※2022年6月に更新しました。
4K 10bit動画編集は
インテルとAMDのどっちがイイ?

自作PCユーザーに大人気のRyzen CPUは4K 10bit動画を快適に編集できるのでしょうか。
そこでRyzen 7-3800XT搭載のハイエンドパソコンで4K 10bit動画編集を検証してみました。
Ryzen 7 3800XT + GeForce RTX 3070搭載パソコン DAIV A9-MVPRの動画編集性能を検証しました。
結論から先に言うと
✅RTX2070S⇒RTX3070の変更で書き出し時間が大幅短縮
✅4K60Pは Ryzen 7 3800XTでかなり満足できる
✅グラボが変わるだけでこんなに快適になるとは思わなかった
Ryzen推しです😊 pic.twitter.com/fNUEccZESa
— おーとふぉーかす@ブログと動画編集でメシを食う (@sonycameralove) February 15, 2021
結論を先に言うと、先に検証したインテル Core i7-10700K搭載パソコンよりもコマ落ちが少ない結果となりました。
関連記事:α7SⅢの4K60P 10bit動画を編集できるパソコンを検証 DAIV Z9-MVPRレビュー
そしてパソコンをお借りしたマウスコンピューターさんと相談の結果、当ブログとmouseのコラボモデルの一つにRyzen 搭載パソコンを組み入れてもらえることになりましたよ。
製品名はDAIV A9-MVPRです。
こんな方にピッタリ
✅Ryzen搭載の動画編集用パソコンが欲しいクリエイター
✅Ryzen PCでコスパの良いモデルを探しているクリエイター
✅4K 10bitの動画編集を取り組むクリエイター
こんな方にオススメのクリエイター向けパソコンです。
高速読込のGen4 M.2 SSD搭載です!
この記事ではDAIV A9-MVPRの検証をしています。
Ryzen CPU搭載パソコンで4K 10bit動画編集を検討している動画クリエイターさんはぜひ読んで見てください。
この記事で検証するパソコンの後継機
マウスコンピューターと当ブログのコラボ企画のパソコンでお買い得な製品です。
カスタマイズでCore i9-12900に変更可能です。

DAIV Z9-MVPR
CPU:Core i7-12700メモリ:32GB PC4-25600
グラフィックス:GeForce RTX3060 Ti(8GB)
ストレージ:M.2 SSD NVMe 512GB + HDD 2TB
Thunderbolt 4拡張カード・DVDドライブ・UHS-II SDカードリーダー
電源:850W
240,728円(税込 264,800円)
目次
4K 4:2:2 10bit向けの動画編集用パソコンとCPUについて動画で解説してみましたので合わせてご視聴ください。
Ryzen PCで考える4K 10bit動画編集用パソコンスペックとは?
4K動画編集向けのパソコン 参考スペック
マウスコンピューターのRyzen CPU搭載パソコンの中でも動画編集向けのモデルと、DAIV A9-MVPRの性能を比較してみます。
DAIV A9 RyzenCPU搭載モデル |
DAIV A9-MVPR 当サイト限定モデル |
AMD Ryzen 7 3800XT(8コア16スレッド) | AMD Ryzen 7 3800XT(8コア16スレッド) |
水冷CPUクーラー サイドフロークーラー |
水冷CPUクーラー サイドフロークーラー |
GeForce RTX 3070 | GeForce RTX 3070 |
32GBメモリ PC4-25600 | 32GBメモリ PC4-25600 |
①M.2 SSD 1TB | ①M.2 SSD NVMe Gen 4 2TB ②HDD 2TB |
電源ユニット 800W 【80PLUS® TITANIUM】 | 電源ユニット 800W 【80PLUS® TITANIUM】 |
– | Thunderbolt 3拡張カード DVDドライブ UHS-II対応SDカードリーダー |
219,780円(税込) | 274,780円(税込) |
(※搭載されるパーツは購入・出荷時期によって異なる場合があります。)
マウスコンピューターのRyzen 7-3800XT搭載クリエイターパソコンにはDAIV A9があります。
ここで紹介するDAIV A9-MVPRは、DAIV A9をベースに4K 10bit動画を快適に編集できるようさらにアップグレードしてもらったパソコンとなっています。

DAIV A9-MVPRに備わるM.2 SSD NVMe Gen4
4K 4:2:2 10bitで撮影した動画データはファイルサイズが大きいため、大容量の保存ディスクが必要です。
それに加え、編集ソフトで動画を書き出しする際にはディスクの読み書き速度も影響します。
そこでDAIV A9-MVPRではこの記事を書いている時点で読込速度が最高性能の規格となるM.2 SSD MVNe Gen 4(読込速度4,000MB/s以上)を2TBの大容量で搭載してもらいました。
後々の検証結果でも解説していますが、動画編集ソフトのプレビュー時のコマ落ちがほとんどなく快適です。

リムーバブルケース

Thunderbolt 3 拡張スロット
編集の終わった動画の素材一式をハードディスクにバックアップ保存できるよう、HDDを簡単に着脱できる3.5型のリムーバルケースを装備しています。
また、撮影データを高速でパソコンに移動するためにThunderbolt3拡張カードを搭載してもらいました。
これで最高40Gbpsのデータ転送速度を実現できます。
もちろんそのためにはカメラの記録メディア(SDカードなど)や、それを読み込むためのカードリーダーも転送速度の速い規格を選ぶ必要がありますが、Thunderbolt 3 対応の端子があるのは心強いですね。
私の場合 belkin Thunderbolt3 Dockを使用しているので、次のパソコンはThunderbolt 3拡張カードは必ず装備しようと思っています。
関連情報:Thunderbolt3 Dockでα7SⅢのデータ移動速度を改善してみた

Ryzen 7-3800XT・Core i7-10700K・Ryzen 9-3900XTのベンチマーク比較 写真引用元 PassMark
Ryzen 7-3800XTのベンチマークを、インテルの競合CPUとなるCore i7-10700K、上位CPUのRyzen 9-3900XTを比較してみました。
PassMarkのベンチマークではCore i7-10700Kを抑え込んでおり、RyzenCPUの性能の高さがうかがえます。

Ryzen 7-3800XT・Core i7-10700K・Ryzen 9-3900XTのベンチマーク比較 写真引用元 PassMark
次にシングルスレッド性能を確認してみましょう。
シングルスレッド性能の場合、Ryzen 7-3800XT およびRyzen 9-3900XTは Core i7-10700Kにやや劣る結果となっています。
また、Ryzen 7-3800XTはシングルスレッド性能において、上位モデルのRyzen 9-3900XTと同等の性能になっているのも気になるポイントです。
Ryzen 7-3800XT | Core i7-10700K |
8コア16スレッド | 8コア16スレッド |
ベースクロック:3.90 GHz ターボブースト時:4.70 GHz |
ベースクロック:3.70 GHz ターボブースト時:4.50 GHz |
内蔵GPUなし | 内蔵GPU:UHD グラフィックス 630 |
– | インテル QSV:対応 |
TDP:105 W | TDP:125 W |
Ryzen 7-3800XTはCore i7-10700Kと同じコア数・スレッド数で内蔵GPUを持たないCPUであるのが特徴(欠点)です。
ただ、グラフィックカードに性能の良いNVIDIA GeForce RTX 3070を搭載しているため、内蔵GPU非搭載のRyzenでも大きな問題にはならないと思います。
余談ですが、Adobe Premiere ProがバージョンアップのたびにレンダリングやエンコーディングでGPUを活用するようになってきています。
Premiere Proは内蔵GPU非搭載でも快適に編集できますよ。
Ryzenシリーズの方がTDP値も低いため、長時間PCを稼働する動画クリエイターには魅力的です。
PCMARK10 ベンチマーク計測
DAIV A9-MVPR(Ryzen 7 3800XT) | DAIV Z9-MVPR(Core i7-10700K) |
総合スコア:7266 | 総合スコア:7151 |
写真編集:17238 | 写真編集:14312 |
レンダリング性能:14704 | レンダリング性能:16345 |
ビデオ編集:5985 | ビデオ編集:5996 |
PCMARK10によるDAIV A9-MVPRのベンチマークは7266という結果が出ました。
Core i7-10700K搭載のDAIV Z9-MVPRのスコアと比べてみると、総合スコアと動画編集スコアではほとんど同じです。
「写真編集」はDAIV A9-MVPR、「レンダリング性能」においてDAIV Z9-MVPRにやや軍配が上がるようです。
CINEBENCH20 / FF XVベンチマーク計測
次にDAIV A9-MVPRのゲーミング性能をCINEBENCH 20とFF XVのベンチマークソフトでスコアを確認してみます。
CINEBENCH 20のベンチマークスコアは5094、シングルコアのスコアは537となりました。
FFXVの4K(3840×2160)画質におけるベンチマークスコアは6530で評価は快適です。

DAIV A9-MVPRの外観
DAIV A9-MVPRは、マウスコンピューター DAIVシリーズの専用ケース仕様で、前側のケースカバーが着脱式になっています。
ケースカバーを外すと、DVDマルチドライブ・UHS-II対応SDカードリーダー・3.5インチ用ハードディスクのリムーバブルケースが標準搭載しています。

DAIV A9-MVPRのリムーバブルケース
SONY α7SⅢやEOS R5、LUMIX S5には4K 10bitの高画質な映像を内部記録できるようになっています。
動画クリエイターは今後、4K 10bitといったデータ容量の大きな撮影データを取り扱っていかなければならなくなりそうです。
バックアップ保存用に使うには3.5インチのハードディスクが最適なのは言うまでもありませんよね。
映像制作で人気のハードディスク
制作会社のパソコンでよく利用されているリムーバルケースは、こうした大容量のハードディスクを取り扱う際にとても便利です。

DAIV A9-MVPRのThunderbolt3拡張カード
また、DAIV A9-MVPRはグラフィックカードの近くにThunderbolt 3拡張カードを標準装備しています。
Thunderbolt 3はMacに備わる端子で、データ転送だけでなく電源供給も出来るUSB-Type C と同形状の非常に便利な端子です。
別途購入すると意外と高価なので、標準装備されているのはとても嬉しいですね。
40Gbpsでデータ転送できるので、大容量の4K 10bit動画をPCへ転送するときにぜひ活用したい機能です。

DAIV A9-MVPR
PCの内部はこんな感じでCPUに備えられた水冷クーラーのほかにもサイドクーラーも備わっています。
2TBの内蔵HDDを1基搭載し、最大4つのHDDを内蔵することができます。(リムーバブルケースを除く)

DAIV A9-MVPR搭載の水冷ユニット
またDAIV A9-MVPRはCPUファンに水冷ユニットが選ばれています。
連続のエンコーディングでもCPUのパフォーマンスを維持できる冷却性能の高いCPUクーラーです。

DAIV A9-MVPR搭載のRTX 3070
そしてビデオカードにNVIDIA RTX 3070を搭載しています。
GeForce RTX 3070は、NVIDIAのグラフィックカードの中ではコストパフォーマンスに優れた中~上位のグラフィックカードです。
RGB各色10bit(合計30bit)のカラー出力ができるため、10bit 4:2:2のカラーグレーディングが前提の動画編集にも最適です。

RTX 3070のベンチマーク 画像引用元:PassMark
GeForce RTX 3070はRTX前モデルの最上位GPUであるRTX 2080 Tiとほぼ互角の性能で価格は7~10万円。
動画編集において、RTX 30XXシリーズ以降はミドルクラスのRTX3070で必要十分と言えそうです。
オススメ記事⇒ RTX3070搭載の動画編集にオススメのパソコン4選
4K編集で威力を発揮するM.2 SSD NVMe Gen 4
DAIV A9-MVPRにはM.2 SSD NVMeの最新規格となるGen 4の高速SSDを搭載してもらっています。
M.2 SSD NVMe Gen 4は対応できるマザーボードが徐々に出始めてします。

M.2 SSD NVMe Gen 4
DAIV A9-MVPRはGen 4に対応のマザーボードなので、最大4,000MB/sのM.2 SSDを2TBの大容量で搭載してもらいました。
ストレージの読込速度は編集時の快適性や書き出し速度に影響するので、性能の良いSSDは期待大です。
CrystalDiskMarkで読込速度を計測

メインSSD 読み書き速度

内蔵HDD 読み書き速度
ストレージの読込速度を計測できるCrystalDiskMarkを使ってDAIV A9-MVPRのSSDとHDDを計測してみました。

M.2 SSD Gen4の読込速度はさすが!

DAIV A9-MVPRのメモリは最大64GBまでアップグレードできます
メモリは16GB PC4-25600の2枚挿しで合計32GBメモリです。最大64GBまで増設可能です。
After Effectsをメインに使用している方は64GBにアップするのが良いですよ。
関連情報:動画編集向けパソコンでメモリーは32GBが良い?それとも64GB?

DAIV A9-MVPRの電源
DAIV A9-MVPRでは電源ユニットに 800W 【80PLUS® TITANIUM】を搭載しています。
性能の良い電源ユニットになっているのは魅力的なポイントです。
参考情報:マウスコンピューターの電源ユニットについて|mouse
DAIV A9-MVPRの4K動画編集テスト

DAIV A9-MVPRの検証で使ったSONY α7SⅢとNINJA V
今回、SONY α7SⅢで撮影した動画データを使って検証してみます。
また、α7SⅢとNINJA Vで記録したProRes RAWのデータも検証しています。
検証内容
✅Premiere Pro カット編集・カラーグレーディング(4K60P 422 10bit XAVC S-I / 4K60P 422 10bit XAVC HS)
✅Premiere Pro カット編集・カラーグレーディング(4K120P 422 10bit XAVC HS)
✅書き出し時間チェック(4K⇒4K ハードウェアエンコーディング / ソフトウェアエンコーディング)
✅ProRes RAW 編集・カラーグレーディング(NINJA V ProRes RAW)
結果を先に言うと、DAIV A9-MVPRはPremiere Proでほとんどコマ落ちすることなく4K60P 10bitをカット編集・カラーグレーディングできる性能です。
また4K120P 422 10bitの撮影データを使った動画編集でも、わずかなコマ落ちで十分編集可能です。
詳しく解説してみますね。
α7SⅢの記録方式について
SONYでは4K動画記録を
- XAVC S(MPEG-4 AVC/H.264)
- XAVC HS(MPEG-H HEVC/H.265)
- XAVC S-I(mpeg4)
の三種類の記録方式から選べます。
いずれの記録方式でも4K 4:2:2 10bitで収録できるのですが、パソコンに対する負荷の大きさやファイルサイズが違います。
α7SⅢ記録方式の違い
XAVC S | 汎用性の高いSONY従来の記録方式 MPEG-4 AVC/H.264コーデックで記録 |
XAVC HS | 高画質・高圧縮(H.265) ファイルサイズが小さいがパソコンへの負荷が大きい 無編集の視聴用 |
XAVC S-I | ファイルサイズが大きいがパソコンへの負荷が少ない 動画編集向け |
参考情報:SONY α7SⅢ(動画)各記録方式の特徴|SONY 公式HP
ファイルのサイズは同じ尺の動画を記録した場合、XAVC S-Iが最もサイズが大きくなります。
ファイルサイズ比較:録画時間10秒

SONY 記録方式の違いによるファイルサイズ比較 写真拡大
XAVC S :設定 4K60P 4:2:2 10bit 200M | 288MB |
XAVC HS:設定 4K60P 4:2:2 10bit 280M | 288MB |
XAVC S-I:設定 4K60P 4:2:2 10bit 600M | 704MB |
XAVC S-Iの「I」はIntraの頭文字が由来で、映像の圧縮を1フレーム毎に行っています。
一方でXAVC SやXAVC HSは圧縮を複数フレームにまたがって行い、ファイルサイズを小さくしています。
参考情報:どのような記録フォーマットが有り、違いは何ですか。|SONY公式HP
XAVC SやXAVC HSのようなフレーム間圧縮は編集ソフトのタイムラインに乗せたときにデコードの負荷が大きく、再生中にカクツキやコマ落ちが起こりやすくなります。
一方XAVC S-Iのような1フレーム毎に圧縮する記録方式はソフトウェアのデコード時の負荷が小さく、編集がやりやすいというメリットがあります。
編集時の軽さを重視したり、カラーグレーディングが前提となる映像制作では、圧縮率の低いXAVC S-Iの記録方式が好ましいと言えます。
とはいえ、どちらの圧縮方式でも対応できるパソコンが欲しいと思うのが動画クリエイターですよね。
それでは早速DAIV A9-MVPRで動画編集の検証をしていきましょう。
4K60P 4:2:2 10bit カット編集・カラーグレーディング
ここではPremiere Proのフル画質設定で編集します。
SONY α7SⅢ XAVC S-I 4K60P 4:2:2 10bit

DAIV A9-MVPRで4K60P 4:2:2 10bit(XAVC S-I)カット編集 写真拡大
まずはパソコンへの負荷が小さい記録方式 XAVC S-I の編集です。
Premiere Proでシーケンスを用意し、撮影素材とBGM、レガシータイトルを並べてプレビューします。
CPUの使用率は55%前後で推移し、GPUの使用率は20%前後を推移します。

DAIV A9-MVPRで4K60P 4:2:2 10bit(XAVC S-I)カラーグレーディング 写真拡大
次にすべての撮影素材にLUTをあててカラーグレーディングを行った状態でプレビューしてみると、CPUの使用率は変化がなくGPUの使用率のみ10%ほど上昇します。
Ryzen 7 3800XTのスレッドのうち使用率が高いのはおよそ半分ぐらいです。

DAIV A9-MVPRによるXAVC S-Iでのコマ落ち
合計3分のタイムラインをプレビューしてコマ落ちは4フレームとなりました。
これならサクサク快適に編集できそうです。
SONY α7SⅢ XAVC HS 4K60P 4:2:2 10bit
次はパソコンへの負荷が大きいXAVC HSを選んで記録した4K60P 4:2:2 10bitの撮影素材を使って編集します。

DAIV A9-MVPRで4K60P 4:2:2 10bit(XAVC HS)カット編集 写真拡大
撮影素材を並べてレガシータイトルとBGMを乗せた状態でプレビューすると、CPUの使用率は70%前後を推移し、GPUの使用率は20%を推移します。

DAIV A9-MVPRで4K60P 4:2:2 10bit(XAVC HS)カラーグレーディング 写真拡大
プレビューするとCPUの使用率の上昇はほとんどなく、70%前後を推移します。
GPUの使用率は上昇し30%前後を推移します。

4K60P 4:2:2 10bit(XAVC HS)編集中のコマ落ち 写真拡大
4分40秒のシーケンスを最後までプレビューすると、コマ落ちは0フレームでした。スバラシイ。
これならXAVC HSを使った動画編集も問題なくできそう!
※SONY α7SⅢのピクチャープロファイルはPP8(詳細設定は変更なし)を選択して撮影。
※適用したLUTはSONY Libraryでダウンロードできる「S-Gamut3.Cine/S-Log3」を使っています。
参考情報:Sony LUT library
SONY α7SⅢ XAVC HS 4K120P 4:2:2 10bit

DAIV A9-MVPRで4K60P 4:2:2 10bit(XAVC HS)カット編集 写真拡大
次に4K120P 4:2:2 10bit(XAVC HS)で動画編集してみます。
4K120Pの映像データを4K30Pのシーケンスに乗せてプレビューしてみると、CPUは常時100%近い使用率となっています。
一方でGPUの使用率は12%前後とやや低く、グラフィックカードの恩恵は少ない感じです。

DAIV A9-MVPRで4K60P 4:2:2 10bit(XAVC HS)コマ落ち
再生中のコマ落ちは16フレーム程度でした。かなり優秀ですね。
4K120Pでもシンプルなカット編集・カラーグレーディングならやりこなせそうです。
ちなみにCPUの使用率が高いので、Premiere Proと同時に別のAdobeソフトを使うのはオススメできません。
DAIV A9-MVPRで4K書き出し速度を検証
次にDAIV A9-MVPRで書き出して、ファイルを出力するまでの時間がどのぐらいかかるか計測してみます。

DAIV A9-MVPRで4K60P 4:2:2 10bit(XAVC S-I)書き出し 写真拡大
書き出し設定は4K H.264(mp4)、ビットレート設定は VBR(可変ビットレート)に設定し、ターゲットビットレート10Mbpsに設定して書き出しします。
DAIV A9-MVPRはGeForce RTX 3070を活用してH.264 エンコーディング時にハードウェアエンコーディングを選べます。
ハードウェアエンコーディングで書き出し時間を短縮することができます。
関連情報:ハードウェアエンコーディングに悩む方が知っておきたい5項目
ここではソフトウェアエンコーディングとハードウェアエンコーディングの書き出し時間を比較検証してみましょう。
XAVC S-I のシーケンスで3分の動画となります。
予想ファイルサイズは232MBです。
DAIV A9-MVPR エンコーディング時間 3分の動画
ハードウェアエンコーディング | ソフトウェアエンコーディング |
CPU使用率:100% GPU使用率:75% |
CPU使用率:100% GPU使用率:15% |
書き出し時間:1分48秒 | 書き出し時間:4分22秒 |
ハードウェアエンコーディング時はGPUの使用率が70%を超えます。
CPUの使用率も100%となるので、マシン性能を十分に発揮して書き出しを行います。
3分の4K⇒4K書き出しを1分48秒で完了しました。
ソフトウェアエンコーディングではCPUの使用率が100%で、GPUの使用率は15%前後で推移します。
書き出し時間はソフトウェアエンコーディングのほうが時間がかかり、4分22秒となりました。
同じコラボモデルでCore i7-10700Kを搭載するDAIV Z9-MVPRよりも書き出し時間は短縮できます。
DAIV A9-MVPRのエンコーディング性能はとても優秀です。
書き出し比較
NINJA V ProResRAWで撮影・DAIV A9-MVPRで編集

ProRes RAW記録できるNINJA V
SONY α7SⅢは外部レコーダーのATOMOS NINJA Vを使うことでProRes RAWで記録することができます。
カラーグレーディングに最適な記録方式であるProRes RAWを使って、DAIV A9-MVPRで動画編集・カラーグレーディングを検証してみます。
参考情報:ProRes RAWとは? - AtomosのJeromy Young氏が語る|CineD

Apple Pro Video Formats2.1.1~ ダウンロードページ
ProRes RAWはApple製品向けの記録フォーマットのため、Windows PCでProRes RAWを扱う場合はAppleのPro Video Formats 2.1.1~をインストールします。
DAIV A9-MVPRで問題なくProRes RAWに対応できましたよ。
参考情報:Windows での ProRes RAW サポートの必要システム構成

DAIV A9-MVPRで4K60P 4:2:2 12bit(ProRes RAW)カット編集 写真拡大
ProRes RAWのデータをPremiere Proで編集・BGM、タイトルを入れてカラーグレーディングを行います。
この状態でプレビューしてみると、CPU使用率は80%を推移し、GPUの使用率は20%前後を推移します。

DAIV A9-MVPR ProRes RAW編集時のコマ落ち
2分ほどの動画を再生して発生するコマ落ちは33フレーム程度、再生中のカクツキはほとんど発生していません。
これならProRes RAWの動画編集でも十分対応できます。
DAIV A9-MVPR で4K 10bitを編集してみた感想とまとめ
こんな感じです!
DAIV A9-MVPRは今回のリニューアルでRTX 2070 SUPERからRTX 3070に変更となりました。
これによって映像処理性能が格段に上がったようで、4K60P・4K120Pのカラーグレーディングを伴う編集も非常に快適に実施できるようになっています。
AMD CPU搭載PCの動画編集性能はどんどん良くなっており、DAIV A9-MVPRも素晴らしい性能です。
特に4K書き出しにおいてはインテル Core i7-10700Kよりも速く完了し、編集中のコマ落ち発生がかなり少ないのが魅力です。
結論! Ryzenは動画編集にツヨイ!
もちろんDAIV A9-MVPRの性能はCPUだけでなく、読み書き速度が速いM.2 SSD Gen4 やGeForce RTX 3070のグラフィックス性能によって支えられています。

デュアルSSD対応・リムーバブルケース・Thunderbolt 3・UHS-Ⅱカードリーダー付き
またHDDを簡単に取り換えられるリムーバブルケースや、大容量のデータを移動するのに便利なThunderbolt 3拡張カード、UHS-IIカードリーダーで編集時の利便性も抜群です。
これだけの機能を持ったDAIV A9-MVPRは納得のお値段ではないでしょうか。
Ryzen CPUで動画編集用のパソコン買うならDAIV A9-MVPRでいきましょう!
このエントリーで検証したパソコンの後継機
マウスコンピューターと当ブログのコラボ企画のパソコンでお買い得な製品です。
カスタマイズでCore i9-12900に変更可能です。

DAIV Z9-MVPR
CPU:Core i7-12700メモリ:32GB PC4-25600
グラフィックス:GeForce RTX3060 Ti(8GB)
ストレージ:M.2 SSD NVMe 512GB + HDD 2TB
Thunderbolt 4拡張カード・DVDドライブ・UHS-II SDカードリーダー
電源:850W
240,728円(税込 264,800円)