※2023年5月に更新しました。
2023年はIntelのCPUが第13世代に突入し、AMD Ryzen Zen4(7XXXシリーズ)に対抗する製品を次々にリリースしています。
最新のCPUはローエンドモデルでも1~2世代前のミドル~ハイクラスモデルと同等の性能を持っており、「動画編集といえばCore i7」という言葉は過去のものとなりつつあります。
ただしメーカーパソコン・BTOパソコンではインテルCPU搭載モデルが主流で、クリエイターパソコンは現在もCore i7が選ばれることが多いです。
「処理速度の速さを求めるなら高いパソコンを買うべき」という方程式は今日もかわりません。
画像データの処理で負荷がかかる動画編集で、予算に余裕がある場合はもちろん高性能なパソコンを買うべきです。
だけど、用途によってはローエンドのCPUを搭載したパソコンを選んでも問題ないという意見も増えています。
ここでは第12世代・第13世代のCore i7の性能について詳しく見てみます。
この動画で動画編集向けパソコンの失敗しない選び方を解説したので、ぜひ視聴してみて下さい。
第13世代のCore i7の特長とは?
第13世代のCore i7は2022年10月にリリースし、現行はCore i7-13700K/13700KF、そして第12世代Core i7もまだまだ現役でCore i7-12700K/12700KF/12700/12700Fがあります。
CPU(Core i7) | コア/スレッド | 定格クロック数 | TB時クロック数 | 内蔵GPU | 販売価格 |
13700K | 16/24 | 2.50GHz | 5.40GHz | 〇 | 6.2~7.8万円 |
13700KF | 16/24 | 2.50GHz | 5.40GHz | 無 | 5.9~7.3万円 |
12700K | 12/20 | 2.70GHz | 5.00GHz | 〇 | 5.6~9.2万円 |
12700KF | 12/20 | 2.70GHz | 5.00GHz | 無 | 5.3~10.3万円 |
販売価格は価格コムを参考に2023年1月に調べたものです。
新しく発売となった2種類のCore i7は定格クロック数とターボブースト時クロック数、などそれほど大きな差はありません。
ちなみに末尾にFが付く第11世代のCore i7はGPU機能(Intel UHDグラフィックス770)を内蔵していません。
また従来のマルチスレッドタイプのCPUはコア数の倍の数がスレッド数になっていたのに対し、第12世代はやや半端な数値になっているのが特徴です。
タスクの負荷に合わせて最適な各コアへ割り当て
処理やシングルスレッドの性能を高めるPerformance-core(P-core)と消費電力と処理効率を最適化するEfficient-core(E-core)を組み合わせた構造となっています。 処理性能やシングルスレッド性能を高めたPerformance-core(P-core)は、動作周波数が同等の第11世代 インテル® Core™ プロセッサー・ファミリー・アーキテクチャー「Cypress Cove コア」と比較して約19%性能が向上しています。また、消費電力当たりの処理効率を最適化したEfficient-core(E-core)は、第6世代インテル® Core™ プロセッサーと比較して、同等の消費電力で40%高いシングルスレッド・パフォーマンスを実現、もしくは消費電力を40%抑えながら、同等のパフォーマンスを引き出すことができます。 2種類のコアの組み合わせにより、第11世代インテル® Core™ プロセッサーと比較し、80%性能が向上しています。
第12世代のインテルCPUは処理性能高めのPerformance-core(パフォーマンスコア)とWあたりのパフォーマンスが高いEfficient-core(エフィシェントコア)を両立したハイブリッドなCPUとなっています。
第13世代も引き続きPコア・Eコアで分けてワットパフォーマンスを出す仕組みになっており、消費電力を抑えた仕様です(とはいっても125Wと高め)。
例えばCore i7-13700Kではパフォーマンスコアが8コア、エフィシェントコアが8コアの合計16コアです。
パフォーマンスコアがハイパースレッディングで、エフィシェントコアがシングルスレッディングと考えると、「8×2 + 8×1」で24スレッドの数値に納得できます。
長時間パソコンを使用することになる動画編集者にとっては性能はもちろん電力消費も高い関心があるはずです。

高性能・低消費電力は嬉しいデス
ベンチマークをPassMark Softwareで確認すると以下のような結果となりました。

Intel Core i7 第12世代 VS 第11世代 ベンチマーク比較 PassMark調べ
第13世代Core i7は第12世代Core i7に比べるとこれまで以上に性能アップしているのがわかります。

Intel Core i7 第12世代 VS 第11世代 シングルスレッドベンチマーク比較 PassMark調べ
CPUのシングルスレッド性能で確認するとCore i7-13700KFのほうがCore i7-13700Kよりも優れているという結果が出ていて興味深いです。
第13世代Core i7はシングルスレッド性能だけを見ると大きな性能アップはしておらず、マルチスレッド性能の向上は単純にコア数・スレッド数が増えたことが理由にも思えますね。
Core i5が以前のCore i7並のパワー。それでもCore i7を選ぶべき?
これまで動画編集向けのパソコンではハイパースレッド性能を持ったCore i7を選んだほうが良いという認識が強くありました。
ハイパースレッドは簡単に説明するとCPUの一つのコアで2つの作業を実行させることで処理速度を速めることができるというものです。
参考:インテル ハイパースレッディング・テクノロジー|インテル公式HP
ところが第10世代以降からCore i5もハイパースレッド性能を持ち、6コアモデルも出現しています。

Ryzen 5を含めたCPUベンチマーク比較 参考:PassMark
ベンチマークでは第12世代のCore i7-12700がやはり強く、第13世代のCore i5-13400が追随しています。
Core i5は世代間で性能差が大きいです。

第11世代 Core i7 VS 第12世代 Core i5CPU シングルスレッド性能比較 参考:PassMark
シングルスレッド性能を見るとCore i5-13400とCore i7-12700の性能差はやや縮まります。
このデータから見るとホームビデオの編集やシンプルで簡単な動画編集に限られるならCore i5を搭載したモデルでもまず問題ないでしょう。
ただしCore i7の性能が決して悪いわけではなく、映像制作を仕事で取り組んでいる方は、4K動画編集やカラーグレーディングが標準となりつつあるためCore i7以上を選んでいた方が無難です。
こちらもオススメ⇒動画編集向けPCで失敗しないCPUの選び方
BTOパソコンなら第12世代のCPU搭載モデルがお買い得
例年3月頃に決算セールとして旧モデルのCPUを搭載したパソコンがかなり安い値段で販売されます。
予算が厳しい場合や少しでも低価格なパソコンを買いたいという動画クリエイターさんは、2023年にパソコンを買い替えるなら3月や夏・冬のセールの7月・12月が狙い目です。
ただし
・AMD Ryzenの新しいCPUが発表されると値段がぐっと下がる
・Core i7搭載パソコンが以前ほど高くない
これらの点を考えれば、これからVRやライブ配信にも挑戦したいプロの動画クリエイターさんはこのタイミングで新しい世代のCore i7を選ぶのも良いかもしれません。
マウスコンピューターのCore-i7搭載オススメ動画編集用パソコン
この記事を編集している時点ではマウスコンピューターのCore i7搭載パソコンはCore i7-12700が主流なCPUです。
これから徐々に次世代CPUに移り変わっていくのが予想されます。
2023年版 Core i7-12700搭載 DAIV Z9-MVPRの仕様
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core i7-12700 プロセッサー 8コア16スレッド/ 2.50GHz/ TB時最大4.90GHz/ 16MB スマートキャッシュ |
ビデオカード | GeForce RTX 3060 Ti(8GB) |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 1.M.2 SSD NVMe 512GB (NVMe対応/M.2規格/PCI Express x4 接続) 2.HDD 2TB Serial ATAIII |
第12世代のコア i7なら4Kの動画編集に対応可能です。
特に最近は4Kでややワイドに撮影したクリップを使って要所要所でサイズを拡大して疑似的に複数のカメラで撮影したような編集方法が流行しています。
一つのカメラでアップや引きの画を取り入れた編集を行えば、映像にメリハリを出すことができます。
フルHDの解像度で書き出せば画質はほとんど荒れないので非常に便利な編集手法です。

第11世代のCore i7と16GBのメモリ、5GBのビデオメモリを搭載するNVIDIAのグラフィックカード RTX 3060を使うことで4K動画クリップを使った単純な動画編集はサクサクこなせますよ。
その他のBTOパソコンショップのCore i7搭載パソコン
マウスコンピューターのCore i7搭載クリエイターPC

G-Tune EN-Z-3060Ti-WA
CPU:Core i7-12700KFグラフィックス:GeForce RTX 3060 Ti 8GB
メモリ:16GB PC5-38400
ストレージ:M.2 SSD NVMe Gen4 500GB
174900円(税込)
マウスコンピューターと当ブログのコラボ企画のパソコンでお買い得な製品です。
カスタマイズでCore i9-12900に変更可能です。

DAIV Z9-MVPR
CPU:Core i7-12700メモリ:32GB PC4-25600
グラフィックス:GeForce RTX3060 Ti(8GB)
ストレージ:M.2 SSD NVMe 512GB + HDD 2TB
Thunderbolt 4拡張カード・DVDドライブ・UHS-II SDカードリーダー
電源:850W
264800円(税込)
販売終了
パソコン工房のCore i7搭載クリエイターPC

SENSE-M07A-137-SAX
CPU:Core i7-13700グラフィックス:GeForce RTX 3060 Ti 8GB GDDR6
メモリ:16GB PC5-38400
ストレージ:M.2 SSD NVMe 500GB
198800円(税込)
ドスパラのCore i7搭載オススメPC

raytrek 4CXVi
CPU:Core i7-13700Fグラフィックス:GeForce RTX 3060 Ti 8GB
メモリ:16GB PC4-25600
ストレージ:M.2 SSD NVMe 1TB
189979円(税込)