキ操作を練習します。
実機では危険な操作も、シミュレーターなら何度でも失敗して学べます。
フライトスキルを実体験に活かす!DJI Osmo Mobile SEと撮影体験の向上
ドローンの操縦で培った「滑らかなカメラワーク」や「空間把握能力」は、地上の撮影機材でも活かすことができます。
ここでは、DJIのスマートフォン用ジンバル「Osmo Mobile SE」との関連性について解説します。
DJI Osmo Mobile SEとは?製品概要と主要機能
DJI Osmo Mobile SEは、スマートフォンを取り付けて使用する手持ちタイプのジンバル(スタビライザー)です。
DJI公式サイトのモバイル製品ラインナップに含まれるこの製品は、強力なモーターでスマートフォンの揺れを物理的に補正します。
歩きながらの撮影でも、映画のように滑らかな映像を撮ることが可能です。
コンパクトに折りたためる設計や、マグネット着脱式デザインが採用されており、手軽に持ち運べるのが特徴です。
ドローン空撮と手持ちジンバル撮影の相乗効果
ドローンによる「空からの滑らかな映像」と、Osmo Mobile SEによる「地上からの滑らかな映像」を組み合わせることで、映像作品のクオリティは格段に向上します。
例えば、旅行のVlog(ビデオブログ)を作る際、風景の全景はドローンで空撮し、街歩きや人物の表情はジンバルで撮影するといった使い分けが可能です。
どちらもDJI製品であれば、アプリの操作感や映像のトーンに統一感を持たせやすく、編集もしやすくなります。
Osmo Mobile SEでフライトスキルを活かし、映像表現を豊かにする方法
フライトシミュレーターで練習した「スティック操作の繊細さ」や「被写体を追い続ける感覚」は、ジンバル撮影でも役立ちます。
- スムーズなパン・チルト
ドローンの旋回と同様に、ジンバルのジョイスティックをゆっくり一定速度で倒すことで、プロのような視点移動が可能になります。 - ActiveTrack(追尾機能)の活用
DJIドローンにも搭載されている被写体追尾機能は、Osmo Mobile SEにも搭載されています。被写体を画面内に捉え続ける構図の感覚は、空撮と共通するスキルです。
ドローン操作で養った指先の感覚は、ジンバルのジョイスティック操作にも直結します。
まとめ
DJIドローン操縦の第一歩は「フライトシミュレーター」から
DJI公式の「Virtual Flight」はメンテナンスを終了しましたが、ドローン操縦におけるシミュレーター練習の重要性は変わりません。
まずはPC環境で動作するサードパーティ製シミュレーターを導入し、墜落リスクのない環境で基礎を固めることが、安全なフライトへの近道です。
あなたに最適なシミュレーターを見つけて安全なドローンライフを
LiftoffやRealFlightなど、自身の目的や環境に合ったシミュレーターを選びましょう。
公式が推奨するように、サードパーティ製の優れたツールを活用することで、より実践的で高度なスキルを習得することが可能です。
空撮・撮影スキル全体の向上を見据えたDJI製品活用
シミュレーターで磨いた操作技術は、ドローンだけでなく、DJI Osmo Mobile SEのような手持ちジンバルでの撮影にも応用できます。
空と陸、両方の視点からテクノロジーを活用し、あなただけの素晴らしい映像作品を創り上げてください。


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