採用動画の制作を受注したら活用したい構成テンプレートを解説

採用動画の作り方を解説します

こんにちは。
Lead Promotion代表の奥原尚途です。

今回のテーマは「採用活動に特化した動画」について解説していきたいと思います。
採用動画を制作するクリエイターの方はもちろん、採用担当者の方にも学びになるよう学生心理の本質的な部分に言及したく思います。

採用活動は倫理憲章から指針へ変更され、雇用慣行も激動の時代を迎えました。
学生意識も「やりがい」よりも「働きかた」が注目されるなどここ10年で大きく変化しています。

ただ一環して変化しないものもあります。

その一つは入社の決め手。

端的に言えば、「憧れの先輩と一緒に働きたい」です。
やはりいつの時代も決め手は人。

採用側は社員にとことんフォーカスをあて、採用プロモーションをするべきでしょう。

今回は映像制作会社はもちろん採用コンサルティング会社もやっていない採用プロモーション動画を解説していきます。

私自身、元々経済出版社系列の採用コンサルティング会社でコンサルをしていました。
その後セミナー講師養成の仕事に携わりましたが、同時並行的に採用コンサルも行っており、独立した今でも採用プロモーションの依頼があります。

本コンテンツはその10年弱の採用コンサル経験をもとに解説していきたいと思います。
なお解説は以下の動画を使用します。

徹底的に一人の社員にフォーカスする

社員にフォーカスすべき・・と聞いて「もうやってるよ」とお考えの方もいるでしょう。
確かに多くの企業が先輩社員の声、先輩の1日などのコンテンツを出しています。

しかしながらほぼ9割以上の企業が表面的な「良い面」しかだしていません。

誤解を恐れずに言えば採用活動用の社員。ほとんどただの広告を見せられている感覚。
社会人の私から見ても「本当かな」と言いたくなるような1日のスケジュールです。

これでは学生の心を掴めません。

漫画の主人公や映画のヒーローには弱点がある

結論から言います。
先輩社員のネガティブな過去と現在のやりがいにフォーカスをあてたドキュメンタリー動画を制作する。(インタビュー動画でも可)

これが最も効果的です。
どういうことか。詳しく解説していきましょう。

前述した通り、「採用活動用の社員」が登場してやりがいや仕事の成果を訴求しても、学生にはささりません。

学生だけではなく、老若男女問わずささりません。

なぜか。親近感がわかないからです。

突然ですが、映画や漫画にでてくるヒーローを想像してください。
彼らは必ず「何らかの壮絶な過去」や「弱点」をもっています。

ヒーローには弱点がつきもの。
顔が濡れると力がでないアンパンマン。ドラゴンボールのサイヤ人はしっぽが弱点。
完全無欠のスーパーマンには惹かれにくいのが人間です。
芸能人の壮絶な過去を知って応援したくなった、、という人も世の中には多いでしょう。

さて採用動画に話を戻します。

映画も漫画もアーティストも採用活動も本質は同じです。
感情移入させてファンにさせるにはポジティブな情報ではない。

逆です。

あえてネガティブな情報を開示するのです。

学生を惹きつけファンにさせる三部構成

「ネガティブな情報をだして学生からブラック企業だと思われないか」それは理由によります。

会社や上司から理不尽に詰められて・・であればマイナス。
ですが、お叱りを受けたり仕事の失敗は社会人につきもの。

むしろミスマッチを防ぎ、事前にある程度スクリーニングできると考えましょう。

ネガティブな情報を訴求することにより、「すごい先輩にもあんな時期があったのか」と感情移入してくれます。
繰り返しになりますが「最初から最後まですごい先輩」では興味を持たれません。

「あの人だからできるんだよね、でも私には無理」と情報は素通りされてしまいます。

これはNHKのドキュメンタリー「プロフェッショナル仕事の流儀」でも使われている手法です。
2006年から始まったこの番組の構成は実はワンパターンです。

全体が三部構成になっており、第一部ではいかに主人公が凄いかを訴求。

第二部では主人公のどん底時代を徹底的に掘り下げる。

第三部では新しいビッグプロジェクトや後進の育成へのチャレンジ。

この構成に例外はありません。

十年以上放送されている長寿番組でもワンパターンなのは驚きですが、これが最も人を惹きつけるということでしょう。

この構成を少しイメージしやすく可視化したものが以下の図です。

プロフェッショナル仕事の流儀の構成

それでは具体的にもう少し詳しく構成を見ていきましょう。
ここでは実際に制作した動画をもとに解説していきます。

【第一部】サンプルでは00:25~01:41

主人公の凄さを訴求する場面です。

如何に主人公の先輩社員はお客さんや同僚・部下から信頼があるか。
一目置かれているか。
また、主人公の理念もインタビューして第一部に組み込みます。

どういった想いで仕事をしているのか。

どのポイントに重点を置いて日々の仕事をしているのか。

そういった独自の視点を語ることで主人公の先輩社員としての深みがでます。

第一部ではしっかり主人公の凄さを伝え、第二部で一気に落とします。
その落差・ギャップが大きければ大きいほど視聴者を引きつけます。

【第二部】サンプルでは01:42~03:58

ドキュメンタリーの肝となるべき場所。
主人公のネガティブ体験に着目し、時系列は現在から過去にうつります。
例えば

・もう辞めてしまおうかと思った体験
・失敗して会社に損害を与えてしまった体験
・お客さんからなかなか立ち直れないほど叱られた体験

何でも大丈夫ですが、当然辛ければ辛いほど今の活躍とのギャップで人を惹きつけます。

ちなみに人選に悩んだ場合、「最も辛い過去を持っている社員」を選べば、良いプロモーション動画になるでしょう。

決して現在の活躍だけに着目してはいけません。
現在と過去のギャップが大きい人物。
これが学生を惹きつける社員です。

「でも都合よく落ち込んでいるシーンは撮れない」という方へ。
少し撮影・編集上のテクニックを補足します。
基本的にドキュメンタリーは「そう見える素材」であれば不自然ではありません。
悩んでいるシーンではなく、「悩んでいるように見える」素材を使う。
寝不足のシーンではなく、「寝不足に見える」素材を使う。

もちろん長期取材であればリアルな素材も撮影できるかもしれませんが、基本的には「◯◯に見える」素材を訴求点やシーンから逆算して撮影します。
では「落ち込んでいるように見えるシーン」はどうすれば撮影できるのか。
簡単に解説いたしましょう。

撮影・編集で感情は作り出せる

基本的に

・暗めに撮影をする
・あおりではなく、やや上から俯瞰気味に撮影する
・正面からではなく主人公の背中を撮影する

とネガティブなシーンに見えます。

背中を丸めてうつむいていれば、悩んでいるように見えるものです。
正面下からあおって撮影すれば、自信があるように見えるのと同じで、全てその逆に撮影をすればネガティブに見えます。

また、もう一点ポイントがあります。

それは編集で映像素材の彩度を落とすことです。

前述した通り時系列は現在から過去になっています。
過去を想起する回想素材・シーンといえば、白黒やセピアの写真。
ビネット加工(中心から輪郭にかけてだんだんと暗くなる効果)プラス素材の彩度を低く、白黒・セピアのような色あせた映像にすることで、過去の話であることをよりわかりやすく視聴者に伝えます。

そして第二部ではもう一点。
大切なポイントがあります。

主人公を多角的に紹介する

主人公を周りの方にインタビューをする
主人公の想い・理念・ネガティブな過去だけでも惹きつけることは可能ですが、さらにもう一つ。

主人公を取り巻く周りの方(同僚・上司・取引先・後輩)に主人公についてインタビューしましょう。

より多角的に主人公の格をあげることができます。
もし良いコメントをいただけたら冒頭の「つかみ」としても効果的です。

【第三部】

サンプルでは3:59~第三部となります。
時系列は過去から再び現在に戻ってきてました。
時系列が変化したため、彩度も戻してより直感的にわかりやすくしています。

インタビューでヒヤリングした主人公の想いや理念を一気に畳みかけますが、可能であれば第二部で掘り下げたネガティブな経験とリンクしているとより良いでしょう。

短所だと思っていたことが考え方一つで長所や武器になる。

サンプルではそのように展開しています。

そして主人公の目標や夢を語り、時間軸を未来で締めくくります。
再度まとめます。

第一部では主人公の想いを語りながら、日々のルーティーンを紹介し凄さを訴求します。その際、時間軸は現在です。

第二部では主人公のネガティブな過去。転機となったターニングポイントを主人公の心情とともに掘り下げます。
それにより共感・親近感を醸成。時間軸は過去です。

第三部では過去のネガティブ体験から得た仕事哲学を語りながら、夢や目標で締めくくります。時間軸は未来です。

以上が、学生を惹きつける三部構成です。
実はこの構成は色々と応用が利きます。
例えば、プレゼンや講演会で話す際にもこの構成で話すとファンにしやすいでしょう。

それではさらに具体的な映像制作のポイントに言及していきたいと思います。

ドキュメンタリー風動画制作の手順

サンプルの動画は撮影1日、編集は2~3日ほどでさくっと制作しています。
これはドキュメンタリー動画ではなく、ドキュメンタリー風動画です。
慣れれば作り手の手間もそこまでかからないでしょう。
以下、その撮影手順です。

1.事前に先輩社員にアンケートを記入してもらい確認する。1日の仕事流れ、将来の夢、一番辛かった体験、仕事理念など

2.撮影当日は事前に確認した1日の流れに沿ってルーティーンを撮影。(出社、朝礼、ミーティング、営業、、など)

3.昼前11:00頃から約30~60分かけて主人公のインタビュー

4.午後の業務を撮影

5.合間に先輩社員や上司から主人公のイメージ・評価をインタビューする

基本的にはこれで制作は可能です。
あとは業種や職種によって難易度が多少変わりますが、どの仕事でも問題ありません。

例えば営業職は社内会議、移動、商談など場面が変わるので飽きないように制作しやすいですね。

ちなみにサンプルの動画はあえて場面展開が少ない業種を選びました。
それでも過去回想を入れることで1本に仕上げることが可能です。

すでに30社ほどこの企画で制作してますが、過去には朝から晩まで惣菜をつくる仕事を取材したこともありました。
それでも問題なく制作は可能です。

話を撮影手順に戻して補足いたしましょう。

基本的には1日の流れ通りに撮影していけば問題ありません。

ただ重要なのは、3番にあげた「早めの時間に主人公をインタビューすること」です。

どういうことか。

第二部、ネガティブな過去回想の素材を撮影できるかどうかがクオリティを決めます。

そのため早めにヒヤリングして、その場面を想起させる素材を1日かけて撮影していくのです。

・電話で契約を白紙にする旨を告げられた→電話をかけてるシーンの撮影
・プロジェクトが解散した→会議室で一人きりになるシーンの撮影
・辛い時に支えてくれたチーム→チームで雑談したり食事しているシーンの撮影

などです。
必ず訴求点から逆算して必要な素材を撮影していく。パズルのようなものです。

辛い過去をよりイメージしやすくするため、どれだけリンクした素材が撮影できるかが重要です。

生の声ベースの学生アンケート

以上、色々なポイントを見てきましたがいかがでしたでしょうか。

ドキュメンタリーはハードルが高いという方は社員のインタビュー動画に今回の要素を加えてみてください。必ず学生の反応が変わります。

最後に本企画動画を視聴した学生のアンケート、1500人以上のデータがありますが参考までに一部抜粋いたします。

  • 失敗から学ぶことって大切だなと思いました。失敗してもめげることなく最後まで諦めず粘り強く取り組むことによってその熱意が伝わり、それが信頼につながるんだなと感じました。これが「働く」ってことなんだと実感させられる動画でした。
  • すごくかっこよかったです。仕事の大変さも包み隠さず公表されている感じがよかったです。
  • 働くということがどういうことなのかが分かったような気がします。楽しいことばかりではなく、時には涙することもある、それが仕事であり、人と関わることなのだと感じました。
  • 入社してすぐ仕事が完璧にできるようになるわけではありません。目標を達成することができないときも、お客様と意見が合わないときもあると思います。そこで逃げ出すのではなく、きちんと反省して失敗から学ぶことが大事だと思いました。
  • 苦難から乗り越えていく過程などが見えてよかったです。他企業ではその人一人だけにポイントをあててみているのに対して貴社では取引先や同じ職場の社員の方にも評価や感想を言っていただいていて、一人ひとりのことをきちんと見ているのだなと思いました。
  • 涙がでました!!実際の仕事での葛藤やぶつかり合いなど、熱い想いに感動しました。私もアルバイトを通して、上司とのぶつかり合いや、失敗、くやしさで涙を流しながら乗り越えた経験があるので、共感しました。
  • 自分の意見で突進しすぎて、「あなたとは協力できない」と厳しい事を言われても諦めず、そこから何がいけなかったのか自分で考え、仕事に励んでいる姿に共感しました。
  • 辛いことがあっても、相談できる人が多くいる環境だと感じました。「卸とは、メーカの調整役となり、共に最適な提案を行う」とありましたが、何よりも人間関係が大事なのだと思いました。そこから失敗にめげずに努力することで信頼を得られるのだということが自分なりに理解できました。
  • 若手社員の方の仕事へ対する熱意や努力、また周りの社員の方の心情も見ることができて良かったです。その中で、実際の仕事の流れも分かりやすく見て取れました。
  • テレビでやるようなドキュメンタリー仕掛けだったので見ごたえがあった。仕事内容としては、もう少し詳しくして頂けると嬉しかった。今回は営業のビデオだったが、他部署合わせて新ただと思うので、他部署の紹介もあれば更にいいと思った。
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