ドローン市場で圧倒的なシェアを誇るDJI。そのラインナップは、手のひらサイズのエントリーモデルから、映画撮影にも使われるプロフェッショナルモデルまで多岐にわたります。
「種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」「Phantom 4から買い替えるべきか悩んでいる」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、DJIの主要ドローン(Mini、Air、Mavicシリーズなど)を徹底比較し、目的や予算に合わせた選び方を解説します。また、長年愛用者の多い「Phantom 4」シリーズと現行モデルの違いについても詳しく掘り下げます。
DJIドローンを比較する前に知っておきたい基本知識
ドローン選びで失敗しないためには、まずDJI製品の全体像と、選定の基準となる基礎知識を理解しておくことが重要です。
DJIドローンの主なシリーズとそれぞれの特徴
DJIのコンシューマー向けドローンは、主に以下のシリーズに分類されます。それぞれのシリーズには明確なコンセプトがあり、ターゲットとなるユーザー層が異なります。
- Miniシリーズ(入門・携帯性重視)
重量249g未満のモデルが中心で、航空法の一部規制対象外となるケースや、持ち運びのしやすさが最大の特徴です。旅行や日常の記録を気軽に残したい初心者に適しています。 - Airシリーズ(バランス型)
携帯性と飛行性能、カメラ画質のバランスが取れたミドルレンジモデルです。Miniシリーズよりも風に強く、Mavicシリーズに近い撮影機能を備えています。 - Mavicシリーズ(プロ・高画質重視)
大型のセンサーや複数のレンズを搭載し、最高品質の空撮を求めるハイアマチュアからプロフェッショナル向けのフラッグシップモデルです。 - FPV / Avataシリーズ(没入感・スポーツ飛行)
ゴーグルを装着してコックピット視点で操縦を楽しむためのシリーズです。空撮よりも「飛行体験」そのものを重視するユーザーに向けられています。 - Neoシリーズ(超軽量・Vlog向け)
手のひらサイズで、コントローラーなしでも手軽に自撮りができるなど、VlogやSNS用途に特化した新しいエントリーモデルです。
ドローン選びで重視すべき主要なポイント
自分に合った1台を見つけるために、カメラ性能や飛行性能を比較検討しましょう。
- カメラ性能
センサーサイズが大きいほど高画質で、暗所にも強くなります。また、ズーム機能の有無や動画のフレームレート(4K 60fpsなど)も重要です。 - 飛行性能
最大飛行時間や耐風性能は、撮影の自由度に直結します。特に風の強い海辺や山間部での使用を想定する場合は、機体重量がありパワーのあるモデルが有利です。 - 携帯性
折りたたみ時のサイズや重量は、持ち出し頻度に影響します。登山や旅行で荷物を減らしたい場合は、軽量モデルが推奨されます。 - 障害物検知機能
全方向の障害物を検知できるモデルは、衝突リスクを大幅に低減できるため、初心者でも安心して操作できます。
ドローン初心者におすすめのDJIモデルは?
初めてドローンを購入する場合、操作の難易度と価格のバランスが重要です。
- DJI Mini 4K / Mini 2 SE
低価格でありながら基本的な空撮機能を備えており、コストを抑えてドローンを始めたい方に最適です。 - DJI Neo
操作が非常に簡単で、AIによる被写体追尾機能などが充実しているため、操縦技術に自信がない方でもすぐに楽しめます。
ドローン購入前に知っておきたい法律と規制
日本国内でドローンを飛ばす際は、航空法や小型無人機等飛行禁止法などの規制を遵守する必要があります。
100g以上のドローンは国土交通省への機体登録とリモートIDの搭載が義務付けられています。
- 機体登録制度
Miniシリーズなどの軽量機であっても、バッテリーを含めた重量が100gを超える場合は対象となります。 - 飛行禁止区域
空港周辺、人口集中地区(DID)、国の重要施設周辺などでは、許可なく飛行させることができません。 - 飛行ルール
日中(日出から日没まで)に飛行させる、目視範囲内で常時監視する、人や物件から30m以上の距離を保つなどのルールが定められています。
【一覧比較】DJI主要ドローンモデルのスペック徹底比較
ここでは、現行の主要モデルである「Mini 4 Pro」「Air 3 (Air 3S)」「Mavic 3 Pro」を中心に、具体的なスペックを比較します。
主要モデル(Mini 4 Pro, Air 3, Mavic 3 Pro等)の基本スペック比較表
| 項目 | Mini 4 Pro | Air 3 / Air 3S | Mavic 3 Pro |
|---|---|---|---|
| 重量 | 約249g | 約720g前後 | 約958g |
| センサー | 1/1.3インチ CMOS | 1/1.3インチ CMOS (2眼構成) | 4/3インチ CMOS (3眼構成) |
| 最大飛行時間 | 約34分 | 約46分 | 約43分 |
| 特徴 | 軽量、縦向き撮影 | 2つのカメラ、長時間飛行 | 圧倒的高画質、3眼レンズ |
カメラ性能(画質、センサーサイズ、ジンバル)での比較
画質を左右する最も大きな要素はイメージセンサーのサイズです。
Mavic 3 Proは、マイクロフォーサーズ規格の4/3インチセンサーを搭載しており、ダイナミックレンジが広く、プロレベルの映像制作に対応します。また、3種類のレンズを使い分けることで、映画のような視覚効果を演出できます。
Air 3 / Air 3Sは、1/1.3インチセンサーを採用しており、Miniシリーズと同等のセンサーサイズですが、中望遠レンズを搭載している点が大きな違いです。これにより、被写体に近づかずに圧縮効果のある映像を撮影できます。
Mini 4 Proも1/1.3インチセンサーを搭載しており、小型ながら4K 60fps HDR撮影が可能です。特にカメラを90度回転させる「縦向き撮影」機能は、SNS向けの動画制作に非常に有利です。
飛行性能(飛行時間、最大速度、風圧抵抗、障害物回避)での比較
飛行時間については、Air 3シリーズが最大46分と最も長く、バッテリー交換の手間を減らして撮影に集中できます。Mini 4 Proもオプションのバッテリーを使用すれば45分程度の飛行が可能ですが、標準バッテリーでは34分程度となります。
風圧抵抗(耐風性能)に関しては、機体が重いMavic 3 ProやAir 3は風に強く、安定したホバリングが可能です。一方、軽量なMini 4 Proは強風下ではバッテリー消費が早まったり、飛行が不安定になったりする可能性があります。
障害物回避については、Mini 4 Pro、Air 3、Mavic 3 Proはいずれも「全方向障害物検知」を搭載しています。前後左右上下のセンサーで障害物を認識し、自動で回避ルートを生成するため、安全性は非常に高いレベルで共通しています。
携帯性と操作性(重さ、サイズ、コントローラー)での比較
携帯性において、Mini 4 Proは折りたたむとスマートフォン程度のサイズになり、ポケットや小さなバッグにも収まります。Air 3やMavic 3 Proは専用のバッグやバックパックが必要になるサイズ感です。
操作性(伝送システム)では、最新モデルは「O4(OcuSync 4.0)」などの映像伝送システムを採用しており、数キロメートル先でも安定した映像を確認しながら操縦できます。Air 3Sなどの最新機種では、日本国内でも最大10km以上の伝送距離を実現している場合があります。
目的別!あなたに最適なDJIドローンはどれ?
スペック比較を踏まえ、具体的な利用シーンごとのおすすめモデルを提案します。
手軽に楽しむ旅行・レジャー用途なら【Miniシリーズ】
「旅行の荷物は増やしたくないけれど、綺麗な空撮映像を残したい」という方には、DJI Mini 4 Proが最適です。
249g未満という軽さは移動時の負担にならず、画質もSNSやYouTubeでの共有には十分すぎるほどのクオリティです。予算を抑えたい場合は、Mini 4KやMini 2 SEも有力な選択肢となります。
高品質な映像を求める本格空撮・セミプロ用途なら【Mavicシリーズ】
「作品として通用する映像を撮りたい」「夜景や逆光など厳しい条件でも高画質を維持したい」という方には、DJI Mavic 3 Pro一択です。
Hasselbladカメラの色再現性と、望遠レンズによる表現力は他のシリーズにはない強みです。
性能と携帯性のバランス重視なら【Airシリーズ】
「Miniでは風への強さが不安だが、Mavicは大きすぎて持ち運びが大変」という方には、DJI Air 3またはAir 3Sがおすすめです。
2つのカメラを搭載し、長時間飛行が可能でありながら、ペットボトルサイズ程度に収まる携帯性の良さが魅力です。
ドローンレースやFPV飛行の没入感を味わうなら【DJI FPV/Avata】
空を飛んでいるような感覚を味わいたいなら、DJI Avata 2などのFPVモデルを選びましょう。
ゴーグルを装着しての操縦は、通常の空撮ドローンとは全く異なるエキサイティングな体験を提供します。プロペラガードが一体化されているモデルなら、屋内や狭い場所での飛行も比較的安全に行えます。
Phantom 4ユーザー必見!現行DJIドローンとの比較と買い替えの検討
かつての名機「Phantom 4」シリーズを使用しているユーザーに向けて、現行モデルへの買い替えのメリットを解説します。
Phantom 4シリーズの概要と現在の立ち位置
Phantom 4シリーズは、DJIを代表するアイコニックなドローンであり、特に「Phantom 4 Pro V2.0」などはメカニカルシャッターを搭載していることから、測量や業務用途で現在も重宝されています。
しかし、コンシューマー向けの新品販売は縮小傾向にあり、現在は「Phantom 4 RTK」などの産業用モデルが中心となっています。
Phantom 4から現行モデルへの進化点(カメラ、飛行性能、携帯性など)
現行のMavic 3やAir 3シリーズは、Phantom 4時代と比較して以下の点が大きく進化しています。
- 携帯性:折りたたみ機構により、体積はPhantom 4の半分以下になり、持ち運びが劇的に楽になりました。
- 飛行時間:Phantom 4の約30分に対し、現行機は40分〜46分と大幅に延びています。
- 伝送性能:映像伝送システムが進化し、遅延が少なく、より遠距離まで安定して映像が届くようになっています。
- 静音性:プロペラやモーターの改良により、飛行ノイズが低減されています。
Phantom 4ユーザーが買い替えるべき現行モデルとメリット
- 映像制作がメインの方
Mavic 3 Proへの買い替えが推奨されます。センサーサイズが1インチから4/3インチへ大型化し、画質が向上しています。また、3眼レンズにより表現の幅が広がります。 - 持ち運びを重視したい方
Air 3への移行で、画質を維持しつつ機材を大幅に小型化できます。
ただし、Phantom 4 Proが持つ「メカニカルシャッター」は、高速移動する被写体の歪みを抑える効果があり、現行のコンシューマー機(電子シャッター主流)にはない特徴です。測量などでこの機能が必須の場合は、産業用モデル(Mavic 3 Enterpriseなど)を検討する必要があります。
Phantom 4の中古市場と維持・運用の注意点
Phantom 4シリーズは現在も中古市場で取引されていますが、バッテリーや消耗品の入手性が徐々に悪くなる可能性があります。
メーカーの修理サポート期間が終了するモデルも出てくるため、長期的な運用を考えると現行モデルへの移行が安全です。
DJIドローン選びで後悔しないためのポイント
機種が決まったら、購入前に以下の点を確認しておきましょう。
予算とランニングコストを考慮する(予備バッテリー、プロペラ、保険など)
ドローン本体の価格だけでなく、運用に必要なコストも計算に入れる必要があります。
特にバッテリーは1本で30〜40分程度の飛行となるため、本格的に撮影するなら予備を含めて3本程度持っておくのが一般的です。「Fly More コンボ」のようなセット商品は、バッテリーや充電ハブが割安で付属するためおすすめです。
必要なアクセサリーや周辺機器も合わせて検討する
- microSDカード:4K動画を記録するため、高速書き込みに対応したカードが必要です。
- NDフィルター:動画撮影時のシャッタースピードを調整し、滑らかな映像を撮るために必須のアイテムです。
- ランディングパッド:砂埃や草の巻き込みを防ぎ、離着陸時の安全を確保します。
購入後のサポート体制と保証を確認する
ドローンは墜落や衝突のリスクがつきものです。DJIには「DJI Care Refresh」という有償の保証プランがあり、加入しておくと機体の交換や修理を安価に受けられます。特に初心者は加入を強く推奨します。
最新モデルと旧モデル、どちらを選ぶべきか
基本的には、障害物検知性能や伝送システムが向上している最新モデルを選ぶのが無難です。
予算が限られる場合は、Mavic 3 ClassicやMini 3などの型落ちモデルも性能的に十分現役で使えます。
まとめ
DJIドローンは、用途に合わせて明確なシリーズ分けがされています。
- 手軽さと携帯性を最優先するなら Miniシリーズ
- 性能と持ち運びやすさのバランスが良い万能機なら Airシリーズ
- 妥協のない最高画質を求めるなら Mavicシリーズ
- Phantom 4からの買い替えは、用途に応じて Mavic 3 Pro または Air 3
自身のスキルレベルや撮影したいシーン、予算を照らし合わせれば、最適な1台が見えてくるはずです。ぜひ自分にぴったりのDJIドローンを手に入れて、空からの新しい視点を楽しんでください。


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